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照千一隅(保守の精神)

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「照千一隅(しょうせんいちぐう)」(一隅を守り、千里を照らす)は伝教大師・最澄の言葉。本を読み、考えたことをこのブログに書いて参ります。ご意見、ご感想など御座いましたら是非お寄せください。

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2022.08.10
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テーマ:憲法議論(165)
カテゴリ:憲法

本書出版から60年余りが経つが、菅原氏が指摘した当時の問題は今も変わらない。

 6、共産党や、社会党は、憲法擁護運動と銘打って、この法理無視の偽憲法の擁護運動を展開して、日本国民の正統憲法に対する遵法精神を悪用し、冒漬しつつある。

 7、保守党は、当初、帝国憲法の改廃を放任しながら、いまや再軍備のために、この占領憲法の一部を改正して、砂上に楼閣を築き、二重の過ちを犯さんとしている。(菅原裕『日本国憲法失効論』(国書刊行会)、p. 114

 現在聞かれる憲法改正は、憲法改正という言葉だけが独り歩きし、どこをどう変えるのかが明確でない。これはおそらく人によって問題意識が異なるので、改正派は、取り敢えず憲法改正の空気だけを醸成したいということなのではないかと思われる。具体的議論は進まず、ごく表層的な意見が聞かれるに留まっている。要は、本気ではないということだ。自民党内ですら、憲法改正に反対または慎重な人達が過半数を占めているのであろう。そうでなければ、これだけ圧倒的多数の議席を保有しながら憲法改正論議が進まないはずはない。

 東西冷戦当時、左派は、日本の軍備を拡大させないために護憲をやかましく言う必要もあったが、冷戦が終焉し、その必要もなくなって、護憲政党というのも意味をなさなくなってしまった。

 戦争の中身が物理的な「熱戦」から精神的な「情報戦」へと変化してしまって、第9条自体が時代遅れの観を呈してもいる。

 菅原氏は、むすびとして、次のような提言をなされている。

1、日本民族の伝統に即し、国家の組織や、政治の基本を定めた帝国憲法を、棚上げされたままに放任しておいては、法の支配する国とはいえぬ。

2、普遍的法理に従って、この筋道を正すことが、文化国家として、はたまた民本主義国家としての第1の条件ではあるまいか。

3、真理は、これを古今に通じて謬(あやま)らず、これを中外に施して悖(もと)らないものでなければならぬ。伝統を無視し、歴史を否定し、普遍的法理に反するものは、真理とはいえぬ。

4、暴力をおさえて、法の支配を確立するためには、非常な叡智(えいち)と、勇気とが必要である。戦争に敗けても、正義を貫き通し、国法を護り抜く決意を持ち、艱難(かんなん)を意とせず堂々と大行進する民族の国こそ、其の文化国家というべきであろう。

5、敗けたから仕方がないと、自暴自棄に陥ったり、自分らの忠誠心に欠けたがための敗戦の責任を、ものいわぬ憲法や、弁解されぬ天皇に転嫁し、占領終了後9年、未だに占領管理法を真憲法として奉戴(ほうたい)して恥としないようでは法治国とはいえない。もちろん独立国でもない。いわんや民主主義など論ずる資格はない。(同、p. 115)【了】






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Last updated  2022.08.10 21:01:39
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