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今回は、かの有名な「カクテルパーティー論」についてです。知らない方のために申し上げますと、ピーター・リンチが株式市場の魅力度をマクロ的に判断する一つの材料として、「市場参加者の心理状態」をとりあげた例え話のことです。
したがって、私が街の社交場のカクテルパーティーに頻繁に参加していて、「カクテルパーティーかくあるべき」を述べたいわけではありません(笑)。 今回は、ピーター・リンチの「株で勝つ」から引用します。そこで取り上げられている「カクテルパーティー論」を要約すると以下のとおりです。 *************************** 株式のファンドマネージャーであるピーター・リンチになったつもりで読んでください。 あなた(ピーター・リンチ)は、とある社交場のカクテルパーティーに参加しています。そして、このようなカクテルパーティーに頻繁に参加する機会があるとします。 あるとき、その社交場では常連である歯科医と知り合いました。あなたと歯科医の周りにはカクテルを片手に色々な人が集まり、様々な話題で盛り上がっています。 (1)相場が若いとき あなたが「株式のファンドの運用をしています」と言っても人々は軽くうなずいて消えてしまう。いなくならなくとも、話題をバスケットボールや次の選挙や天候に移す。そのうち、近くの歯医者に語りかける。 *相場自体が低迷していて「株で儲かる」という話題など出てこないときであるが、実は、このときが株式投資で大きく儲けられるチャンスである。 (2)相場のボトムから20%程度上昇したとき あなたが自分の職業を人々に打ち明けると、初対面の人が歯科医の近くに移る前に、もう少し長くあなたの前にいて、株式市場がどんなにリスキーなのかを教えてくれる。そして、全体としては歯科医に関心がある。 *株価が少し上がって一旦利食い売りを考えたくなるが、実はまだまだ株価は上昇する。したがって、リスキーどころか安全であると言える。 (3)相場のボトムから30%以上上昇しているとき パーティーの最中、あなたの周りからは人が離れない。歯科医は完全に無視される。興味津々どの株を買うべきか聞きまくる。歯科医でさえ、どの株がよいか聞いてくる。 *ファンダメンタルとは無関係な思惑先行の株価変動が目立ち、基本的には株式市場から距離を置いたほうが良いのだが、それでも何とかいい銘柄を見つけられる可能性はある。 (4)相場がピークのとき 人々はまだあなたの前に群がるが、今度はあなたにどの株を買うべきか教えたがる。隣の歯科医でさえ、三つ四つのヒントをくれる。数日後、彼らのお勧め株はみんな上昇しているのがわかる。こういうときには相場のピークを迎える。 *ファンダメンタル価値を考えると本当にいい銘柄はかなり限られていて、殆どの場合は大損する可能性が高いにも関わらず、世間一般は「株で儲かるのは当たり前」という感覚になっている。極めて危険な状況。 *************************** ピーター・リンチ自身は「ただし、理論的な正しさは保証しない。」と言っていますが、人間心理の本質を考慮するとこれはかなり頑健であると私自身は考えています。 偉大な投資家はこのような人間心理をうまく語っていると思います。私は成長株志向ではないので、「株で勝つ」からは「成長株の探し方」ではなく「人間心理の落とし穴」をよく勉強できたと考えています。 理論的な正しさを明確に検証することは出来ないかもしれませんが、少なくとも、経済学をベースにした下手なマクロ経済予測に関するウンチクをいうエコノミストよりはぜんぜん使えると思います。 次回は、これをベースに今の状況を考えたいと思います。 今日の言葉: 「株式市場で継続的に利益を上げられる人が少ないことを踏まえると、『みんなが儲かる』というときは『みんなが損する』と考えたほうが妥当である。」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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