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2006.06.12
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カテゴリ:米国株式の魅力
先月から世界中の株式市場で株安が進んでいます。過剰流動性の反動という点では、97年のアジア危機や98年のロシア危機に似ており、ミニ「アジア・ロシア危機」とも呼べる状況となっています。

さてここで下のチャートをご覧頂きたいと思います。このチャートはシカゴで取引されている株価変動率指数の推移を示したものです。97年に跳ね上がっているのがアジア危機、98年に跳ね上がっているのがロシア危機の時です。もう少し先を見てみますと、2001年同時多発テロの時、そして2002年不正会計問題で盛り上がった時に変動率指数が40を超えています。度々ご説明している通り、このような時に投資していれば、高いリターンが得られた事は言うまでもありません。

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変動率指数はその後低下を続け、昨年は10割れをうかがう水準にまで低下しました。しかし最近の世界同時株安を受けて急上昇、現在最近では一番高水準の 20近くで取引されています。ここで2つの考え方ができると思います。一つの考え方は、ここ3年間で最も高い水準であり、市場のリスクプレミアムは既に十分高くなっている筈だからこの先高いリターンが得られる。もう一つの考え方は、歴史的に見れば40超というさらに高い水準があったので、そのような水準に達するまで投資は控えるべきだ、というものです。もちろん市場の事なので、結果がどうなるかは誰にも分かるものではありません。ただ結論から申し上げると、中長期的に見て、あまり消極的になるべきではないと考えています。またこれは私がかねてから申し上げてきた「2006年が米国株式の買い場である」との見方とも一致するものです。

2003年より前、現在の変動率の水準20というのは下限に近い水準でした。それがその後はむしろ上限に近い水準となっています。これにはいくつかの理由が挙げられます。第一に企業改革法(サーベンス・オクスレー法)が2002年7月に成立し、その後米国企業株式に投資する事に伴うリスクはかなり低下したと言えます。第二に、企業の現金保有比率が時価総額に対して20%を超えてくるなど高水準に達しており、ビジネスのリスクが低下しています。第三に、2003年5月の配当税率引き下げにより配当性向が上昇し、その分株価の変動を和らげる効果を果たしています。第四に、97年アジア危機、98年ロシア危機当時、自己資本に対して何十倍ものレバレッジを効かせるヘッジファンドは沢山ありましたが、現在は平均1.5 倍と言われています。世界的株安が起こったとしても、それによって市場が受ける影響は当時とはかなり異なると見るべきでしょう。

現在、市場の不透明要因となっているのはアメリカのインフレ動向であり、それによって連銀がどこまで利上げするか分からない、という事です。「シンプルな株価評価モデル」を思い出してください。金利もリスクプレミアムも分母にありますから、この2要因が相乗効果を伴って株価の下落要因となっている、という事です。さらに株価の下落はそれ自体が投資家を不安にさせる、リスクプレミアムの上昇要因となりますから、行き過ぎる傾向にある事を認識しておく必要があります。

ただ繰り返し申し上げている通り、株式投資によるリターンの一部はリスクを取った代償によるものです。市場がビクビクしている状況とバブルに踊っている状況と、その後どちらが高いリターンを生むかを考えると、自ずから取るべき行動は見えてくると思います。





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最終更新日  2006.06.13 21:53:57
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