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詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

詩誌AVENUE【アヴェニュー】~大通りを歩こう~

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2016年01月19日
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  「しかし、永遠の生命の目的はなんなのだろう?」コヴリンはたずねた。   

(チェーホフ『黒衣の僧』5、原 卓也訳)

  孤独よりも悪いことがいくらもあることを、ケイトは身にしみて知っていた。

(P・D・ジェイムズ『秘密』第二部・2、青木久恵訳)

  わたしはハンスの眼の下にわたしの顔があることを意識していた。まるでわたしの顔だちの一つ一つが、その形に苦しんでいるかのように。

(シャルル・プリニエ『醜女の日記』一九三七年四月十日、関 義訳)

 
  ジョニーにはそうなりえたかもしれないもう一人のジョニーの影のようなものがある。   

(コルタサル『追い求める男』木村榮一訳)

  スーザンたちは何か昔の話の結末について言いあっている。みんなの記憶がそれぞれ違っている。

(ケリー・リンク『しばしの沈黙』柴田元幸訳)

  ミス・キャロルが一瞬こわばった指をのばして、両の手のひらをねじりあわせ、そしてやがて話しはじめると、一同はただひとりきりの人間になって耳をすました……

(ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』5、深町真理子訳)

  シプリアーノはやはり一個の力なのだ。

(D・H・ロレンス『翼ある蛇』下・20、宮西豊逸訳)

  ヘンリイの神経と血液とはその瞬間をはっきりと記憶しており、そして、死ぬまでそれを忘れはしないだろう。

(P・D・ジェイムズ『黒い塔』3・2、小泉喜美子訳)

  ブルーアーの獲物を狙うような愛相笑いを見たフィリッパには、ガブリエルがなぜ彼に惹かれたのか理解できた。特異な顔、一風変わった顔に彼はいつも惹かれる。そうでなければ、フィリッパを相手にしなかったはずだ。

(P・D・ジェイムズ『罪なき血』第三部・7、青木久恵訳)

  ミンゴラにとっては蜘蛛の巣の動きや、ロウソクが投げる不規則な影が知覚できない呼吸のしるしだった。

(ルーシャス・シェパード『戦時生活』第四部・13、小川 隆訳)

  おれはトーニの心を読むまいと必死に抵抗しなければならなかった。間違った答ではなく、正しい答をつかむのがこわかったのだ。

(ロバート・シルヴァーバーグ『内死』8、中村保男・大谷豪見訳)

 
  コンラッドは人とそれを取り巻く環境──都市、ジャングル、川や人々──との間に、科学がまとめて否定するような意義深い関係を確立する。   

(ウィリアム・バロウズ『夢の書 わが教育』山形浩生訳)

  午前の授業がなかばほど進むころには、アンナがあんなにも躍起になっていた問題というのが、わたしにもすこしはわかってきた。

(ゼナ・ヘンダースン『果しなき旅路』囚われ人、深町真理子訳)

  「詩は万人によってつくられなければならない。ただ一人によってではなく。」というロートレアモンのことばに耳を傾けましょう。

(ポール・エリュアール『詩の明証』平井照敏訳)

 
  奇妙なことにマルティンの眼には涙が溢れ、体は熱でもあるように震えていた。   

(サバト『英雄たちと墓』第I部・17、安藤哲行訳)

  ジェレミーの父親の忠告はたいてい、なんらかの形で巨大蜘蛛に関係している。

(ケリー・リンク『マジック・フォー・ビギナーズ』柴田元幸訳)

 
  クリフォード・ブラッドリーがエドウィンをああも怖れていたのはそのせいじゃないかと思います   

(P・D・ジェイムズ『わが職業は死』第四部・1、青木久恵訳)

  きみは実在しているものについて語る、セヴェリアン。こうして、きみはまだ実在しているものを保持しているのだよ。

(ジーン・ウルフ『新しい太陽のウールス』50、岡部宏之訳)

  とつぜん、二コルの声が聞こえた。でかけていなかったのだ。階上でお風呂にはいっていたのだ。

(アン・ビーティ『愛している』28、青山 南訳)

  ぼくはジンシヌラの新しい言葉を受けとめる新しい径のついた新しい〈灯心草〉をつくった。

(ジョン・クロウリー『エンジン・サマー』大森 望訳)

 
  物語だよ、フローラ。   

(ロジャー・ゼラズニイ『ユニコーンの徴(しるし)』3、岡部宏之訳)

  どのオセロもまだ恋をするには到っていない

(サバト『英雄たちと墓』第I部・7、安藤哲行訳)

  わたしはベッドに横になったまま、フランクがバスルームから出てくるのを待っている。

(アン・ビーティ『燃える家』亀井よし子訳)

  誰にだって愛情を期待する権利はない、とダルグリッシュは思った。だが、それでもわれわれは期待する。

(P・D・ジェイムズ『わが職業は死』第三部・5、青木久恵訳)

  だが、カドフェルは完全に取り違えていたのだ。人はなんと簡単にだまされることであろう。一つひとつの言葉、一つひとつの表情がカドフェルには正しく読み取れなかったということだ!

(E・ピーターズ『死者の身代金』10、岡本浜江訳)

  セヴェリアン、愛しているわ! 一緒にいた時に、わたしはあんたに恋焦がれていた。そして、何十回もあんたにわたしの体をあげようとしたのよ。

(ジーン・ウルフ『拷問者の影』29、岡部宏之訳)

 ボウアディシアは気のきいた微笑を浮かべながらかれを眺めていた。そろそろ倦きてきた、ピンクレディをすすった。

(トマス・M・ディッシュ『歌の翼に』5、友枝康子訳)

  「今、わたしの存在を維持しているのはだれか? オッパシゴか? 休んでもいいよ、オッパシゴ」

(ジーン・ウルフ『新しい太陽のウールス』50、岡部宏之訳)

  ダールグレンは自分の半白の髪やひげや口にさわり、眼を閉じた。彼は倒れなかった。

(フィリス・ゴッドリーブ『オー・マスター・キャリバン!』2、藤井かよ訳)

 
  一瞬俺たちは、エドが夢の話をするんじゃないかと恐れる。他人の夢の話を聞かされるほどうんざりなことはない。   

(ケリー・リンク『しばしの沈黙』柴田元幸訳)

  そのロバたちが帰ってくるまでのあいだ、空いている厩舎が、ビーンポールとぼくの寝床になるのだった。

(ジョン・クリストファー『トリポッド 3 潜入』2、中原尚哉訳)

  どっちが本物のパーヴェルです? 両方とも本物ではないのでは?

(イアン・ワトスン『ヨナ・キット』21、飯田隆昭訳)

  もう一人のピーターがこう口を切った。「どう見ても、ぼくらはみんな同じくらい本物ですね。つまり、あなたとぼくとは、例の扇子のそれぞれちがった骨の上に存在しているからなんですな、これは」

(ジョン・ウィンダム『もうひとりの自分』大西尹明訳)

 
  「もちろんですとも」だが、それはパオロのあいさつにはこめられていなかった。   

(グレッグ・イーガン『ワンの絨毯』山岸 真訳)

  ついにテンノが言った。「それはとんでもない選択ですよ」

(フィリップ・ホセ・ファーマー『気まぐれな仮面』32、宇佐川晶子訳)

  シプリアーノが邸から出て来た。

(D・H・ロレンス『翼ある蛇』上・13、宮西豊逸訳)

  今日は木曜日だから、ヒルダは審判所に出かけている。

(P・D・ジェイムズ『罪なき血』第三部・8、青木久恵訳)

  ソニアの香水や帰る時にそっと自分の肩に置いた掌のほうが、言葉よりも多くのことを語りかけていたように思える。

(コルタサル『すべての火は火』木村榮一訳)

  ジャスティンはヒロインに好感をもった。ヒロインの姿に自分の姿を重ねた。せめてそこに自分を見いだしたかったのだ──

(デニス・ダンヴァーズ『天界を翔ける夢』1、川副智子訳)

 
  ドアのうしろにバドリイ神父の黒い僧服が吊してあり、その上にはすり切れて形も崩れたベレー帽。   

(P・D・ジェイムズ『黒い塔』2・1、小泉喜美子訳)

  バリスの言葉の残酷さは、言葉そのものが消えたあとも、沈泥のように部屋の中に残っているようだった。

(ロバート・シルヴァーバーグ『いばらの旅路』18、三田村 裕訳)

  フラズウェルとシーラとは、人間が負う重荷の責任を分ちあった。

(ロバート・シェクリー『人間の負う重荷』宇野利泰訳)

  ウィリアム・ブレイクの言葉がフィリッパの心にふと蘇った。(…)〈生あるものはすべからく神聖だ。命は命を楽しむ〉

(P・D・ジェイムズ『罪なき血』第三部・7、青木久恵訳)

  極めて稀にだが、確かにアレハンドラがマルティンの傍でくつろいでいるときがあったようだ、

(サバト『英雄たちと墓』第I部・8、安藤哲行訳)

 
  きみがルシオのことを思い出すのも無理はない。今頃の時間になると、昔のことが懐かしく思い出されるものだ。   

(コルタサル『水底譚』木村榮一訳)

  サムは気取っているふりをするが、気取っていなければそんなふりはしないのだ。

(キリル・ボンフィリオリ『深き森は悪魔のにおい』1、藤 真沙訳)

  ダヌンツィオを彼女はたいへん可愛がったと、新聞が書いている。可愛がったか。このばあさんの写真を見てごらん。どう可愛がったものやら。

(フエンテス『脱皮』第二部、内田吉彦訳)

 
  ニコルの悲しんでいるのは分かっていたが、じぶんの母親の死とどうやって折り合いをつけようとしているのかは、ルーシーにはさっぱり見当がつかなかった。   

(アン・ビーティ『愛している』28、青山 南訳)

  彼はラモンのそばへ来て立ち、ラモンの顔をちらと見あげた。が、ラモンの眉はひそめられていて、その目は中庭の向こう側にならぶ小屋のあたりの暗黒にすえられていた。

(D・H・ロレンス『翼ある蛇』上・13、宮西豊逸訳)

バックの部屋から、五時に会いたいという電話があったときも、事態はいっこうに好転していなかった。彼のひどく上機嫌なようすがちょっと気になった。

(ゴア・ヴィダール『マイラ』30、永井 淳訳)

  「では愛が終わったということですわ」メリセントはいっそう熱をこめていったが、それは心のすみっこがそれは嘘だと叫んでいたからだった。

(E・ピーターズ『死者の身代金』8、岡本浜江訳)

  ルーシーに分かったことは、なんだってそうなりうるのだということだった。そのとき以降、彼女はなにかに夢中になるルーシーになった。じぶんと状況を遠くからながめるルーシーになった。

(アン・ビーティ『愛している』25、青山 南訳)

    モコロとは、一、二度会ったことがある。威勢がよくて感じのいい男だった。それに、自分の型を持っていたな。型ってのは、やるべき仕事があればさ~っさと片づける腕のことだ。   

(コルタサル『牡牛』木村榮一訳)

  「ゴードンがお気に入りの花々をお見せするでしょう」と彼女は言って、隣室に呼びかけた。「ゴードン!」

(ナボコフ『青白い炎』註釈、富士川義之訳)

  「自由というようなものもありませんよ」とドン・ラモンの静かな、太く低い、不気味な声がくりかえしているのを彼女は聞いた。

(D・H・ロレンス『翼ある蛇』上・4、宮西豊逸訳)

  ロナは自分がバリスの言葉を正しく聞きとったのかどうか確信がもてなかった。しかし、もう一度くり返してくれとは頼まなかった。

(ロバート・シルヴァーバーグ『いばらの旅路』22、三田村 裕訳)

 
  シルフが木立の中に隠してあった自転車に案内してくれたので、モードはステージ・サイドまで漕いでいった。   

(マイクル・スワンウィック『ウォールデン・スリー』小川 隆訳)

  メアリ=アンの完全無缺な肉体には何かしらわたしを興奮させるものがある。彼女の中にか、わたしの中にか、それとも二人の中にあるのかわからないけれども、探りださなければならない秘密があることは確かだ。

(ゴア・ヴィダール『マイラ』35、永井 淳訳)

  エスターの瞼は少し細くなり、角膜から反射した黄色い灯の点を隠していた。

(フィリス・ゴットリーブ『オー・マスター・キャリバン!』27、藤井かよ訳)

  彼女を追いもとめ、彼女に侵入しそうだったのは、シプリアーノの内部の未完成なものであった。

(D・H・ロレンス『翼ある蛇』上・12、宮西豊逸訳)

  『図書館』がジェレミーとカールとタリスとエリザベスとエイミーを友だちにした。

(ケリー・リンク『マジック・フォー・ビギナーズ』柴田元幸訳)

  メイアーの言葉は感受性を感じさせた。ジェイン・ダルグリッシュは確かに彼にとって不死の存在に思えた。高齢の老人というのは、われわれの過去を作っているのだと彼は思った。

(P・D・ジェイムズ『策謀と欲望』第一章・6、青木久恵訳)

 
  始まりは簡単だった、とジーンは思った。何事も始まりは簡単なものだ。表面は簡単だ。しかし深くなると複雑なものだ。   

(ケイト・ウイルヘルム『杜松の時』5、友枝康子訳)

  ラウラが嘘をついたところでどうってことはない。あのよそよそしい口づけやしょっちゅう繰り返される沈黙と同じ類のものだと考えればいいのだ。そして、その沈黙の中にニーコが潜んでいるのだ。

(コルタサル『母の手紙』木村榮一訳)

  この国が生み出すことのできる最高のものは、男と男との何か強力な関係かもしれない、とケイトには思えた。結婚そのものは、つねに気まぐれなものだろう。

(D・H・ロレンス『翼ある蛇』上・9、宮西豊逸訳)

 
  彼の望んでいることは、何があったかいっさいをダールグレンに告げ、それが良かったか悪かったかいっさい彼の判断に委せることだった。   

(フィリス・ゴットリーブ『オー・マスター・キャリバン!』26、藤井かよ訳)

  「いいです! 大へんいいです!」とシプリアーノは言いながら、なおも相手の男の顔を、おどろいたような、子供っぽい、さぐるような黒い目で見つめた。

(D・H・ロレンス『翼ある蛇』上・12、宮西豊逸訳)

 
  審査官はフェリックの眼をじっと覗きこんだが、その視線は人間くさく、一種の確信を欠いていた。   

(ノーマン・スピンラッド『鉄の夢』1、荒俣 宏訳)

  パーシー様、お手紙でございます。

(シェイクスピア『ヘンリー四世 第一部』第五幕・第二場、中野好夫訳)

  ウィスタン、口を出さないで。

(ジェイムズ・メリル『ページェントの台本』上・&、志村正雄訳)

  セルバンテスは小説の小説を書き、シェイクスピアは芝居の中で芝居の批評をし、ベラスケスは描いている自分の姿を描いた。

(パス『弓と竪琴』詩と歴史・英雄的世界、牛島信明訳)

  忘れっぽい人は人生を最大限に生かそうとする人なので、平凡なことはうっかり忘れることが多い。ソクラテスやコールリッジに手紙を出してくれと頼む人などどこにいるか。彼らは、投函など無視する魂を持っているのだ。

(ロバート・リンド『遺失物』行方昭夫訳)

  店の入り口に、セリジー夫妻の姿を見つけるといきなり、ルネは、店の奥からハンカチを振って叫んだ、

(ケッセル『昼顔』一、堀口大學訳)

 
  ウィンクホーストは叫ぼうとはしなかった──。いかにも落ち着いて、彼は腰を掛けた──。   

(ウィリアム・バロウズ『ノヴァ急報』中国人の洗濯屋、諏訪 優訳)

  「ええ、見えるわ」セリア・マウはいった。「よく見えるわよ、あのクソ野郎ども!」

(M・ジョン・ハリスン『ライト』17、小野田和子訳)

  彼は、その態度や高価な衣服からみて上流階級と思われる背の高い美男子がアーヴァに近づくのを見た。彼女はにっこり笑って立ちあがり、彼を小屋に連れこんだ。

(フィリップ・ホセ・ファーマー『太陽神降臨』12、山高 昭訳)

 「いやよ、マーク!! いや! いや! いや!」とメァリーは悲鳴をあげ、壇のほうへ引きずられながら恐怖のあまりに大小便をもらす。

(ウィリアム・バロウズ『裸のランチ』A・Jの例年のパーティ、鮎川信夫訳)

  しかしエミリ・ディキンスンは耳や目を閉じようとはしなかった。

(トーマス・H・ジョンスン『エミリ・ディキンスン評伝』第八章、新倉俊一・鵜野ひろ子訳)

 
  ルイーズが言う。「とにかく、この前より楽よ。ドッグフードしか食べなかった頃のことを思えば」   

(ケリー・リンク『ルイーズのゴースト』金子ゆき子訳)

  エルメートは水のお代わりを求め、ごくごくと飲みほした。「でも、あのころを思い出しはせんのかな、アルビナ? クチュマターネスのことを?」

(ルーシャス・シェパード『戦時生活』第二部・8、小川 隆訳)

  「ええ、他のはありませんし、今後もないと思います」とオルジフ・ソウクルは断定的にいった。

(イヴァン・ヴィスコチル『飛ぶ夢、……』千野栄一訳)

  自分自身の空を捜し求めている巨大な白い鳥のように、ミリアムは真下までくると立ちどまった。

(J・G・バラード『夢幻会社』25、増田まもる訳)

  「ああ、ぼくは大丈夫だよ。ようやく大丈夫になるさ。心配しないでくれ。それから見舞いには来ないで。G・K・チェスタートンの言葉にこういうのがあっただろう。”人生を決して信用せず、かつ人生を愛することを学ばねばならない”。ぼくはとうとう学べなかった。」

(P・D・ジェイムズ『原罪』第四章・49、青木久恵訳)

  アンナが言い返す。「どうしてわかるのよ?」

(ケリー・リンク『ルイーズのゴースト』金子ゆき子訳)

 「どうして、きまっているんです?」軽い、どちらかというとひやかし半分の口調のつもりらしかったが、ダルグリッシュの耳は怒りを含んだ鋭い防御の響きを逃さなかった。

(P・D・ジェイムズ『わが職業は死』第三部・5、青木久恵訳)

 
  「いいえ、そうは言ってませんよ」シスター・ブリジェットは面白がっていた。「わたしはただ、美は表面的なものにすぎないという考えに疑問を呈しているだけ」シスターはコーヒー・カップを両手で包みこむように持った。   

(ミネット・ウォルターズ『女彫刻家』4、成川裕子訳)

  「まあ、ルノアールだわ!」

(P・D・ジェイムズ『女には向かない職業』3、小泉喜美子訳)

  「ひい──」と彼は絶叫しながらジョニーに変身する。メァリーの首はぽきっと折れる。

(ウィリアム・バロウズ『裸のランチ』A・Jの例年のパーティ、鮎川信夫訳)

  わたしは思わず息を呑み、その拍子にアメリアの長い髪を何本か吸いこんでしまったことに気づいた。

(クリストファー・プリースト『スペース・マシーン』5・4、中村保男訳)

  ぼくたちはゴーロワーズを吸った。ジョニーはコニャックならほんの少し、タバコは日に八本から十本くらいなら吸ってもいいと言われていた。

(コルタサル『追い求める男』木村榮一訳)

  スヴェンのいうとおりだった。シルヴァニアンはビーズつなぎに苦心する必要があった。彼は手仕事をしている間は、考える必要はなかったのだ。

(フィリス・ゴットリーブ『オー・マスター・キャリバン!』29、藤井かよ訳)

 
  ぼくはジョアンナのところへおやすみをいいに行くつもりだった。そういう小さな礼儀が、女性にはどんなに大きな意味をもつか、ぼくは知っているからだ。   

(キリル・ボンフィリオリ『深き森は悪魔のにおい』4、藤 真沙訳)

  クレールのそばにいると秋がいつもとちがって見えるんだ、とあなたは書いてきたわ。

(フエンテス『純な魂』木村榮一訳)

  ヘレンは冷たく笑った。「いいわ、いただくわ、ありがとう。でも、ひとりでも──いい、ひとりでもよ──カメラマンがいたら、わたしは帰るわよ。なんの理由がなくても、帰ってしまうかもしれなくてよ。それでいい?」

(コードウェイナー・スミス『星の海に魂の帆をかけた女』5、伊藤典夫訳)

  するとファーバーの心の中になにか複雑な、苦しいものがこみ上げてきて、喉がつまり、目が熱くなって、いつのまにか自分でも気がつかぬうちにしゃべっていた──静かな部屋に妙に声がひびく──帰らないで、ここにいっしょにいてくれ。二度と出ていかないでくれと頼んでいる自分の声だった。

(ガードナー・ドゾア『異星の人』5、水嶋正路訳)

 
  「そこのテーブル・クロスの上にパンがある」とジョニーは宙を見つめたまま言う。「それは疑いもなく固いもので、何とも言えない色艶をしていて、いい香りがする。それはおれじゃないあるものだ。おれとは別のもの。おれの外にあるものだ。(…)」   

(コルタサル『追い求める男』木村榮一訳)

  君はようやくわかってくれたんだね。かつて僕が持っていたものをまた手に入れたんだ。今僕はそれを所有することができる。僕はふたたび君を見つけたんだよ、クレール。

(フエンテス『純な魂』木村榮一訳)

 
  ベン=アミは大人の話を聞いている子供が感じるような、あるいはその逆の、欲求不満を感じはじめていた。「わかるように話してくれ」   

(ケン・マクラウド『ニュートンズ・ウェイク』B面13、嶋田洋一訳)

 ある哲学者の言葉を、確かロジャー・スクルートンだったと思うけど、思い出しましてね。”想像したものが与える慰めは想像上の慰めではない”

(P・D・ジェイムズ『殺人展示室』第二部・19、青木久恵訳)

  ピエールとセヴリーヌのふたりは、顔を見合わせて、笑いあった。衰えるものは何ひとつ見のがすことのない若々しい朝の光も、若いふたりの顔には寛大だった。

(ケッセル『昼顔』三、堀口大學訳)

  ふとヘアーは、この世界がどれほどうまくまとまっているか、人びとがそこにどれほどしっくり適応しているかを実感した。その継ぎ目のない行動場のなかに、この自分も不安をかかえたままでやはり適応しているのだ。

(ジョン・クロウリー『青衣』浅倉久志訳)

  サディーはとても優しい子でした。詩は情熱だけれど、人生のすべてである必要はないということを教えてくれました。

(P・D・ジェイムズ『神学校の死』第四部、青木久恵訳)

  不安になって、ハリーは部屋のなかをうろついた。寄(よせ)木(ぎ)細工の床が彼の足どりの不安さを反響する。

(ブライアン・オールディス『外がわ』井上一夫訳)

  ゾフィーがいなければぼくは無です。彼女がいてくれてこそ、ぼくはいっさいとなるのです。

(ノヴァーリス『日記』I・一七九七年六月六日[八十日]、今泉文子訳)

 
  「わたしは生得観念が存在しないことを証明するつもりだ」とコンディヤックはいった。「すべての愚かな哲学者どもを永久に論破してやる。心の中には、知覚によってとりいれられたものしかないことを証明してやる。   

(R・A・ラファティ『コンディヤックの石像』浅倉久志訳)

  骨と肉だけが顔を作るのではない──とブルーノは思った──つまり、顔は体に比べればそれほど物理的なものではない、顔は目の表情、口の動き、皺をはじめとして、魂が肉を通して自らを現すそうした微妙な属性すべてによって特徴づけられるのだ。

(サバト『英雄たちと墓』第I部・2、安藤哲行訳)

  母親がさまざまな狂信者とかかわりあったため、ヘレンは鋭い人間観察家に成長していた。人びとの筋肉には各人の秘めた歴史が刻まれており、道ですれちがう赤の他人でさえ、(本人が望むと否とにかかわらず)そのもっとも内なる秘密を明かしていることを、ヘレンは知っていた。

(コードウェイナー・スミス『星の海に魂の帆をかけた女』4、伊藤典夫訳)

  銀色のホットパンツを身につけた、とても若くて色の黒い一人の女が、アブの左腕を見つめ、小指を見つめる。それが一匹のタランチュラとなって自分の腕を這いあがってくるかのように。(アブは全身が非常に毛深かった)。

(トマス・M・ディッシュ『334』死体・1、増田まもる訳)

 
  その時だしぬけにフリエータが明るいキャラメル色の眼でぼくをじっと見つめて、低いけれども力強い声で「キスして」と言った。こちらがしたいと思っていることを向こうから言い出してくれたので、一瞬ぼくは自分の耳が信じられず、もう一度今の言葉をくり返してくれないかと言いそうになった。   

(カブレラ=インファンテ『亡き王子のためのハバーナ』世界一の美少女、木村榮一訳)

  ばらばらに砕けたイメージが、カールの頭の中で静かに爆発した。そして、彼はさっと音もなく自分の身体から抜け出していた。遠く離れたところからくっきりと明白にランチルームにすわっている自分の姿を見た。

(ウィリアム・バロウズ『裸のランチ』ホセリト、鮎川信夫訳)

  レイン・チャニングの別荘に着いて五分とたたぬうちに、わたしのスーツはずいぶんおとなしくなり、傷ついた花のように両肩から垂れさがった。

(J・G・バラード『風にさよならをいおう』浅倉久志訳)

 
  プチ・マニュエルが彼女を見上げたまなざしは、踏みにじられた花を思わせた。   

(J・G・バラード『コーラルDの彫刻師』浅倉久志訳)

  アイリーンがちょっとためらってから、にこっとして言った。「あれはきっと、イギリス英語で『ようこそ』という意味なのよ」

(チャールズ・ボーモント『レディに捧げる歌』矢野浩三郎訳)

  リミットは慎重にあたりを見回してから、ブリーフケースを数インチほど開けて、メアリの顔のところに差し上げる。中をのぞきこんだときの表情から、メアリには何であるかわかったようだ。

(K・W・ジーター『ドクター・アダー』黒丸 尚訳)

  ソニヤは悲鳴をやめ、しわくちゃになったシーツを引っぱり上げて台なしになった魅力を隠すと、みっともなくのどを鳴らして悲劇的な表現に熱中しはじめた。ぼくはものめずらしい気持で彼女を仔細に眺めたが、それは演技だった。でも彼女は女なんだから特に演技してみせることもないのだ、この意味がわかるだろうか?

(キリル・ボンフィリオリ『深き森は悪魔のにおい』2、藤 真沙訳)

  クセノパネスは老年になってから、どちらを見ても、ものがみなあっというまに「統一性」へ駆けもどってしまうと不平を言った。あきあきするほど多様な形態のなかにおなじ本質を見ることが彼にはうんざりだった。

(エマソン『自然』五、酒本雅之訳)

  ジョーは議論にそなえて男のほうに向き直り、言葉をつづけようとした。そのとき、ジョーはだれに向かって話しかけようとしていたかを悟った。

(フィリップ・K・ディック『銀河の壺直し』5、汀 一弘訳)

 
  きみのフルネームは、アリス・プレザンス・リデルかい?   

(ジェフ・ヌーン『未来少女アリス』風間賢二訳)

 オノリコいわく。物語るだけでは十分でない。重要なのは語り継ぐことだ。つまり、すでに語られた物語を、自分のために入手し、自分の目的のために利用し、自分の目標に隷属させたり、あるいは語り継ぐことによって変容させたりする語りである。言い換えるなら、メンドリは、卵が別の卵を産むために用いる手段だということだ。

(ゲルハルト・ケップフ『ふくろうの眼』覚書、園田みどり訳)

  「チャーリィはまだ理想主義者なのさ」ハチャーが言った。「世界は論理的じゃないということを認めようとしないんだ」

(ジェイムズ・P・ホーガン『仮想空間計画』15、大島 豊訳)

  「それでは、いったい何の目的でこの世界はつくられたのでしょう」とカンディードはいった。

(ヴォルテール『カンディード』第二十一章、吉村正一郎訳)

  詩人のロン・ブランリスはいいました、「われわれは驚きの泉なのです!」と。

(フランク・ハーバート『デューン砂漠の神皇帝』第3巻、矢野 徹訳)

  だが、ジャックはヴォーナンからなんの情報も聞き出してはいなかった。そして、愚かにも、わたしはなにも気づかなかったのだ。

(ロバート・シルヴァーバーグ『時の仮面』16、浅倉久志訳)

  マルティンはふたたび視線を上げた、今度はほんとうにブルーノを見るためだったが、まるで謎を解く鍵を教えてもらおうとするような眼差しだった、

(サバト『英雄たちと墓』第IV部・2、安藤哲行訳)

 
  ベルナルド・イグレシアスは教会を意味するイグレシアスという名をもちながら、ついにその名に救われることはなかったが、考えてみると教会というのは人を救ったりはしないものだ。   

(カブレラ=インファンテ『亡き王子のためのハバーナ』すべてが愛を打ち破る、木村榮一訳)

  ロナの足がロナ自身に告げた。アーケードへ行って、この雪の夜の光とぬくもりに包まれながら、しばらく歩きまわろう。

(ロバート・シルヴァーバーグ『いばらの旅路』4、三田村 裕訳)

  ファウラー教授は、額をおおう黄土色の土をぬぐった。ぬぐいそこねた土は、まだ額に残っている。

(アーサー・C・クラーク『時の矢』酒井昭伸訳)

 
  ティムの顔は、さまざまな感情の去来する場だった。   

(ブライアン・W・オールディス『神様ごっこ』浅倉久志訳)

  場所ね、ドラゴーナ、しっかりと立っていられるようなところ。

(フエンテス『脱皮』第二部、内田吉彦訳)

  エンダーには、そんな場所を自分の中にみつけることはできなかった。

(オースン・スコット・カード『エンダーのゲーム』4、野口幸夫訳)

 
 イレーヌの顔には、そういうことがなにか留(とど)められているかと考えて、その顔をじっと眺めてみたが、そこにはなにひとつ留められていないことが、見てとれるような気がした。  

(ガデンヌ『スヘヴェニンゲンの浜辺』7、菅野昭正訳)

  これもいつかブルーノが彼に言うことになるが、わたしたちはそんなふうにして、このもろい死すべき肉体を通して、永遠を仄かに見ることができるように作られているからである。

(サバト『英雄たちと墓』第II部・4、安藤哲行訳)

  ジミーが二人に見えた。なんでも二つに見えた。

(スティーヴン・キング『しなやかな銃弾のバラード』山本光伸訳)

 
  ジミーをいらいらさせるのは、そういうこまかい話である。   

(ジョン・ウィンダム『ポーリーののぞき穴』大西尹明訳)

  「確かに世界は図式的なアリストテレス的論理では動いていないね」シプリィも認めた。「それは完全に演繹(えんえき)的だからね。真理からスタートする。そしてそこから世界がしたがっているはずの法則が導き出される。機械が得意とするのはそれさ。ところが現実生活では、人間は経験で得た今の世界のあり方から出発する。それからその理由を推察し、それが実際のものに近いものでありますようにと祈るわけだ。帰納法さ。(…)」

(ジェイムズ・P・ホーガン『仮想空間計画』15、大島 豊訳)

  ク・メルが人間に通じているのは、なによりも自分が人間ではないからだった。ク・メルは似せることで学んだが、似せるという行為は意識的なものである。

(コードウェイナー・スミス『帰らぬク・メルのバラッド』3、伊藤典夫訳)

  ほんの一瞬ではあったが、娼婦のシオマーラを通してぼくは二度と会うことのなかったあの女の子を思い出したのだ。

(カブレラ=インファンテ『亡き王子のためのハバーナ』最後の失敗、木村榮一訳)

  わたしのフルネームはアリス・プレザンス・リデルよ。

(ジェフ・ヌーン『未来少女アリス』風間賢二訳)

 
  アリスはいつも二重に裏切られたような気分になるのだった──まず、だまされていたということに、そして次に、最後までちゃんとだましおおせてもらえなかったということに。   

(トマス・M・ディッシュ『ビジネスマン』37、細美遙子訳)

  だが、フェリシティ・フレイにはそうさせるな。

(ジョン・ウィンダム『野の花』大西尹明訳)

  ディディは手すりに駆けよって、まるでクジラたちが死のダンスを踊っているところへ手をさしのべようとでもするように、手すりから身を乗りだした。風が顔に吹きよせたが、風などまったく吹いていなかった。

(ソムトウ・スチャリトクル『スターシップと俳句』第一部・10、冬川 亘訳)

 「さ、これでかたづいた」ビングは満足げにいうと、ガラスの数珠をポケットに入れ、カンバス地のスーツケースを取り上げた。

(トマス・M・ディッシュ『ビジネスマン』22、細見遙子訳)

  ロジャーの目をとおして、われわれはかれが見たものを見た。

(フレデリック・ポール『マン・プラス』15、矢野 徹訳)

 
  私の過去のいっさいのものは私があの不幸な男の頭に触れた日以来、すべて予兆となってしまった。アダにたいする私の愛、彼らはそれを中傷するだろうし、そのためにさまざまな言葉を考えだすだろう。   

(ガデンヌ『スヘヴェニンゲンの浜辺』23、菅野昭正訳)

「連中のことを気にしてはいかんよ、リーシャ」彼があのすてきななまりでいった。「けっして。東洋の古いことわざがある。”犬は吠えるがキャラヴァンは進む。”礼儀を知らず、または嫉妬した犬が吠えたからといって、きみはけっして自分のキャラヴァンの速度をゆるめてはならないよ」

(ナンシー・クレス『ベガーズ・イン・スペイン』3、金子 司訳)

    イルマの手の中が空であることが見えずにそこに抱かれている思い出を見て、こういった。「ああ……かわいい坊やだね」   

(ルーシャス・シェパード『戦時生活』第五部・15、小川  隆訳)

  ハヴェル先生は、伝聞や逸話もまた、人間そのものと同じく老化と忘却の掟に従うものだということをよく知っていた。

(ミラン・クンデラ『ハヴェル先生の二十年後』3、沼野充義訳)

 
  「他人が支配しているものを通じて幸福を求めるな」シプリィは答えた。「さもないと結局は支配しているやつらの奴隷になる」   

(ジェイムズ・P・ホーガン『仮想空間計画』15、大島 豊訳)

  カントは証明してくれた。われわれは、あるがままの物自体を知ることはない。ただその物がわれわれの心に映るさまだけを知るのであると。

(ハイネ『哲学(てつがく)革命』伊藤 勉訳)

  生命の本質は変化だと、サンプソン博士はかつて言っていた。死の本質は不動性だった。死体にすら、その肉がくさるかぎりは、そのめしいた目にウジがむらがり、破れた腸から流れ出る液をハエが吸うかぎりは、生命の痕跡があった。

(ロバート・シェクリー『石化世界』酒匂真理子訳)

  ダーナ・キャリルンドもおそらくかれと同じくらいの人間通だったが、その手段も目的もマーティンとはちがっていた──つまり、それは人間の精神の健康を改善するためではなく、人間たちをもっと大きな図式に当てはめるためだった。

(グレッグ・ベア『斜線都市』上・第二次サーチ結果・5/、冬川 亘訳)

  空気はゆるみつつあり、空も明るくなってオレンジ色からもとの青色へともどりつつあった。そして、前方に半透明のジュリアの姿がふたたびあらわれたとき、クロフォードはそれを予期していたことに気づいた。

(ティム・パワーズ『石の夢』上・第一部・第十一章、浅井 修訳)

 
  バードはまたおちつかなげに歩きまわり、弁護士というよりは、むしろ床(ゆか)を相手に話をしているようだった。   

(オスカー・シーゲル『カシュラの庭』森川弘子訳)

 
  マルガリータ夫人はこう呟いた『これはきっと重大なことなんだわ。誰かが、わたしの魂に水をもたらすのは夜のほうがいいと考えて、こんなふうにしたのよ』   

(フェリスベルト・エルナンデス『水に浮かんだ家』平田 渡訳)

  ジュアンが私の目をまっすぐ覗くようにして見た。すると一瞬また体に震えが走り、テーブルにいるのは本当はジュアンと私だけではないかというとっても奇妙な感覚に捉われた。

(ウィリアム・S・バロウズ『シティーズ・オブ・ザ・レッド・ナイト』第一部、飯田隆昭訳)

  アグノル・ハリトは率(そつ)直(ちょく)に、わたしたちが洞窟の入り口に達したら、そのあとは地獄さながらの場所に入りこむことになるだろうと警告した。あとでわかったことだが、アグノル・ハリトの警告はあまりにもひかえめなものだった。

(ニクツィン・ダイアリス『サファイアの女神』東谷真知子訳)

  ソネットの厳しい規則が詩作に高い水準を強制できるように、科学的な事実に忠実であることは、よりよいSFを生みださせることができる。これを無視するのは、自由詩型についてのロバート・フロストの言葉──”それはネットを下ろしてテニスをするのに似ている”──を思いおこさせる。

(グレゴリイ・ベンフォード『リディーマー号』のあとがき、山高 昭訳)

  ガスは考えた──あとどれぐらいしたら、ハルジーは、自分が自分に仕掛けた罠に気づくだろうか?

(アルジス・バドリス『隠れ家』浅倉久志訳)

  デ=セデギはドラム缶のまわりに集まっている男たちの中に彼の姿をさがし、両手をひろげてどうしようもないというポーズをした。ミンゴラはあからさまな挑(ちよう)戦(せん)という概念に縛られて、男のわきまで歩いていった。

(ルーシャス・シェパード『戦時生活』第二部・8、小川  隆訳)

 
  メグはコプリー氏がアマチュアのヴァイオリニストだったことを思い出した。今は手がリューマチがひどくて、ヴァイオリンを持つどころではないが、楽器は隅のタンスの上に今もケースに入ってのっている。   

(P・D・ジェイムズ『朔望と欲望』第六章・51、青木久恵訳)

  知的無責任者のほうが、じつは、ハンカー氏やバラロンガ卿のような非知性的な冒険者より、人間として邪悪なのではないか。

(H・G・ウェルズ『神々のような人ひと』第二部・三、水嶋正路訳)

 「かつてはここもすばらしい世界だったのでしょうがね」とホートは答えた。「息子さんはこの星を憎んでいました。いやむしろ、もっと具体的にいえば、この星で彼が見たものを憎んでいました」

(オースン・スコット・カード『キャピトルの物語』第一部・5、大森 望訳)

  「ねえ、ギョーム」と彼女がふいに言った、ときおり見せるあの萎れたと言ってもいいような微笑みを浮かべながら、「そんなふうにして、火のなかになにを見つめてらっしゃるんですの? ……」

(ガデンヌ『スヘヴェニンゲンの浜辺』20、菅野昭正訳)

 
  レスティグは車を走らせた。(…)ひたすら車を駆った。そのようすはさながら、もし彼が想像力に富んだ男であったなら、本能に導かれてまっすぐ海へ帰ってゆくうみがめの子になぞらえただろうような、そんなひたむきさを持っていた。   

(ハーラン・エリスン『バシリスク』深町真理子訳)

  ジュリーは目を閉じ、心の奥にしまった光のレースを取り出そうとする。頭蓋を飛び出した〈精神(エスプリ)〉のレースは大きく広がり、やがて森を包む雲になる。

(ベルナール・ウェルベル『蟻の革命』第3部、永田千奈訳)

  ジョージ・マレンドーフが自宅の玄関へと私道を歩いていくと、愛犬のピートが駆けよってきて、彼の両腕めがけてとびついた。犬は道路から跳びあがったが、そこでなにかが起きた。犬は消えてしまい、つかのま、いぶかしげな空中に、鳴き声だけがとり残されたのだ。

(R・A・ラファティ『七日間の恐怖』浅倉久志訳)

  イノックはポンプを押した。ヒシャクがいっぱいになると、男はそれを、イノックにさしだした。水は冷たかった。それではじめて、イノックは、自分ものどが渇いていたことを知り、ヒシャクの底まで飲みほした。

(クリフォード・D・シマック『中継ステーション』6、船戸牧子訳)

 
  スザンヌはまだ若すぎたし、それに物事のうわっつらばかり見て育った女だった、彼女は目に見えるものだけで満足していたのだ。   

(ノサック『弟』2、中野孝次訳)

  キャスリンの脚が部屋に入ってくると、床板が少したわんだ。ギャビイの脚が続いた。

(キム・スタンリー・ロビンスン『荒れた岸辺』下・第四部・20、大西 憲訳)

  ステファンヌは私に夢中だ。私という病気にかかっていることがようやくわかった。こっちがなにをしようと、彼にとっては生涯、それは変わらないだろう。

(エルヴェ・ギベール『ぼくの命を救ってくれなかった友へ』8、佐宗鈴夫訳)

 
  メグは穏やかな口調で食い下がった。「でも、その声が自分の声ではないと、自分の潜在的な欲求ではないとどうしてわかるのでしょう。その声の言っていることは、自分の体験、個性、遺伝体質、内的欲求を通して考え出されたものにちがいありません。   

(P・D・ジェイムズ『朔望と欲望』第六章・51、青木久恵訳)

  死の十年前、フロイトが人間を総括して何と言っているか、御存じになりたくありませんか? 「心の奥深くでこれだけは確かだと思わざるを得ないのだが、わが愛すべき同胞たる人間たちは、僅かな例外の人物を除いて、大多数がまず何の価値も持たない存在である。」

(ジュリアン・バーンズ『フロベールの鸚鵡』11、斎藤昌三訳)

  だが、ボドキンは行ってしまっていた。ケランズはその重い足音がゆっくり階段を上がって、自分の部屋の中に消えてゆくのを聞いた。

(J・G・バラード『沈んだ世界』3、峰岸 久訳)

  一瞬、わたしはまた夢を見ているような気分になった。城壁の狭間に狒狒が登っていたのだ。だがそれはまぐさをばりばり食べている馬と同様に、現実の動物で、ごみを投げつけると、トリスキールと同じように印象的な歯を剝き出した。

(ジーン・ウルフ『拷問者の影』28、岡部宏之訳)

  クリフォード・ブラッドリーは長い間待たされたにしてはかなりよく耐えていた。言うことにも矛盾はないし、毅然とした態度をとろうと努めていた。しかしすえたような恐怖の病菌を部屋の中まで持ちこんでいた。恐怖は人間の感情の中でもとりわけ隠し方がむずかしい。

(P・D・ジェイムズ『わが職業は死』第二部・15、青木久恵訳)

  ズィプティ、ズィプティ、ズィプティ、宇宙船と人工衛星。その通路は病院と天国が半々になったような臭いがし、そしてボズは泣きはじめた。

(トマス・M・ディッシュ『334』解放・3、増田まもる訳)

 
  気をつけたほうがいいな、ロバート。きみはまたその鳴き声を耳にするかもしれんぞ。   

(J・G・バラード『沈んだ世界』4、峰岸 久訳)

  バッリは寒さが気にならないようすで、コップのなかを、まるで自らの考えをそこに発見したかのように見つめていた。

(イタロ・ズヴェーヴォ『トリエステの謝肉祭』11、堤 康徳訳)

  わたしは目を閉じて、ブルーノの夢を想像してみようとする。だが、行きつくのはブルーノが夢に見そうもないことばかりだ。青い空。あるいは大地が冷えきったときの野原の無情さ。たとえそうしたものに気づいていたとしても、ブルーノはそれを悲しいとは思わないだろう。

(アン・ビーティ『駆けめぐる夢』亀井よし子訳)

  「人は夢や希望といったものを一度持つと」と、ハドリーは少し考えてから説明しはじめた。「それをあきらめなければならなくなったあと、とてもつらい日々をすごさなきゃならなくなるものなんです。

(フィリップ・K・ディック『空間亀裂』14、佐藤龍雄訳)

 シェイクスピアの場合、語と語の音声関係に対する興味は、それらの語の全体的意味に対する興味とぴったり一致していた。ある語との出会いがどんな出会い方であろうと、彼はその語を確実に摑まえた。

(ウィリアム・エンプソン『曖昧の七つの型』上・2、岩崎宗治訳)

  リーはバッグを閉じ、老ヤク中ポーターを呼んで仕切りを後にする。背後では仕切りの壁がついに破れて、裂けて千切れて潰れる音。

(W・S・バロウズ『おぼえていないときもある』赤見、山形浩生訳)

  ワンダが眼を開いて、新たな深淵に眼をこらした。

(ジャック・ウォマック『テラプレーン』11、黒丸 尚訳)

  こうなるとフェルナンドの狂的な公理の一つを認めないといけなくなる、偶然などありはしない、あるのは宿命だという。人は探しているものだけを見出すのであり、心のもっとも深く暗いところ、そのどこかに隠れているものを探す。そうでなければ二人の人間が同一人物に会ったとき、どうして二人の心に必ずしも同一の影響を与えるわけではない、そんなことになるのか?

(サバト『英雄たちと墓』IV・3、安藤哲行訳)

  オーデンいわく、「詩は実際の効用をもたらすものにあらず」。

(ジュリアン・バーンズ『フロベールの鸚鵡』10、斎藤昌三訳)

  コプリー氏は静かに坐ったまま、古い説教や法話、よく使う聖句からインスピレーションを得ようとしているのか、せわしなくまばたきした。

(P・D・ジェイムズ『朔望と欲望』第六章・51、青木久恵訳)

  そして彼女はフェルナンドのそんな仕草をもどかしそうに待っていたみたいだった、まるでそれが彼の愛情の最大の表現ででもあるかのように。

(サバト『英雄たちと墓』第IV部・3、安藤哲行訳)

 
  彼女は低い天井を見つめていた。わたしはそこにもう一人のセヴェリアンがいるように感じた。ドルカスの心の中にだけ存在する、優しくて気高いセヴェリアンが。他人に最も親しい気分で話をしている時には、だれもが、話し相手と信じる人物について自分の抱いているイメージに向かって、話をしているものだ。   

(ジーン・ウルフ『警士の剣』10、岡部宏之訳)

  ユートピアの害獣、害虫、寄生虫、疾病の除去、清掃の各段階には、それぞれいろいろな制約や損害が伴った可能性があるという事実を、キャッツキル氏は、その鋭い軽率な頭脳でつかんでいた、というより、その事実が彼の頭脳をつかんでいたと言ったほうが当たっている。

(H・G・ウェルズ『神々のような人びと』第一部・六、水嶋正路訳)

 
  クレオパトラが言ったように、あの出来事が傷のようにぼくをさいなんだ。その傷が今もなお疼くのは、傷自体の痛みのせいのみならず、そのまわりの組織が健全であるが故なのだ。   

(L・P・ハートリー『顔』古屋美登里訳)

  もちろん、長期療養の後では、勤務はつらい。しかし、レター氏のあの口笛、突然陽気な気分になっては、また突然に無気力な様子になるあの変わりよう、あの砂色の髪にきたない歯が、わたしの怒りをめざめさせる。とりわけ、会社を出てから時間がたっても、あのメロディが頭の中でぐるぐるまわるときが、まるでレター氏を家に連れて帰るようなもの。

(ミリュエル・スパーク『棄ててきた女』若島 正訳)

  「おまえは実の父親にむかって、地獄へうせやがれというのか?」アンクはつぶやいた。この質問は、アンクのがらんとした記憶の広間から、いまなお彼自身の奇妙な少年期の断片が息づいている片隅へとこだまを返した。彼自身の奇妙な少年期は、彼に会いたがらず、彼に愛されたがらない父親に、ようやくのことで会い、そして愛をつくすという、白日夢に費やされたのだった。

(カート・ヴォネガット・ジュニア『タイタンの妖女』6、浅倉久志訳)

 
  「生命だ、ビリー」ジュリアンの微笑は彼をからかっていたが、ビリーはどうにか微笑を返した。「生命と愛と欲望、豊富な食物と豊富なワイン、豊かな夢と希望だ、ビリー。それらすべてがわれわれの周囲に渦巻いている。可能性だ」彼の目がぎらぎらと輝いた。「美人ならいくらでもいるというのに、どうして通りすぎていった美人ひとりを追わねばならないのだ? 答えられるか?」   

(ジョージ・R・R・マーティン『フィーヴァードリーム』10、増田まもる訳)

  ウェンデルの質問は、もうとっくに、あのバージニアカシの生えたなだらかな丘のガソリン臭い空気の中へ、置きざりにされている。

(ウォード・ムーア『ロト』中村 融訳)

 
  ドゥーリーはまさに敵対的な侵入勢力そのもののような男だった。彼がまっすぐこちらの精神のなかにはいってきて、何か利用できるものはないかときょろきょろしているのが感じられた。   

(ウィリアム・バロウズ『ジャンキー』第六章、鮎川信夫訳)

  こわくない、とラムスタンは自分に言い聞かせていたが、それは自分への嘘、あらゆる嘘の中で一番簡単な嘘だった。

(フィリップ・ホセ・ファーマー『気まぐれな仮面』28、宇佐川晶子訳)

  いつもながら、クロードとかかわりのあるものは、どれもあいまいで、不可解で、疑わしい。アンナのような気性の激しい女性にとって、こうしたことの積みかさねから出てくるものはただ一つ──怒りであった。

(ジェイムズ・P・ホーガン『プロテウス・オペレーション』下・29、小隅 黎訳)

 
  かわいそうなカルロはもうそれこそ彼女を愛していた。ひと目ぼれの永遠の愛だった。   

(ガッダ『アダルジーザ』アダルジーザ、千種 堅訳)

 「数知れぬと言ってもいいが、この地上における一切の不幸のなかでも」と、エレディアは身振りをまじえ、宮殿の避雷針を見つめながら語る。「詩人の不幸ほど甚だしいものはないでしょう。さまざまな災悪によりいっそう深く苦しめられるばかりでなく、それらを解明するという義務も負うているからです」

(レイナルド・アレナス『めくるめく世界』34、鼓 直・杉山 晃訳)

  なぜそこに出かけたのか? それはカステジャーノスが、アロンソが一日中延々とチェスをやっているのを見るため。いつものことを見るためだったのだ。そのときはまだ、理解するに到っていなかったからだ、習慣は偽りのものであり、わたしたちの機械的な歩みはまったく同じ現実に導くとは限らないということを、なぜなら、現実は驚異的なものであり、人間の本性を考えれば、長い眼で見れば、悲劇的でもあることにまだ気づいていなかったからだ。

(サバト『英雄たちと墓』第IV部・3、安藤哲行訳)

  「そう、それなんだ」と、ク・メルは心にささやいた。「いままで通りすぎた男たちは、こんなにありったけの優しさを見せたことはなかった。それも、わたしたち哀れな下級民にはとどきそうもない深い感情をこめて。といっても、わたしたちにそういう深みがないわけじゃない。ただ下級民は、ゴミのように生まれ、ゴミのように扱われ、死ねばゴミのように取り除かれるのだ。そんな暮らしから、どうやって本物の優しさが育つだろう?

(コードウェイナー・スミス『帰らぬク・メルのバラッド』3、伊藤典夫訳)

 
  少しずつジョンは、労働を節約するいくつもの小さな工夫を家の中に取り入れていった。   

(オラフ・ステープルドン『オッド・ジョン』6、矢野 徹訳)

  「そんなの、わたしが思ってたよりずっと面倒くさいじゃないの、ロジャー。まったく面倒だわ」ドリーが愚痴をこぼした。

(タビサ・キング『スモール・ワールド』8、みき 遙訳)

  子供の頃、オードリー・カオソンズは物書きになりたかった。物書きは金持ちで、有名だったからだ。

(W・S・バロウズ『おぼえていないときもある』レモン小僧、山形浩生訳)

  いつたんこの世にあらはれた美は、決してほろびない、と詩人高村光太郎(一八八三―一九五六)は書いた。「美は次ぎ次ぎとうつりかはりながら、前の美が死なない。」

(川端康成『ほろびぬ美』)

  「きみはばかな男ではない、グラブ・ディープシュタール」このことは、伯爵はおれのことを自分よりはるかにばかだと考えていることを意味していた。

(ハリイ・ハリスン『ステンレス・スチール・ラット』18、那岐 大訳)

 
  マクレディの長老教会派(プレスピテイアリアン)の良心は、一旦めざめさせられると、彼を休ませてはおかなかった。   

(J・G・バラード『沈んだ世界』3、峰岸 久訳)

  「僕たちは神を存在させるだろうよ」とエルサンは言った、「行動することによってね」

(ガデンヌ『スヘヴェニンゲンの浜辺』14、菅野昭正訳)

  ダルグリッシュとマシンガムはソファに坐った。スワフィールド夫人はひじかけ椅子の端に腰をかけて、二人を励ますように笑いかけている。(…)二人はすぐさま夫人に親しみを覚えた。それぞれ違った人生を歩んできた二人だが、どちらも彼女のような女性に会ったことがある。彼女が人生にボロボロにすりきれた部分があることを知らないわけではない。この女性はその部分に断固たる手つきでアイロンをかけ、きれいに繕ってしまうだけなのだ。

(P・D・ジェイムズ『わが職業は死』第三部・1、青木久恵訳)

  不安な気持が──努力によってであれ自然にであれ──突如雲散霧消すると、人間は喜ばしい自由の感覚、チェスタトンが「理屈では割きれない良い知らせ」と呼ぶ感じを経験する。これは単に問題そのものが消え失せたからではない。安堵感が生じたおかげで突然自分の存在を「鳥瞰図的に」見ることができるようになり、遥かなる地平の感覚に圧倒されるからである。人間は、自分は実際には宮殿をもっているのにこれまで精神的なスラム街に住んでいたのだということに気づく。

(コリン・ウィルソン『ルドルフ・シュタイナー』1、中村保男・中村正明訳)

 
  町の中心部にむかうミンゴラの目の前から、犬がこそこそと逃げてゆく。裏返しになった平底舟の下では蟹がちょこちょこと歩きまわり、掘ったて小屋の下では一人の黒人が気を失って倒れ、乾いた血がその胸に縞(しま)模様をつけている。ピンク色のホテルのすぐわきの石のベンチには、ライフルをかかえた老人が眠っている。事象の潮がひいて、底辺居住者の姿があらわになったようだ。   

(ルーシャス・シェパード『戦時生活』第二部・7、小川 隆訳)

  アレッサンドロ・サルテが自分一人だと思い、自分を見張っていない稀な瞬間には、彼の真の相貌が素描されて浮かびあがるのである。

(ユルスナール『夢の貨幣』若林 真訳)

  厚ぼったい紙を膝の上にひろげて、隣りの席の乗客たちはナイフを使い、噛み、歯に挾まったものを音を立てて取った。ギョームはフランス人についてのこんな新しい定義を考えついた。フランス人とは、ものを食べない十五分は耐えがたいと知っている人間である、と。もう何年も前から不足しているこの卵、肉、バターを、このひとたちはどこで見つけたのだろう?

(ガデンヌ『スヘヴェニンゲンの浜辺』23、菅野昭正訳)

  ボードレールは存在するものの根底において、その死の中で、しかも、それが死ぬゆえに、存在するものがわれわれの救いでありうることを予感した。

(イヴ・ボンヌフォア『詩の行為と場所(抄)』宮川 淳訳)

  「──ふふん、これだな、必要がオノレ・シュブラックを、またたくひまに脱衣せしめた場合っていうのは。どうやらこれで彼の秘密がわかって来たような気がする」と、わたしは考えたものだった。

(ギヨーム・アポリネール『オノレ・シュブラックの消滅』青柳瑞穂訳)

 

全行引用詩『ORDINARY WORLD°』 3/5 へ






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最終更新日  2016年01月19日 21時14分26秒
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