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カテゴリ:経済問題
今日(9月1日)も、重要と思われる記事がいくつか出ていました。今日最大の話題は何と言っても、天然ガス料金と電気料金の大幅値上げです。野党は一斉に批判していますが、野党の批判以前に、政府・与党としてもほとんど自殺行為だと思われますが、実際に大幅値上げを行っています。天然ガスは直接的にはBOTASという国営企業が輸入と販売を端担当していますので、政府にお金が無くなれば、そのまま市場価格の上昇を販売価格に転嫁するしかありません。電気は必ずしも国営企業が作っている(発電している)わけではありませんが、癒着企業を儲けさせるためには必要な措置なのかもしれません。しかし、“スーパーマーケット・チェーンや輸入業者などが不当在庫や便乗値上げをしているのがインフレの原因”と言っていたのを、自ら否定する結果になっています。なお、TUIKは8月のインフレ率を9月5日(月)に発表しますが、今日、イスタンブル商業会議所(ITO)は一足先に発表しています。消費者物価指数に相当するイスタンブル給与所得者生活指数は8月に、月間で2.29%、対前年同月比で99.91%となりました。なお、2021年8月には、月間で1.88%、対前年同月比で18.89%でした。99.9%という数字を「国民を馬鹿にしているのか(「3桁にはならなかった」と強調している)」とテレビニュースのアンカーが怒っていました。いずれにしても、インフレ率は準公式統計でも3桁に達していることが改めて明らかにされたことになります。天然ガス、電気料金の値上げと、それが原因となると考えられるインフレ率の高進以外では、昨日も紹介しましたが、セダット・ペケル犯罪組織首領の暴露に関する話題もいろいろとありました。2人の“大統領相談役・補佐官”の辞任は、エルドーアン大統領が相当に焦っていることを示しているという指摘もありました。また、今日は9月1日で、司法機関の夏休み明け、仕事再開の日としていろいろな行事がありましたが、そこでエルドーアン大統領が欧州人権裁判所の判決を極めて政治的なものであると批判したという記事も出ていました。また、アルトゥン大統領府広報官がオーストリアのメディアからインタビューを受けたという記事も出ていました。その内容は次の政権をも拘束する内容だとして野党は批判していました。しかし、高級官僚と言えども、インタビューで答えたことが「履行責任を負う国際約束になる」ということはあり得ず、あってもせいぜい道義的責任だと思いますが、それでも「発言者がエルドーアン大統領の子飼い役人である」ということを考えれば、「真に受ける方がおかしい」と十分主張できる話と考えます。
今日の映像メディアからの情報、つまり、「AAでは記事にならない情報」で大きく取り扱われている問題としては、現在問題になっているSPK(資本市場委員会=日本の証券取引委員会と同様の機関)を巡る問題だけではなく、「これまでの全てのペケル首領の発言で指摘された不正行為が問題になる」、更には、「今後どんな暴露があるか分からない」というパニック状態になっているという指摘もありました。特に7月15日のクーデター未遂事件で、ボスポラス大橋に出かけていたAKP関係者とその息子が射殺された事件で、その妻であり、また、母である女性が真相解明を求め続けていましたが、「もう疲れた」としてセダット・ペケル首領に「代理人をお願いしたい」と同首領のツイッター口座に書き込んだのに対して、「返事をするまでに時間がかかりましたが、喜んでお受けします。しかし、解決に至らなくても、私を責めないでください」と返事をしたことに対して、同首領が7月15日のクーデター未遂事件に関する暴露を更に広げるのではないかという予想がされていました(現時点では、「イスタンブル県警関係者が、多数のAKP青年部関係者に大量のカラシニコフ自動小銃を配布していたこと、そして、そのカラシニコフ自動小銃は現在も所在不明であること」などを、時間、場所、登場人物を詳細に明らかにしつつ主張しています)。なお、ババジャンDEVA党首がクルチダルオール党首の大統領候補に反対していること、また、自分が大統領候補になる可能性があるとの発言をしたという話がありました。ほかのニュースでは出ていませんでしたので、誤報の可能性はありますが、かなり以前に紹介した「あっと驚くような発言や180度のUターンが起こることは十分有り得る(脅迫を受け、屈した)」ということかもしれません。いずれにしても、ババジャンDEVA党首とダヴトゥオール未来党党首は、いずれもAKPで重要な地位にいた人々であり、「脛に傷を持っている」可能性は十分あり、選挙戦終盤、あるいは、新政権成立後も、重大事件の震源地になる可能性は否定できません。
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今日最初に紹介する記事の見出しは「電気と天然ガスで、9月の料金表に値上げが行われた」で、今日(9月1日)付の記事で、抜粋して紹介します。 エネルギー市場規制委員会(EPDK)は、住宅の電気料金を、9月1日から20%の値上げが行われたことを発表しました。EPDKから行われた発表では、「特に過去数ヶ月間で、世界市場におけるエネルギー原料価格における上昇が一定の水準に移動したことを理由として、最終消費者に対する電気料金を、住宅及び農業用の電気料金を20%、公的機関や商業施設向けは30%、工業用は50%の引上げが行われた。」ことが記述されています。 パイプライン及び石油輸送公社(BOTAS、ボタシュ)は、天然ガスの価格を9月1日から住宅用を平均20.4%、中小企業用を47.6%、工業用を50.8%、発電用を49.5%引上げたと発表しました。 ここからは一言解説・雑感です。「住宅用はとりあえず20%程度の値上げで抑えたというイメージ操作だ」と野党などは批判しています。この1年半ほどの間で激しい天然ガス料金の値上げが行われ、一番上昇率の低い住居用でも200%を超え、発電用に至っては1,300%を超える上昇になっていると指摘されていました。天然ガスは一時期発電量全体の30%を超えていましたが、このような急激な天然ガス料金の値上げで、少なくなっているのではないかと思います(以前は発電割合に関する記事が毎月出ていましたが、都合が悪いのか、最近では全く見かけません)。
2つ目に紹介する記事の見出しは「AAフィナンスは8月のインフレ率予測アンケート結果を発表した」です。こちらも今日付けの記事で、抜粋して紹介します。 AAフィナンスインフレ率予測アンケートに参加したエコノミストたちは、2022年8月の消費者物価(TUFE)上昇率は2.27%となると予測しています。 トルコ統計庁(TUIK)が9月5日(月)に発表する2022年8月のインフレ率に関する統計に関するAAフィナンスの予測アンケートは、14人のエコノミストたちの参加を得て実施されました。アンケート結果によれば、エコノミストたちの8月のインフレ率予測の平均は2.27%となりました。アンケートに参加したエコノミストたちの8月のインフレ率予測で、最も高かったものは3.50%、最も低かったものは1.60%でした。 なお、アンケートに参加したエコノミストたちの2022年8月のインフレ率予測の平均(2.27%)によれば、先月には79.60%となっていた年間インフレ率は、81.65%に上昇するものと計算されています。なお、2022年7月の月間インフレ率は、2.37%の上昇でした。また、エコノミストたちの年末のインフレ率予測は70.46%から72.35%に上昇しました。
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Last updated
2022.09.02 14:20:10
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