碁法の谷の庵にて

９時開始です。好きな音楽の用意もしました。
人払いもかけました。

局後に更新しますんでお楽しみに。


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　えー、まあその、完敗でした。
　nipparat先生の白番10目半勝です。


　まあ相手が格上だってのは重々承知しているのだけどもね。

　方や学生の大会でやっとの思いでたった1回の枠抜けに狂喜乱舞して、方やアマチュア全国ベスト８経験者。
方やタイゼム９段で五分、方やタイゼム７段でやっと打ち分け。

　はっきり言ってこれではこの結末は仕方ないといえる。でもね、やっぱりこういう負け方はいかんわ。

　そういえば、「8段を名乗りたきゃ、私を倒してからにしてもらおうか」で取り上げた相手の「彼」もちょっとだけど見に来てたなあ。はずかし。



　さて、せっかくこれだけ打ったのだし自戦記を。棋譜は下のSGFをはるか、nipparat先生のところで。

(;GM[1]FF[1]SZ[19]
PB[風の精ルーラ,碁法の賢者,,]
PW[nipparat,医碁界の帝王,,]
KM[6.5]
DT[2006/07/29]
GN[わたいごリーグ戦第6局]
PC[タイゼム日本室]
;B[qd];W[dd];B[pp];W[dq];B[fc];W[hc];B[oc];W[qj];B[cn];W[cf];B[qn];W[qg];B[cq];W[cp];B[dp];W[bq];B[cr];W[do];B[ep];W[co];B[br];W[cl];B[eo];W[dn];B[en];W[em];B[fm];W[el];B[dc];W[cc];B[cb];W[ec];B[db];W[ed];B[cd];W[bc];B[bd];W[ce];B[bb];W[eb];B[fl];W[fk];B[gk];W[gj];B[dm];W[dl];B[fj];W[ek];B[hk];W[hj];B[ik];W[kq];B[iq];W[nq];B[oq];W[np];B[ij];W[fi];B[jo];W[ko];B[kp];W[pq];B[op];W[or];B[pr];W[nr];B[qq];W[jp];B[ip];W[lp];B[rk];W[qk];B[rj];W[ri];B[rl];W[kc];B[ph];W[pg];B[oh];W[qh];B[hh];W[og];B[lc];W[kd];B[ld];W[le];B[gi];W[ej];B[hi];W[nc];B[nb];W[mb];B[ob];W[be];B[ac];W[gg];B[lb];W[kb];B[hg];W[hf];B[if];W[he];B[mh];W[nh];B[ni];W[ng];B[mi];W[la];B[nd];W[md];B[jn];W[jr];B[ir];W[is];B[hs];W[js];B[hr];W[lm];B[aq];W[bp];B[ap];W[cm];B[ao];W[bn];B[rf];W[oi];B[oj];W[pi];B[ea];W[fa];B[da];W[fb];B[kl];W[ll];B[lk];W[km];B[jm];W[mk];B[lj];W[jg];B[ig];W[lg];B[fj];W[gj];B[jq];W[lr];B[ie];W[id];B[jh];W[kh];B[ki];W[ji];B[ih];W[pd];B[pc];W[qm];B[ql];W[pm];B[rm];W[pn];B[po];W[rg];B[qe];W[qf];B[re];W[mc];B[nn];W[pl];B[ae];W[af];B[kf];W[ok];B[no];W[kk];B[jl];W[od];B[oe];W[ne];B[pe];W[rn];B[qo];W[sj];B[nj];W[sk];B[ro];W[nm];B[nk];W[nl];B[kg];W[lh];B[pj];W[pk];B[mg];W[lf];B[mf];W[nf];B[kj];W[on];B[oo];W[je];B[jf];W[nd];B[mo];W[mp];B[ar];W[na];B[qc];W[sf];B[se];W[sg];B[ke];W[jd];B[gh];W[fh];B[an];W[am];B[os];W[ns];B[ps];W[oa];B[pa];W[ma];B[me];W[kp];B[ad])


　９手目の大ゲイマは珍しいのかな？ネット碁で特に韓国の人と打つと比較的足早に立ち回れるので使用した。場合によっては左上は捨てて立ち回る意図だ。
　１１は･･･一応一路上からかかってくるのが気分的に気に入らないので打ったけど、後々に至るまでこれが頭を痛める原因になる。

　１３からのワカレはなんともいいにくいか？２３から２８と決めたのはちょっともったいない意味があった。６－１６にのびて利いてくれるんならそう打ったが、どうやら利いてくれるつもりだったようだ。だいたい私は相手のやってこない反撃を考えて手を出さないということがよくある。そのくせ本当に反撃される所はすぐ手を伸ばすのだから困ったもんだ。

　３８は三子にして捨てるほうがあとあと白としては味が良かった。まあこの碁でそれは生きなかったのだし、この碁で白の疑問手などそこくらいしかないのだが。
　４１からは決断。下辺に打つのが普通だが、曲げられてのびるのは癪に障るのだ。でもそう打つべきだったかな。だいたい白の硬いところを押してって自らだめ詰まりになっている意味もあるし。

　５２と割られては大変で対処が悩ましい。局後直接ぶっつけるような手法（osama先生提案）が色々検討されていたが、最終的に私が選んだのは実戦の左ツメ。右ツメが厚みに追い込む常道だが、しくじると即負けにつながると見た。一応左側もでかいし、右下もコスミツケの形ならまあまあかなと踏んだ長期戦思考の手なのだ。


　５９とあおって６０つけ。さて、ここではねるのでは今ひとつ迫力がない。

　そこで時間を投入し、６１（下図★）と割り込んでみた。もし一路右に謝らせれば左側ががっちり固まる上に右下の下がりなどがほぼ先手になり、また単にはねるよりヨリツキも残るはず。そこから上辺に回って難しい勝負と算盤をはじいていたのだ。

　が、結果からいえば、ここで碁は終わった。
　確かに、強襲６１に、一瞬nipparatさんもびびったようだ。確かにうかつな受けをすると形勢を損じる。
　だが、華麗にかわす６２（下図☆）が逆に強烈過ぎたのだ。

┌┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┬┐19
├●●●○┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤18
├○○●○●┼○┼┼┼┼┼┼●┼┼┼┤17
├●●○○┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼●┼┤16
├┼○┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤15
├┼○┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤14
├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼○┼┤13
├┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤12
├┼┼┼┼○┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤11
├┼┼┼┼●○○●┼┼┼┼┼┼┼○┼┤10
├┼┼┼○○●●●┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤09
├┼○○○●┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤08
├┼┼●○●┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤07
├┼●○●┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼●┼┤06
├┼○○●┼┼┼┼●○┼┼┼┼┼┼┼┤05
├┼○●●┼┼┼┼┼★┼┼○┼●┼┼┤04
├○●○┼┼┼┼●┼○┼┼○●☆┼┼┤03
├●●┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┼┤02
└┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┴┘01





６７までとなれば右下だけ見れば儲けているが、結局割り込んだ1子をもろに取られ、下辺は瞬時にヨリツキもまるで狙えない固い石になってしまった。（早めに当てておけばまだ狙えたかもしれないが･･･）



　なにより例え負けてもこの手はほめられると思い込んでいた手に更なる手で反発されるのはあまりにも強烈だった。

　検討室の方では、まだまだ難しい碁ということで検討が進んでいたようだ。確かに、黒地はなんだかんだで右上抜きで確定地が５０よりあり、中央は曲がって厚く、右上のシマリをプラスして、さらに黒番であることを考えれば、まだまだ息長く打つことは出来たかもしれない。例えば上辺２間ビラキなど、遠く左上の味も睨んでいる。
　まあ１７－１３につけられるくらいでも、普通にコミにかかりそうだが、盤面なら残せそうだし、もうしばらくチャンスを見ることができたかもしれない。中央に地がまとまったりすれば、万一ということもある。


　しかし、この碁は実質的に終わった。
　あの手で全思考回路崩壊、わずか70手あまりで、差がそんなにないにもかかわらずもう勝てる気がしなくなってしまったのだ。
　この後はもうおよそ勝ちにつながるような手を打っていない。ただ何となく打って何となく寄せられて何となく終わっただけだ。
　ヨセとかも損をしまくっている。打たれた瞬間しまったと思ったこと5回以上。もうこうなっては救いようがない。碁がどうこうももちろんだし、その点言い訳をする意図は全くないが、死んでいた。




　変な手を打ちつつもなんだかんだで食らいついていた私だったが、nipparat先生の華麗な切り崩しの前では戦意すらむなしかったようだ。

　あちゃー、明日勝機あるかなあ。日曜日のゴールデンタイムに組まれたとんでもないカードであるが、恐ろしく不安だ。
　dasさんだって後輩には負けられないと思っているだろうし、ひよこさんだってもう負けられんとばかりに死ぬ気だろう。こりゃ顧問弁護が現実味を帯びてきたか？

　まあなんだ、明日も必死で打つ。約束できるのはそれだけですハハ。