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今回の『人間噂八百/横溝正史のまき』は、
ただ「全身タイツフェチ」の話をしたかっただけなんです! 横溝正史:著『三つ首塔』角川文庫 『江戸川乱歩のまき』で言い尽くせなかったテーマを 言い足したかったことだけが目的の回。 それでも、まだ言い残した話がある。 * 昭和52年の、TBS(毎日放送)の、 古谷一行の『横溝正史シリーズ』で 『三つ首塔』はドラマ化されていて、 誘拐されるヒロインの役は真野響子だったんですけどね。 そのドラマの中で、 ヒロインがマニアックな悪党から無理矢理に着せられて、 辱めを受けるのは「黒い全身タイツ」ではなかったんですよ! 「網タイツ」なんですよ! 「黒い全身タイツは素晴らしい! 気が狂う!」というほどのフェチと、 「網タイツはいいよね~。色っぽいよね~」という一般的な助平というのは、 アナタね、これはもう全っ然っ違うものなんですからね。 「監禁した女に全身タイツを着せる、という特殊なコダワリは 一般の視聴者に理解し難かろう」と判断した 監督・出目昌伸が、原作を改悪してしまったんですよ。 だ~か~ら~、一般的にしちゃダメなの! それだったら、せっかくド変態エロエロフェチフェチ作家の 横溝正史作品なんかを原作に使っている価値がないでしょう。 全身タイツを着せられた美女が登場してこその 『三つ首塔』だというのに。 やっぱり世間は、ま~だ何も分かってない。 『横溝正史シリーズ/三つ首塔』(DVD) * …と、いうような理解され難いことを主張したかっただけなのが今回であって、 他の「一般的に」理解され得る横溝正史の話題などは、ほんのオマケにすぎない。 「金田一耕助映画の変遷」なんていう、分かりやすいトリビアは、 ほぼ読者サービスである。 そのへんの喰い付きやすい話を、お楽しみいただきたいのであれば、 ↓このあたりのゴチャマンと出ている資料を読んでいてください。 石坂浩二:著『金田一です。』角川書店 『別冊宝島/僕たちの好きな金田一耕助』宝島社 小嶋優子、別冊ダ・ヴィンチ編集部:編『ダ・ヴィンチ特別編集/金田一耕助 the Complete』メディアファクトリー 山田誠二:著『18人の金田一耕助』光栄 金田一ファミリー研究会:編『金田一ファミリーの謎』飛鳥新社 『金田一耕助の事件簿』角川書店:NEWTYPE FILM BOOK 大多和伴彦:著『ミステリーファイル 名探偵 金田一耕助99の謎』二見WAi-WAi文庫 中島河太郎:編『名探偵読本(8) 金田一耕助』パシフィカ/プレジデント社 佐藤友之:著『金田一耕助さん、あなたの推理は間違いだらけ!』青年書館 佐藤友之:著『金田一耕助さん、あなたの推理は間違いだらけ! PART2』青年書館 #佐藤友之:著『新版 金田一耕助さん、あなたの推理は間違いだらけ!』青年書館 オレが思い当たるだけでも、↑これだけ多く出ているので、 もっと詳しく調べたら、もっとゴチャマンと出ていることだろう。 * 横溝正史の私生活や、編集者時代の話について知るには、 その大部分が、↓この本1冊で間に合いました。 横溝正史:著/和田誠:画『真説 金田一耕助』角川文庫 便利だなあ。 まだ他にも、便利なエッセイは出ています。 横溝正史:著『金田一耕助のモノローグ』角川文庫 横溝正史:著『トランプ台上の首』角川ホラー文庫 「トランプ台上の首」 「貸しボート十三号」 「探偵小説講座 横溝正史トリック評論集」 小林信彦:編『横溝正史読本』角川文庫 いくら便利でも『横溝正史読本』は、 そうそう簡単に入手できる本ではないので、 「横溝正史は編集者時代にエノケンを取材していて、 劇場で菊田一夫に出会った」という話は、 ↓この対談集から持ってきました。 小林信彦:著『いちど話してみたかった 小林信彦デラックス・トーク』情報センター出版局 横溝正史×小林信彦「昭和モダニズムのころ 雑誌「新青年」の回想」 (↑ここには、モダニズム嫌いの乱歩との確執についても出てきますね。) * 【追記】 2008年9月、『横溝正史読本』は唐突に復刊されましたよ! これで簡単に手に入りますよ! 小林信彦:編『横溝正史読本』角川文庫 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.11.20 10:59:28
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