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2006.03.09
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カテゴリ:米国株式の魅力



良いビジネス悪いビジネス
高い40%15%
安い5%40%


今回は前々号で挙げた上記マトリックス、良いビジネス・悪いビジネス・高い・安いを詳しく見てみたいと思います。このマトリックスにおいて、左下、即ち「安く売っている良いビジネス」を買うのが中長期的に実を結ぶ事についてはあまり異論の余地がないと思います。むしろ問題は、市場というのはそれほど甘くなく、「良いビジネスが安い」ケースは少ないという事です。

ただ、上記マトリックスは現時点の米国株式市場の状況を感覚的に示したにすぎません。このマトリックスの中で割合は変化しなくても、それぞれの欄に入る銘柄は日々めまぐるしく変わっていきますし、米国株式市場を取り巻く環境が変われば、マトリックス内の割合自体も変わります。

例えば「良いビジネスが安い」ケースは少ないのですが、その予備軍となる「良いビジネスが高い」及び「悪いビジネスが安い」ケースは合計で全体の80%もあります。即ち、米国株式市場の殆どの銘柄が、潜在的に「良いビジネスが安い」ケースに当てはまる可能性があるのです。また地政学的リスク等により、市場全体がパニック的に下落するような事があれば、「良いビジネスが安い」割合は大幅に増加する筈です。こう考えると、潜在的な「良いビジネスを安く買う」チャンスを見付けるのは思っているほど少なくない、と言えます。

「良いビジネスが高い」→「良いビジネスが安い」となるケース典型的なのは、一時的要因によって株価が下落するケースです。例えば2001-02年エンロン・ワールドコムの粉飾決算をきっかけに、市場は財務諸表の修正に非常に敏感になっています。2005年2月になって大手保険会社が財務諸表の修正を発表しました。過去の利益プラスマイナスで合計ゼロとなる修正だったのですが、市場はこれを嫌気、株価は30%以上下落しました。ただ会社の置かれた状況からして「良いビジネス」に揺らぎはありませんでした。案の定、株価は2006年1月までに40%上昇しました。

「悪いビジネスが安い」→「良いビジネスが安い」となるケースビジネスの価値に最も大きな影響を及ぼすものの一つが経営者です。当コラムの中では、ヒューレット・パッカード(HPQ)の問題を何度か挙げてきました(第100回 デル対HP(2004年8月17日)、第118回 フィオリーナのレガシー(2005年2月16日)参照)。結局問題のあったフィオリーナ会長は2005年2月に退任する事を発表しました。発表直前、20ドルであった株価は1年たった今、65%上昇して33ドル前後で取引されています。

「悪いビジネスが高い」ケース 1999年から2000年にかけてのいわゆる「ドットコム」ブームがこれに当たります。ビジネスは利益を生んでいないばかりか、手元現金は毎期減少しているというのに、インターネット・ブームに乗り、「ドットコム」が会社名についていれば何でも買われる、という時代がつい6年前にありました。幸い「良いビジネスを安く買う」という運用方針を実行している限り、この範疇の銘柄に投資する事はありません(当時は逆に、このような銘柄のうち数十銘柄を空売りしていました)。仮に悪いビジネスが良くなったとしても、価格は高いままな訳ですし、また仮に価格が安くなったとしても、悪いビジネスには変わりありません。「悪いビジネスが高い」が「良いビジネスが安い」に変身する可能性は非常に低い訳です。

今回お示しした良いビジネス・悪いビジネス・高い・安いの例はほんの一部です。ビジネスの良し悪しにも色々なパターンがありますし、高い安いにも色々な判断基準があります。次号以降、これらの具体的なパターンについてみていきたいと思います。


堀古 英司
Horiko Capital Management LLC





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最終更新日  2006.03.13 10:38:27
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