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番組構成師 [ izumatsu ] の部屋

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2004.10.26
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カテゴリ:制作現場



10月11日。朝、7時30分。

ニューカレドニアのトントゥータ国際空港に降り立つ。

スタッフ、ディレクターのT氏、カメラマンのH君、そして、おまけで付いて来たぼく。
この3人で、これから19日までのロケを敢行だ。


愛らしい空港。ヤシがいい感じ。



ニューカレドニアまで、成田からおよそ8時間。早いと言えば早い。
学生時代、新幹線で9時間、立ちっ放しで上京したことを思えばなんでもないハズなのだが、座席の狭さはなんとかならんもんだろうか。取材の旅は当然エコノミークラス。身動きするのも辛い。
隣りに座ったフランス人らしき大きな男性、ぎっしり座席に詰まっていた。お気の毒。


静寂な空港。人影まばら。



しかし、静かな空港だこと。
海外航路が就航しているから確かに「国際空港」なのだろうが、ガランとしている。到着した客の大半、9割近くは日本人。それも新婚か、それに近い若者カップルばかりだ。

先頃亡くなった森村桂さんの『天国にいちばん近い島』のおかげで、日本でのニューカレドニアの人気は高い。だが、その他の国からの観光客はめったに来ないとか。

ロケの拠点となるホテルへツアーバスで移動。
ぼくら以外は日本人の若いカップル。案内するお兄さんも日本人。
着いたホテルで出迎えてくれたのも、日本人スタッフ。異国に来た気がしないなぁ。





ぼくら最初の宿、ホテル『メリディアン・ヌメア』は超豪華。なんと五つ星!



「メリディアン・ヌメア」正面。



部屋数は250を超えるとか。



五つ星の証明!


こんなホテルに泊まるのは生まれて初めて。
ローカル局の海外ロケでこんな贅沢が許されるのか?とも思うが、これは翌朝到着するタレントさん向けの配慮。気持ちよくロケを進めてもらえれば安い出費。

ニューカレドニア観光局の協力もあり、宿泊費もいくぶん抑えてもらったようだ。

ひとまず、ホテルの部屋に荷物を置く。
機材、全部トータルするとその重さは90キロくらいになるだろうか。
これを、ディレクターとカメラマン(音声兼任)のふたりで運ぶのだ。
ぼくもちょろちょろと手伝うが、ロケは体力勝負を実感する。


これに三脚をプラス。重い。


ホテルにチェックインして、さぁ、きょうの仕事はお~わり、とは行かない。
ひと休みして、さぁ、取材に出発だ!





コーディネイターのY氏が、これから6日間、ぼくらの足となってくれるレンタカーで迎えにやってきた。
9人乗りの巨大なバン。

--おぉ! プジョー! かっこよか~!


大柄プジョー。走る走る!



ナンバーは簡潔明瞭。


--やったぁ、外車だぁ!!

が、しかし、ここはフランス領。走る車はプジョー、ルノーとフランス車だらけ。
憧れの外車も、ここじゃ国産車。これ、あたり前。

使われる場所でその価値が決まるというのは、おもしろいもの。
以前、ユーゴスラビアでロケをしたとき、駅前にぎっしり止まっているタクシーが全部ベンツだったのに驚いたことがある。中古になったベンツが多量に流れてきて、低価格乗用車の代名詞のようになっていた。
このとき、ぼくのベンツに対するほのかな憧れは消えた。





ロケ車で最初に行ったのは、ヌメア市外が一望できる丘。
陽がさしたり曇ったりの天気。風が強く、ジーンズ地の長袖をはおってもなお肌寒い。
しかし、180度見渡せる景色は絶景だ。


最初に見た景観。



見えていたセント・ジョセフ大聖堂。


と、そこへ奇妙な列車が!


あ~ら、かわいい!


コーディネイターのY氏によれば、これは「プチ・トレイン」と呼ばれる周遊バス。ヌメア市内の主なビューポイントを回ってくれるとか。グループでの貸切もできるので、団体旅行に喜ばれているそうな。
確かに、のんびり走る汽車で市内観光というのもオツなものかも。所要時間は4時間程度だ。





--プチ・トレイン、乗りたかぁ!

そんなぼくの声は無視され、次の取材地、『ニューカレドニア博物館』へ。


博物館は瀟洒な建物。


ニューカレドニアは、1774年9月5日、キャプテン・クックが発見し、紆余曲折を経てフランスの植民地となったが、当然、先住民がいる。

「カナック」と呼ばれるメラネシア系先住民の伝統文化を中心に、貴重な資料を展示しているのが『ニューカレドニア博物館』だ。

館内はカナックの様々な生活文化、住居や狩猟用具、仮面や彫刻などの宗教儀礼に使用したものなど、興味深い品々でいっぱい。
が、残念ながら撮影禁止。テレビカメラでの撮影のみ許可。


中庭にも伝統的な家が。


資料を撮影したあと、研究員の方へインタビュー。
だが、約束の時間を過ぎても現れる気配はない。いらつくディレクターのT氏。
コーディネイターのY氏が「これがニューカレドニア・タイム。そのうち来ますって」となだめる。

果たして、当初の約束の時間からおよそ1時間45分ほど遅れて、インタビューが始まった。

ぼくは、通訳をするY氏の後ろに座り込み、研究員とT氏とのやりとりに耳を澄ます。必要な内容がとれているかを判断するのだけど、ディレクター氏もシロウトじゃない。別にぼくがいなくてもちゃんとした取材になるのだ。
逆に、取材対象者にプレッシャーとならないか、気にかかる。

ロケに同行すると、こんな、身の置き所に困ることが多々ある。
要するに、ぼくは用無しなのかも。





今回、ぼくらが追っているのは「投網」。
ニューカレドニアでは投網が日常的に行なわれている。その投網は“日本人が伝えた”という説がある。

明治中期から戦前にかけ、ニューカレドニアには、6000人近くの日本人が鉱山で働く工夫として移住している。その多くは熊本県人なのだが、その人たちが仕事の合い間に打っていた投網を見た地元の人が、「こりゃ、いい」と自分たちの生活に取り入れたのではないか?
そんな推測から、番組の企画が始まった。

投網には大きく分けて『細川流』と『土佐流』という打ち方がある。

投網に流派があるとは!

知ったときは驚きだった。漁師の皆さん、網をいい加減に放り投げているわけではないのである。
その流派のうち、熊本県人が多数移民で入ったニューカレドニアに伝わったのは、熊本を中心に盛んに行なわれ、江戸川周辺にも広がっていた『細川流』ではないか?

それが、ぼくらが立てた仮説。それを解きほぐしていくのが今回のロケの目的だ。


インタビューに答えてくれた博物館の研究員は、カナックの血を引く方。その方が言うには・・・・・・・・、

・カナックに投網文化はなかった。

・ヨーロッパ系(フランス人)が投網を伝えたとは考えられない。

・日本人が投網を伝えた可能性は高い。実際、自分(研究員)の先祖に日本人と結婚した女性がいたが、その日本人は村の人々に投網を教えてくれた。

おぉ、実際に日本人から投網を習ったとな!!
こいつは、なかなか幸先いいぞ!!





街角や、広場でくつろぐひとたちなどを撮影しているうちに早くも夕暮れ。
まだ5時前なのに。南の島は、日が短いのかな?

夕暮れビューポイントへ。あいにく雲が出て、海に沈む夕日は撮れなかった。
しかし、それでもあかね色に染まる空と海は美しい。






取材を終え、ホテルの部屋へ。
ダブルベッドがどーんとふたつ。広いバスルームには、バスタブとシャワーが別々に。
仕切りは透明ガラス。あな、豪華。


ひとりでは広すぎ・・・・・・・・・。



バスルームから寝室が見える。



シャンプーなんかもおしゃれ。



こんな広い部屋にひとりというのは落ち着かない。
ディレクターのT氏とカメラマンのH君は同室。男ふたりというのも、奇妙な感じだろうなぁ。
仕事で泊まるホテルじゃないな、やっぱり。

あしたは5時起きでタレントさんをお出迎えだ!







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Last updated  2004.10.28 15:04:07
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