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今回は、CD-ROM版四季報で行う財務の健全性チェックについて書きたいと思います。
財務の健全性に関するチェック項目の詳細は、2005/2/20~2005/2/24の日記をご参照ください。以下は、それらの項目をCD-ROM版四季報にどのような形で入力するかについて説明します。 まず、CD-ROM版四季報のスクリーニングを選択します。そこには、以下のような入力項目が存在します。 条件式名:自分で分かるようにここは適当に名前をつけます 条件式内容:スクリーニング式の左辺に相当します 演算子:スクリーニング式の左辺と右辺を結びつける関係式です 条件値:スクリーニング式の右辺に相当します(値しか入れられません) スクリーニング条件式の関係:各条件式をどのように結合するかを指定します これに、どのような形で入力すればよいかを説明します。条件式名は適当につけてください。それ以外の項目を説明します。 ************************************ CD-ROM版四季報で行う財務の健全性チェック (連結決算採用企業の場合。単独決算採用企業の場合、「連・」を外す。) (1)条件1(負債利子返済能力) 条件式内容:[連・経常利益(0)]/[連・負債(-1)] 演算子:>= 条件値:0.1 (2)条件2(純有利子負債返済能力) 条件式内容:[連・当期利益(0)]*3-([連・有利子負債(-1)]-[連・現金預金(-1)]) 演算子:>= 条件値:0 (3)条件3(実質無借金企業) 条件式内容:[連・現金預金(-1)]-[連・有利子負債(-1)] 演算子:>= 条件値:0 (4)条件4(利益剰余金) 条件式内容:[連・利益剰余金(-1)] 演算子:>= 条件値:0 (5)条件5(黒字企業) 条件式内容:[連・当期利益(0)] 演算子:>= 条件値:0 (6)条件6(営業CFプラス企業) 条件式内容:[連・営業キャッシュフロー(-1)] 演算子:>= 条件値:0 (7)条件7(実績PBR) 条件式内容:[月足・終値(円)(-1)]*[連・発行済株式数(株)(-1)]/[連・株主資本(-1)]/1000000 演算子:入力しない 条件値:入力しない (8)条件8(予想PER) 条件式内容:[月足・終値(円)(-1)]*[連・発行済株式数(株)(-1)]/[連・当期利益(0)]/1000000 演算子:入力しない 条件値:入力しない (9)条件9(予想配当利回り) 条件式内容:[連・1株配当(円)(0)]/[月足・終値(円)(-1)]*100 演算子:入力しない 条件値:入力しない *スクリーニング条件式の関係: 1 AND ( 2 OR 3 ) AND 4 AND 5 AND 6 AND 7 AND 8 AND 9 注記: 1.上記の式を「コピー&ペースト」でCD-ROM版四季報に移植させることができます。 2.条件式2と条件式3の部分だけは、スクリーニング条件式の関係を「OR」とすることにご注意ください。 3.CD-ROM版の四季報は、過去3期分のデータがありますので、財務の健全性について3期分時系列で検証するのが理想ですが、スペースの都合上、ここでは1期分のスクリーニング式しか記載していません。 4.条件7~条件9は参考としてみるために表示させています。前回の日記のように、株価をベースとしたスクリーニングは賞味期限が短いので、第一段階で実施することはありません。また、株式分割などを行っている企業はそれが反映されていない場合がありますのでご注意ください。 4.金融業(銀行・証券・保険・ノンバンク)、不動産業、公共業(電力・ガス・鉄道)に属する銘柄ついては、このスクリーニングで財務の健全性を把握することはできませんので、ご了承ください。 ************************************ 2005/2/20~2005/2/24の日記で示した「財務の健全性に関する基準」を100%反映させた内容と言えない部分も一部ありますが、それでも相応に対応可能かと思います。 ちなみに、今回の四季報で上記のスクリーニングを実施すると、単独ベースで306銘柄、連結ベースで916銘柄が抽出されます。したがって、合計で1222銘柄です。 これで一応、第一段階における「財務が健全な企業リスト」を作成できたことになります。すなわち、「財務の健全性の問題から、最初から投資するに値しない銘柄を排除しつつ、今は割高かもしれないが今後の株価次第では買いの対象となり得る銘柄のリスト」を作成できたことになります。 「1222銘柄は多い!」と思う方もいらっしゃるかも知れませんが、上場企業は約4000近くあることと、割安・割高判断をまだ実施していない段階であることを勘案するとこんなものではないかと思います。 ちなみに、バリュー投資家が手がけている銘柄はたいてい引っかかっています。(金融業・不動産業・公共業は除く。) もちろん「リストに載っていない銘柄で良い投資対象となりそうな銘柄を見逃している」という可能性はありますが、最初は「このリストに載っているものからチェックする」というくらいで良いのではないかと思います。 また、財務の健全性に関しては、ほかにも「運転資本構造分析」などもありますが、最初はこれで十分かと思います。 今日の言葉: 「財務が不健全な企業を調査することは、時間的に無駄になりかねない。ましてや、一発逆転を目指してこのような企業に投資すると資金的にも無駄になりかねない。」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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