カテゴリ:歴史関連
調べてみると、般若(はんにゃ)とは仏教用語で、人間が真実の生命に目覚めた時にあらわれる根源的な叡智。また、世界の究極的真理を知ること。 一般的には智慧のことをいい、仏教におけるいろいろの修行の結果として得られた “悟りの智慧” のことをいう と有りました。 そして般若心経は正式には「般若波羅蜜多心経」で単に「心経」ということもあるとの事で、玄奘三蔵法師が漢訳した経典のひとつだとされております。 わずか266文字の大変短いお経ですが、大乗仏教の中核思想のひとつである「空(くう)」の思想が見事に要約されている立派な仏教経典です。 古くから日本人のお守りとして使われてきたようですし、現在でももっとも一般的に写経されているのもこの般若心経です。 と、ここまで書いてきて、まだ “能面の般若” との関連が見出せません。 「般若」って言うと、ほとんどの人は能面の鬼のことを思い出すでしょう。 “般若=鬼” という条件反射のようなものです。 ところが「般若」というのは、仏教語で「仏の智慧」の事を指しますので、これはどうした事かと…。 むかしむかしあるところに優秀な能面師の僧侶が居りました。 ところがどうしたことか、あるとき我が力の限界に達したことを感じて、制作活動が行き詰ってしまいました。 いくら頑張ってももうこれ以上のできの能面を作ることができない。つまりスランプです。 神仏に願掛けをしてでも、もっともっと良い能面を作りたいと思って、その僧侶の能面師は自分の名前を「般若(はんにゃ)=仏の智慧」と改めて、なおも能面作りに励みました。 するとそれ以後の、彼の作る能面は素晴しいものばかりで、なかでも鬼の面は他の追随を許さないほどの傑作で、「般若坊の作る鬼の能面は素晴しい」との評価を得る事になるのです。 それが「般若坊の作る鬼は素晴しい」→「般若の鬼は素晴しい」→「般若の面は素晴しい」と言い伝えられて「般若の面=鬼の面」ということになったそうです。 ところで「般若の面」は “嫉妬や恨みのこもる女の顔” としての鬼女の能面だということです。 くれぐれも、女性をあのような “般若の形相” にはさせたくないものですね。 そして最後に、忘れてはいけないとっても好い物がひとつありますね…… …… “般若湯(はんにゃとう)”! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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