スバラ式世界と検査の話
今日は久々の愛読書紹介です。日常のちょっとこっ恥ずかしい事を明るく笑い飛ばしたい、そんな気分の時オススメの本ダウンロード版「スバラ式世界」(原田宗典 著)です。ずいぶん昔に読んだ本なのですが、なぜ今頃思い出したかというと…。今年受けた健康診断の検便検査で引っかかり、腸の精密検査を受けて下さい、という案内が来たから。その案内を見た時、「スバラ式世界」の「恐怖の人間ドック」という項に、直腸検査はとっても恥ずかしく苦痛を伴うものだと訴えていたことを鮮やかに思い出したのです。これは著者が直腸検査を終えた直後の記述ですが―(前略) 物も言わずに第五診察室を後にし、廊下へ出ると、壁に沿って長椅子が置いてあり、底に今度は数人の女性患者が座っていた。いずれも中年のオバサンなのだが、これから何をされるのか微塵も知らずに、かしましくお喋りをしている。先頭の一人が呼ばれて、ぼくと入れ違いに診察室へ入っていく。―ふっふっふ。何も知らんで…。 ぼくは残酷な笑みを漏らしながら、男性患者の控え室へ戻った。そこは十畳ほどの細長い部屋で、ぼく以外の九人の男性患者=中年ユカタ団が雑誌を読んだりしている。検査の順番は常に決まっており、ぼくはしんがりの十番目だ。つまり、ぼく以外の九人も全員“肛門触診”を済ませているわけである。 控え室へ入ると、部屋のあちこちから遠慮がちな視線が投げられた。全員が、何となく全員を意識しているのである。「ああ、ここにいる奴はみんなヤラれちゃったのだわよね」「五分前とは違う私なのだわ」「とにかくこの人たちとは二度と会いたくない気持ちの私」「お互いのことはヒ・ミ・ツ」と、何故かオカマ言葉で語られそうな内容の思いが、部屋の中に満ちているのである。(後略)これだけでもどんな検査なのか、薄々想像がつくでしょ?(爆)で、恐る恐る実際に金曜日検査を受けてきましたが、「スバラ式世界」に書かれていた検査とはちょっと違い、小型カメラをおなかに入れて腸内を観察する「内視鏡検査」で、そこまで苦痛ではありませんでした。私が受けた検査の内容は・前日は消化のいいお粥やうどんしか食べちゃダメ。夜8時以降は水・お茶はいいけど食べ物は食べちゃダメ。夜9時になったら粉薬を水に溶かしたもの(濃縮されたポカリスエットのような味)と、下剤を飲む。(夜12時ぐらいまでシャーシャー出ました)・朝白い錠剤(これも下剤?)を飲む。・受け付けを済ませ(その日腸の検査を受けるのは私一人でした)、内視鏡検査室内の片隅で「ムーベン」とかいう液体を2リットル、1時間30分~2時間かけて飲む。ひたすら飲む。するとまたシャーシャーが始まり、10回ほどトイレに駆け込むことになる。「ムーベン」を飲み終わり、出るものが黄色く透き通った水状になったところで看護師さんに「こんなん出ました!」と報告する。看護師さんのOKが出たらいよいよ検査へ。オシリ部分がパックリ裂けたズボンを穿き、その上からガウンのような検査衣を羽織り、検査室へ。・台に載せられ、血圧測定をし、点滴が始まる。点滴が終わりに近づいた頃、点滴に注射投入。すると全身の力が抜け、グッタリする。ここで横向きに体勢を変える。意識が遠のき始めた頃、なにやらおなかの中を鉄の棒のようなものがうごめいているな、という感覚があり、痛いような気がするけど痛くない、不思議な感覚に襲われる。そうこうしているうちに眠りの中へ。・2時間ほどして目覚める。自分の腸内映像を見せてもらいながら先生の診断を聞く。結果、ちっちゃなポリープがあったが、様子見で大丈夫でしょうとの事でした。みなさんも腸の調子がおかしいな、という時があったらまず「スバラ式世界」を読んで一度「ひぇぇぇぇ~」と思いっきり怯えてから検査を受けに行って下さい。きっと思ったより苦痛にならずに済みます(笑)でも直腸検査だったらやっぱり記述のとおりなのかなあ…(怖)