石川誠壱の「こちら熟女捜索隊」

高木彬光の『幽霊西へ行く』は、
何かとイワク因縁のある短篇ばかりを集めたレア作品集のようで、
たとえば『クレタ島の花嫁　贋作ヴァン・ダイン』というのは、
旧「宝石」1953年12月号の、海外作家贋作特集号のために書かれたもの。

（アンソロジー『密室殺人大百科（上）』にも入っている。）

　二階堂黎人：編『密室殺人大百科（上）　魔を呼ぶ密室』原書房
「疾駆するジョーカー」芦辺拓
「罪なき人々 vs.ウルトラマン」太田忠司
「本陣殺人計画　横溝正史を読んだ男」折原一
「まだらの紐、再び」霧舎巧
「閉じた空」鯨統一郎
「五匹の猫」谺健二
「泥具根博士の悪夢　魔を呼ぶ密室」二階堂黎人
「密室ミステリ概論」ロバート・エイディー／森英俊：訳
「マーキュリーの靴」鮎川哲也
「クレタ島の花嫁　贋作ヴァン・ダイン」高木彬光
「デヴィルフィッシュの罠」ジョン・ディクスン・カー／白須清美：訳
　＃　二階堂黎人：編『密室殺人大百科（上）』講談社文庫
「疾駆するジョーカー」芦辺拓
「罪なき人々 vs.ウルトラマン」太田忠司
「本陣殺人計画　横溝正史を読んだ男」折原一
「まだらの紐、再び」霧舎巧
「閉じた空」鯨統一郎
「五匹の猫」谺健二
「正太郎と田舎の事件」柴田よしき
「泥具根博士の悪夢　魔を呼ぶ密室」二階堂黎人
「密室ミステリ概論」ロバート・エイディー／森英俊：訳
「マーキュリーの靴」鮎川哲也
「クレタ島の花嫁　贋作ヴァン・ダイン」高木彬光
「デヴィルフィッシュの罠」ジョン・ディクスン・カー／白須清美：訳

　二階堂黎人：編『密室殺人大百科（下）　時の結ぶ密室』原書房
「死への密室」愛川晶
「夏の雪、冬のサンバ」歌野晶午
「らくだ殺人事件」霞流一
「答えのない密室」斎藤肇
「正太郎と田舎の事件」柴田よしき
「時の結ぶ密室」柄刀一
「チープ・トリック」西澤保彦
「密室講義の系譜」小森健太郎
「日本の密室ミステリ案内」横井司
「虎よ、虎よ、爛爛と　101番目の密室」狩久
「ブリキの鵞鳥の問題」エドワード・Ｄ・ホック／村上和久：訳
　＃　二階堂黎人：編『密室殺人大百科（下）』講談社文庫
「死への密室」愛川晶
「夏の雪、冬のサンバ」歌野晶午
「縛り首の塔の館　シャルル・ベルトランの事件簿」加賀美雅之
「らくだ殺人事件」霞流一
「答えのない密室」斎藤肇
「時の結ぶ密室」柄刀一
「チープ・トリック」西澤保彦
「密室講義の系譜」小森健太郎
「日本の密室ミステリ案内」横井司
「虎よ、虎よ、爛爛と　101番目の密室」狩久
「ブリキの鵞鳥の問題」エドワード・Ｄ・ホック／村上和久：訳

（原書房版『（下）』収録の『正太郎と田舎の事件』は、
　講談社文庫版では『（上）』に収録。
　代わりに講談社文庫版の『（下）』には、『縛り首の塔の館』が初収録。）

その贋作特集というのは、
以下のようなラインナップになっていたという。

　城昌幸「ユラリウム」（贋作エドガー・アラン・ポオ）
　山田風太郎「黄色い下宿人」（贋作コナン・ドイル）
　高木彬光「クレタ島の花嫁」（贋作ヴァン・ダイン）
　島田一男「ルパン就縛」（贋作モーリス・ルブラン）
　大坪砂男「胡蝶の行方」（贋作Ｇ・Ｋ・チェスタトン）

もともと、最初に山田風太郎が書いてきた『黄色い下宿人』の原稿があり、
それを掲載するにあたって、その「趣向」を、もっと効果的に活かすために、
あらためて他の４人の作家に別々の贋作小説を依頼したのだ、という話ですね。

『黄色い下宿人』は、オレの読んできたアンソロジーだと、
河出文庫の『日本版 ホームズ贋作展覧会（上）』（【参照】）、
光文社文庫の『贈る物語 Mystery　九つの謎宮』（【参照】）などに入っています。

山田風太郎個人の短篇集のうちでは、
文庫で言えば、↓こんな感じで収録されていますね。

山田風太郎：著『誰にも出来る殺人　山田風太郎傑作選（４）』社会思想社：現代教養文庫
「蝋人」
「死者の呼び声」
「黄色い下宿人」
「さようなら」
「誰にも出来る殺人」
「飛ばない風船」

山田風太郎：著『虚像淫楽』旺文社文庫
「虚像淫楽」
「黒衣の聖母」
「死者の呼び声」
「さようなら」
「わが愛しの妻よ」
「跫音」
「黄色い下宿人」

　山田風太郎：著『奇想小説集』講談社：大衆文学館
　＃　山田風太郎：著『奇想小説集』講談社文庫
「陰茎人」
「蝋人」
「満員島」
「自.動.射.精.機」
「ハカリン」
「万太郎の耳」
「紋次郎の職業」
「万人坑」
「黄色い下宿人」

　山田風太郎：著『山田風太郎ミステリー傑作選（１）　本格篇／眼中の悪魔』光文社文庫
「眼中の悪魔」
「虚像淫楽」
「厨子家の悪霊」
「笛を吹く犯罪」
「死者の呼び声」
「墓掘人」
「恋罪」
「黄色い下宿人」
「司祭館の殺人」
「誰にも出来る殺人」

けっこうあるなあ。名作だから。

『ルパン就縛』は、最近では、↓この文庫に収録。

　島田一男：著『古墳殺人事件』扶桑社文庫
「古墳殺人事件」
「錦絵殺人事件」
「贋作Ｍ・ルブラン　ルパン就縛」

『ユラリウム』と『胡蝶の行方』は文庫化されていないようですね。