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2006.06.02
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カテゴリ:米国株式の魅力
株式投資というのは、結局長期的には国債をリスクプレミアム分だけ上回るリターンを生むものです。しかしこれには大前提があって、そもそも「投資家が相応のリスクプレミアムを求めているか」が重要で、投資家が相応のリスクプレミアムを求めていない、例えば2000年バブル時前後などに投資してしまうと低いリターン、又はマイナスになってしまう事も有り得えます。実際その頃に投資して痛い経験をされた方は沢山いらっしゃると思います。この事は前回お示ししたチャートでも明らかです。

「投資家が相応のリスクプレミアムを求めているか」を測る指標の一つに株価変動率が挙げられます。これは第162回 リスク・プレミアム(1)(2006年5月3日)でもご紹介した通りです。そこで今度は少し違う、以下の問題を考えていただきたいと思います。

貴方が1000万円持っていて、以下2つの選択肢のいずれかを選ばないといけないとします。
 j. 明日、50%の確率で1250万円になるかもしれないが、残り50%の確率で950万円になる
 k. 明日、50%の確率で2200万円になるかもしれないが、残り50%の確率でゼロになる

恐らく殆どの方がj. を選ぶでしょう。いずれも期待値は1100万円で同じですが、j.の場合、損失が出ても50万円ですむ一方、k. では1000万円全てを失ってしまいます。多くの方が、最悪のケースを考えた結果、j. を選択されると思います。この場合、k. を選択するのは投機家です。

これを株式投資に当てはめて考えてみましょう。
J株 この先2年間、50%の確率で25%上昇するが、残り50%の確率で5%下落する
K株 この先2年間、50%の確率で120%上昇するが、残り50%の確率で100%下落する

この場合、殆どの方がJ株を選ぶのは、K株の方が変動が激しく、大きな損失を被る可能性が高いからです。

もちろん予めこのような確率が分かるものではありませんが、上下変動の激しい株か、比較的値動きの安定している株か、というのはある程度分かります。例えば他の条件が一定であれば、借金が多い企業の方が、無借金の企業よりも株価の変動は激しいでしょう。利益率が低い企業の方が、利益率の高い企業よりも株価の変動は激しいでしょうし、ハイテク企業の方が食品企業よりも株価の変動は激しいでしょう。

それではどのくらい変動が激しいか、というのを見るにはどのようにすれば良いのでしょうか。アメリカでは株式のオプションというものが取引されています。これは株式の保険と考えていただいて結構です。例えば貴方がある株を100万円で買ったとします。もしその株が90万円よりも下に下がったら、その差額を保障してもらえるというものです。ただ保険ですので、保険料を支払わなければなりません。この保険料がオプションの価格です。

貴方が保険会社であるとして、現在100万円で取引されている株に対して、90万円の保険を売ってくださいと言われたとします。市場が安定している時なら、「では保険料として3万円お支払い下さい」と言えるかもしれませんが、市場が上下に激しく変動している時は不安なので、その分多くの保険料、例えば5万円支払ってもらわないと割に合わない、と考えるでしょう。

この3万円や5万円の保険料を指数化して表したものが変動率指数(VIX)で、シカゴ・オプション市場で実際に取引されています。即ち、保険料(オプション価格)の高い時=投資家が不安な時=リスクプレミアムの高い時と見る事ができるのです。このように、市場のリスクプレミアムを測るには、変動率指数を見るのが有効な手段の一つです。





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最終更新日  2006.06.06 15:31:39
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