JEWEL
日記・グルメ・小説のこと715
読書・TV・映画記録2704
連載小説:Ti Amo115
連載小説:VALENTI151
連載小説:茨の家43
連載小説:翠の光34
連載小説:双つの鏡219
完結済小説:桜人70
完結済小説:白昼夢57
完結済小説:炎の月160
完結済小説:月光花401
完結済小説:金襴の蝶68
完結済小説:鬼と胡蝶26
完結済小説:暁の鳳凰84
完結済小説:金魚花火170
完結済小説:狼と少年46
完結済小説:翡翠の君56
完結済小説:胡蝶の唄40
完結済小説:琥珀の血脈137
完結済小説:螺旋の果て246
完結済小説:紅き月の標221
火宵の月 二次創作小説7
連載小説:蒼き炎(ほむら)60
連載小説:茨~Rose~姫87
完結済小説:黒衣の貴婦人103
完結済小説:lunatic tears290
完結済小説:わたしの彼は・・73
連載小説:蒼き天使の子守唄63
連載小説:麗しき狼たちの夜221
完結済小説:金の狼 紅の天使91
完結済小説:孤高の皇子と歌姫154
完結済小説:愛の欠片を探して140
完結済小説:最後のひとしずく46
連載小説:蒼の騎士 紫紺の姫君54
完結済小説:金の鐘を鳴らして35
連載小説:紅蓮の涙~鬼姫物語~152
連載小説:狼たちの歌 淡き蝶の夢15
薄桜鬼 腐向け二次創作小説:鬼嫁物語8
薔薇王転生パラレル小説 巡る星の果て20
完結済小説:玻璃(はり)の中で95
完結済小説:宿命の皇子 暁の紋章262
完結済小説:美しい二人~修羅の枷~64
完結済小説:碧き炎(ほむら)を抱いて125
連載小説:皇女、その名はアレクサンドラ63
完結済小説:蒼―lovers―玉(サファイア)300
完結済小説:白銀之華(しのがねのはな)202
完結済小説:薔薇と十字架~2人の天使~135
完結済小説:儚き世界の調べ~幼狐の末裔~172
天上の愛 地上の恋 二次創作小説:時の螺旋7
進撃の巨人 腐向け二次創作小説:一輪花70
天上の愛 地上の恋 二次創作小説:蒼き翼11
薄桜鬼 平安パラレル二次創作小説:鬼の寵妃10
薄桜鬼 花街パラレル 二次創作小説:竜胆と桜10
火宵の月 マフィアパラレル二次創作小説:愛の華1
薄桜鬼 現代パラレル二次創作小説:誠食堂ものがたり8
薄桜鬼 和風ファンタジー二次創作小説:淡雪の如く6
火宵の月腐向け転生パラレル二次創作小説:月と太陽8
火宵の月 人魚パラレル二次創作小説:蒼き血の契り0
黒執事 火宵の月パラレル二次創作小説:愛しの蒼玉1
天上の愛 地上の恋 昼ドラパラレル二次創作小説:秘密10
黒執事 現代転生パラレル二次創作小説:君って・・3
FLESH&BLOOD 二次創作小説:Rewrite The Stars6
PEACEMAKER鐵 二次創作小説:幸せのクローバー9
黒執事 韓流時代劇風パラレル二次創作小説:碧の花嫁4
火宵の月 BLOOD+パラレル二次創作小説:炎の月の子守唄1
火宵の月 芸能界転生パラレル二次創作小説:愛の華、咲く頃2
火宵の月 ハーレクインパラレル二次創作小説:運命の花嫁0
火宵の月 帝国オメガバースパラレル二次創作小説:炎の后0
黒執事 フィギュアスケートパラレル二次創作小説:満天5
薄桜鬼 昼ドラオメガバースパラレル二次創作小説:羅刹の檻10
黒執事 異世界ファンタジーパラレル二次創作小説:碧の騎士2
薄桜鬼ハリポタパラレル二次創作小説:その愛は、魔法にも似て5
薄桜鬼 現代妖パラレル二次創作小説:幸せを呼ぶクッキー8
黒執事 転生パラレル二次創作小説:あなたに出会わなければ5
薄桜鬼 現代ハーレクインパラレル二次創作小説:甘い恋の魔法7
薄桜鬼異民族ファンタジー風パラレル二次創作小説:贄の花嫁12
火宵の月 現代転生パラレル二次創作小説:幸せの魔法をあなたに3
火宵の月 転生オメガバースパラレル 二次創作小説:その花の名は10
黒執事 異民族ファンタジーパラレル二次創作小説:海の花嫁1
PEACEMAKER鐵 韓流時代劇風パラレル二次創作小説:蒼い華14
YOI火宵の月パロ二次創作小説:蒼き月は真紅の太陽の愛を乞う2
火宵の月 異世界ファンタジーパラレル二次創作小説:炎の巫女0
火宵の月 韓流時代劇ファンタジーパラレル 二次創作小説:華夜18
火宵の月 昼ドラ大奥風パラレル二次創作小説:茨の海に咲く華2
火宵の月 転生航空風パラレル二次創作小説:青い龍の背に乗って2
火宵の月×呪術廻戦 クロスオーバーパラレル二次創作小説:踊1
火宵の月×薔薇王の葬列 クロスオーバー二次創作小説:薔薇と月0
金カム×火宵の月 クロスオーバーパラレル二次創作小説:優しい炎0
火宵の月×魔道祖師 クロスオーバー二次創作小説:椿と白木蓮0
薔薇王韓流時代劇パラレル 二次創作小説:白い華、紅い月10
火宵の月 遊郭転生昼ドラパラレル二次創作小説:不死鳥の花嫁1
火宵の月 現代転生パラレル二次創作小説:それを愛と呼ぶなら1
FLESH&BLOOD 千と千尋の神隠しパラレル二次創作小説:天津風5
鬼滅の刃×火宵の月 クロスオーバーパラレル二次創作小説:麗しき華1
薄桜鬼腐向け西洋風ファンタジーパラレル二次創作小説:瓦礫の聖母13
薄桜鬼 ハーレクイン風昼ドラパラレル 二次小説:紫の瞳の人魚姫20
火宵の月 異世界ファンタジーパラレル二次創作小説:黄金の楽園0
火宵の月 昼ドラ転生パラレル二次創作小説:Ti Amo~愛の軌跡~0
火宵の月 異世界ファンタジーパラレル二次創作小説:鳳凰の系譜0
火宵の月 異世界ファンタジーパラレル二次創作小説:鳥籠の花嫁0
火宵の月 異世界ファンタジーパラレル二次創作小説:蒼き竜の花嫁0
火宵の月 異世界ファンタジーパラレル二次創作小説:月の国、炎の国1
火宵の月 異世界ファンタジーパラレル二次創作小説:碧き竜と炎の姫君0
コナン×薄桜鬼クロスオーバー二次創作小説:土方さんと安室さん6
薄桜鬼×火宵の月 平安パラレルクロスオーバー二次創作小説:火喰鳥6
ツイステ×火宵の月クロスオーバーパラレル二次創作小説:闇の鏡と陰陽師4
陰陽師×火宵の月クロスオーバーパラレル二次創作小説:君は僕に似ている3
黒執事×ツイステ 現代パラレルクロスオーバー二次創作小説:戀セヨ人魚2
黒執事×薔薇王中世パラレルクロスオーバー二次創作小説:薔薇と駒鳥27
火宵の月 転生昼ドラパラレル二次創作小説:それは、ワルツのように1
薄桜鬼×刀剣乱舞 腐向けクロスオーバー二次創作小説:輪廻の砂時計9
F&B×火宵の月 クロスオーバーパラレル二次創作小説:海賊と陰陽師1
火宵の月×薄桜鬼クロスオーバーパラレル二次創作小説:想いを繋ぐ紅玉54
バチ官腐向け時代物パラレル二次創作小説:運命の花嫁~Famme Fatale~6
火宵の月 昼ドラハーレクイン風ファンタジーパラレル二次創作小説:夢の華0
火宵の月 現代ファンタジーパラレル二次創作小説:朧月の祈り~progress~1
火宵の月 現代転生パラレル二次創作小説:ガラスの靴なんて、いらない2
黒執事×火宵の月 クロスオーバーパラレル二次創作小説:悪魔と陰陽師1
火宵の月 吸血鬼オメガバースパラレル二次創作小説:炎の中に咲く華1
火宵の月 異世界ファンタジーパラレル二次創作小説:黎明を告げる巫女0
火宵の月 異世界ファンタジーパラレル二次創作小説:光の皇子闇の娘0
火宵の月 異世界ファンタジーパラレル二次創作小説:闇の巫女炎の神子0
火宵の月 戦国風転生ファンタジーパラレル二次創作小説:泥中に咲く1
火宵の月 和風ファンタジーパラレル二次創作小説:紅の花嫁~妖狐異譚~2
火宵の月 地獄先生ぬ~べ~パラレル二次創作小説:誰かの心臓になれたなら2
PEACEMEKER鐵 ファンタジーパラレル二次創作小説:勿忘草が咲く丘で8
FLESH&BLOOD ハーレクイン風パラレル二次創作小説:翠の瞳に恋して20
天官賜福×火宵の月 旅館昼ドラクロスオーバーパラレル二次創作小説:炎の宿1
火宵の月 異世界ハーレクインファンタジーパラレル二次創作小説:花びらの轍0
火宵の月 異世界ファンタジーロマンスパラレル二次創作小説:月下の恋人達1
火宵の月 異世界軍事風転生ファンタジーパラレル二次創作小説:奈落の花1
FLESH&BLOOD ファンタジーパラレル二次創作小説:炎の花嫁と金髪の悪魔6
名探偵コナン腐向け火宵の月パラレル二次創作小説:蒼き焔~運命の恋~1
火宵の月 千と千尋の神隠し風パラレル二次創作小説:われてもすえに・・0
薄桜鬼腐向け転生刑事パラレル二次創作小説 :警視庁の姫!!~螺旋の輪廻~15
FLESH&BLOOD ハーレクイロマンスパラレル二次創作小説:愛の炎に抱かれて10
PEACEMAKER鐵 オメガバースパラレル二次創作小説:愛しい人へ、ありがとう8
FLESH&BLOOD 現代転生パラレル二次創作小説:◇マリーゴールドに恋して◇2
火宵の月×天愛クロスオーバーパラレル二次創作小説:翼がなくてもーvestigeー0
黒執事 昼ドラ風転生ファンタジーパラレル二次創作小説:君の神様になりたい4
薄桜鬼腐向け転生愛憎劇パラレル二次創作小説:鬼哭琴抄(きこくきんしょう)10
火宵の月×ハリー・ポッタークロスオーバーパラレル二次創作小説:闇を照らす光0
火宵の月 現代転生フィギュアスケートパラレル二次創作小説:もう一度、始めよう1
火宵の月 異世界ハーレクインファンタジーパラレル二次創作小説:愛の螺旋の果て0
火宵の月 異世界ファンタジーハーレクイン風パラレル二次創作小説:愛の名の下に0
火宵の月 和風転生シンデレラファンタジーパラレル二次創作小説:炎の月に抱かれて1
火宵の月×刀剣乱舞転生クロスオーバーパラレル二次創作小説:たゆたえども沈まず1
相棒×名探偵コナン×火宵の月 クロスオーバーパラレル二次創作小説:名探偵と陰陽師0
火宵の月×薄桜鬼 和風ファンタジークロスオーバーパラレル二次創作小説:百合と鳳凰2
火宵の月 異世界ファンタジーハーレクイン風昼ドラパラレル二次創作小説:砂塵の彼方0
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素材は、湯弐様からお借りしました。「火宵の月」「ツイステッドワンダーランド」二次小説です。作者様・出版社様・制作会社様とは一切関係ありません。有匡様が闇堕ちする描写が含まれます、また一部暴力・残酷描写有りですので苦手な方はご注意ください。「そんな事言ったって、アトランティカ記念博物館は海の底にあるんだぞ!?どうやって行くんだよ!?」「次元通路を開く。」 有匡はそう言うなり祭文を唱え、容易く次元通路を開き、アトランティカ記念博物館へと向かった。(これか・・) 有匡は、博物館の入口付近に飾られている一枚の写真を手に取った。(意外と簡単だったな・・) 彼がそう思いながら出て行こうとした時、大きな影が二つ見えたような気がした。「あ~、やっぱり来たぁ。」「ようこそ、海底の世界は如何です?」 そう言いながら有匡の前に現れたのは、フロイドとジェイドだった。「お前達、その姿は?」「俺達、人魚だから~、本来の姿に戻っただけだよ。」 ウツボの人魚姿となったフロイドは、そう言って笑った。「わたしの邪魔をしに来たか。」「簡単に条件をクリアにされちゃ困るんだよね。日没まで、俺達と追いかけっこしよっか~!」 フロイドは鋭い歯を閃かせると、ジェイドと目配せした。(クソ、このままでは埒が明かん・・)「いでよ、大釜!」「おい、俺に当たりそうだっただろう!」 エースとデュースの声がしたので、有匡が背後を振り向くと、そこにはエースとデュース、グリム、そして見知らぬ少年の姿があった。「お前達・・」「こいつらの事だから、あんたの邪魔をするんだろうと思って、助太刀をしに来たんだ。」「オンボロ寮もこいつらに取り上げられたから、俺も協力するんだゾ!」「は?どういう事だ?」 グリムは、有匡がアズールと契約した直後、フロイドとジェイドによってオンボロ寮から追い出され、今はサバナクロー寮で世話になっているのだという。「それで、こいつは?」「こいつは、サバナクロー寮生の、ジャック=ハウル。」「あんたが、アリマサか。よろしくな。」「あぁ、こちらこそよろしく・・」「自己紹介する暇があるなんて、余裕じゃん?」 フロイドはニヤニヤと笑うと、有匡達に向かって魔法を放った。 だが、彼の魔法は有匡によって弾かれた。「な・・」「お前達、頭の上のイソギンチャクが消えているぞ!」 ジャックはそう叫ぶと、グリム達の頭を指した。「レオナ達がやってくれたんだ!」「どういう事だよ、それ!?」「フロイド、一旦ラウンジに戻りましょう。何かがラウンジで起きているようです。」「チェッ、わかったよ、行こう。」 ジェイドとフロイドがアトランティカ記念博物館から去った後、有匡達も彼らの後を追ってモストロ=ラウンジへと向かった。「何だこれ・・」 彼らの前に広がっていたのは、黒い“何か”に包まれたラウンジだった。「ジェイド、フロイド、あぁ、やっと戻って来てくれたんですね。そこの馬鹿どもに僕がこつこつ貯めていた力を消されてしまったんですよ。」 漆黒に包まれたラウンジの中央で、アズールはそう言いながら、爛々と光る碧い瞳で有匡達を見た。「僕に下さい・・全部、僕に下さいよぉ~!」 そう叫んだ彼の全身から、黒い“何か”が出て来た。「アズール、それ以上力を使ったら・・」 ポタポタと、何かが滴り落ちる音がした後、黒い“何か”がアズールを包んだ。 アズールは、黒いタコの姿となっていた。 彼の全身からは、禍々しい“気”を放っていた。(これが、オーバー=ブロットか・・) リドルの時とは桁違いの禍々しい“気”がアズールの全身を包み、徐々にそれが彼の精神を蝕んでいるのを有匡は感じた。「アズールを早く正気に戻さないといけませんね。」「そうだね、ジェイド。」「監督生さん、あなたも協力して下さいね。」「仕方無いな・・」 有匡は溜息を吐いた後、祭文を唱え、アズールの攻撃を防いだ。「僕の邪魔をするなぁっ!」「くっ・・」 有匡がアズールにおされていると、そこへ文観がやって来た。「助太刀致しますよ、義兄上。」「貴様、何のつもりだ?」「このままでは埒が明かないので、二人で彼を鎮めましょう。」「いいだろう。」 文観と有匡がアズールを鎮めた後、有匡はアズールの精神下に潜った。にほんブログ村
2024.03.10
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素材は、湯弐様からお借りしました。「火宵の月」「ツイステッドワンダーランド」二次小説です。作者様・出版社様・制作会社様とは一切関係ありません。有匡様が闇堕ちする描写が含まれます、また一部暴力・残酷描写有りですので苦手な方はご注意ください。(火月、そこに居るのか?)有匡が目を凝らして水槽の中を見ようとした時、高らかな靴音がラウンジ内に響いた。「哀れなイソギンチャクの皆さん、オクタヴィネル寮へようこそ。僕は、オクタヴィネル寮長の、アズール=アーシェングロットと申します。さて、契約違反をした皆さんには、このモストロ=ラウンジで僕の手足となって働いて貰います。」そう言った銀髪の少年は、碧い瞳で冷たく頭にイソギンチャクを生やした生徒達を見下ろした。「僕は色々と忙しいので、君達の教育係を務めるのは、ジェイドとフロイドです。」彼の紹介で有匡達の前に出て来たのは、同じ顔をした長身の二人の少年だった。(さっきのは、一体何だったんだ?確かに、火月の“気”を感じた・・)「おやおや、あなたは入学式で騒動を起こした方ですね。」銀髪の少年―アズールは、そう言って有匡を見た。「あ~、綺麗な髪~、赤くて海老みたいじゃん・・」シャツをはだけさせた双子の片割れ―フロイドがそう言って有匡にあだ名をつけようとしたが、有匡に睨まれたのでやめた。「わたしに何か用か?」「僕ではなく、“彼”があなたに用があるそうですよ。」「“彼”?」「おや、奇遇ですね。このような所でお会いできるなんて、嬉しいです、有匡殿―いや、義兄上とお呼びすべきでしょうか?」そう言ってオクタヴィネルの寮服に身を包んだ殊音文観が有匡の前に現れた。「文観、何故ここに居る?」「色々とありましてね。それよりも、義姉上達はお元気ですか?」「・・貴様には関係のない事だろう。」「おや、そうでしょうか?」文観はそう言って笑うと、祭文を唱えた。すると、水槽の中に火月と子供達の姿が映った。「火月、雛、仁!」有匡は必死に彼らに呼び掛けたが、彼らの姿はすぐに消えてしまった。「文観、あの方達は?」「有匡殿の妻子ですよ。彼らは今、S.T.Y.X(ステゥークス)に囚われてしまっているようです。」「何だ、そこは!?」「さぁ、わたしにもわかりません。それよりも、その髪はどうなさったのです?髪の様子から見て、染めてはいないようですが・・」「知らん、今朝起きたらこうなっただけだ。」有匡はそう言って自分の髪を触ろうとする文観の手を軽く払った。「文観さん、こちらの方とはお知り合いなのですか?」「知り合いも何も、有匡殿の妹君はわたしの妻なんですよ。まぁ、有匡殿とは“色々”とありましたけど。さてと、今有匡殿は悩みを抱えているご様子。」文観は、そう言うとアズールに目配せした。「お前達の茶番に付き合ってられるか。」有匡がそう言ってソファから立ち上がろうとした時、アズールの傍に立っていた筈の双子が、彼の前に立ち塞がった。「俺達はぁ、親切であんたの話を聞いてあげようとしているのねぇ、ジェイド?」「ええ、フロイド。悩みは、溜め込まずに打ち明けた方が楽ですよ。」そう言ってジェイドは、有匡を見た。「さぁ、怖がらないで、僕だけを見て・・」(何だ、意識が・・)ジェイドのユニーク魔法にかかった有匡は、今の心情をアズール達に吐露してしまった。「どんな手を使っても、火月達を・・妻と子供達を救いたい。」「そうですか。少々こみいった事情がおありのようなので、VIPルームへどうぞ。」アズール達と共にモストロ=ラウンジのVIPルームに入った有匡は、脳裏にある映像が浮かんで来た事に気づいた。―・・被験体は、すみやかに・・―まだ、処分は・・あの時、邸を襲った男達と同じ服装をした数人の男女が鏡のようなもので火月と双子の様子を見ていた。―先生、助けて・・「どうかなさいましたか、アリマサさん少し顔色が悪いですよ?」「何でもない。」「では早速、取引しましょうか。今から三日後の日没までに、珊瑚の海にあるアトランティカ記念博物館からリエーレ王子の写真を僕に渡して下さい。無事写真を手に入れられたら、あなたをご家族に会わせて差し上げましょう。ですが、出来なければ・・おわかりですね?」「わかった。」「そうだ、対価を頂くのを忘れていました。そうですね・・その炎のように美しい髪はどうです?」―先生・・「いいだろう。」「では、こちらの契約書にサインを。」「わかった。」有匡はアズールから受け取った骨の形をしたペンで、黄金色の契約書に己の名を記した。すると、腰下まであった髪の重さが急に軽くなった。「フナッ、お前ぇその髪、どうしちまったんだゾ!?」「もしかして、アズールと契約したのか?」「あぁ。アトランティカ記念博物館から一枚の写真を三日後の日没までにアズールの元へと持って行くだけだ。」「え、じゃぁ・・」「お前達は付き合わなくていい。これは、わたしだけの問題だ。」にほんブログ村
2024.02.08
素材は、湯弐様からお借りしました。「火宵の月」「ツイステッドワンダーランド」二次小説です。作者様・出版社様・制作会社様とは一切関係ありません。有匡様が闇堕ちする描写が含まれます、また一部暴力・残酷描写有りですので苦手な方はご注意ください。リドルの横暴ぶりにハーツラビュルの寮生達が彼に反旗を翻し、激昂したリドルがオーバー=ブロット、所謂“闇堕ちバーサーカー”状態に陥ってしまった。精神崩壊は何とか免れたが、リドルの意識はオーバー=ブロットして数日経っても戻らなかった。「このままだと、リドルの生命が・・」「医療の力には限界がある。」「失礼。」有匡はそう言うと、リドルの額に手を当てた。(微かに生気を感じる。)「なぁ、何か手はあるのか?」「彼の精神下に潜る。」「何ですって!?他人の魂の中に入るなんて、どんなに修業した魔法士すら無理だと言うのに・・」「一か八か、やってみないとわからないでしょう。」有匡はそう言った後、祭文を唱え、リドルの精神下に潜入した。そこで見たものは、母親に生活の全てを管理された、リドルの心の叫びと、深い孤独だった。―友達が、欲しいだけなのに。「友達なら、お前の帰りを待っている。」―本当?「あぁ、だから帰ろう。」有匡は、そう言って小さなリドルの手を握った。「ん・・」「リドル、良かった!」「監督生、凄ぇ!」リドルの命を救った有匡は、オンボロ寮へと引っ越す事になった。「ここか。名の通り、古いな。」そう言いながら数少ない荷物をオンボロ寮へと有匡が運び込むと、そこには先客が居た。「お前、ここは俺様の部屋なんだゾ!」寝室に居たのは、尻尾が鈎型をした猫だった。「俺様はグリム、さっさとツナ缶を寄越すんだゾ!」「黙れ。」「フナァ~!」こうして、有匡と奇妙な猫・グリムとの共同生活が始まった。「おはよう監督生!」「また、お前達か。」朝食を取りに大食堂へと向かった有匡は、そう言ってエースとデュースを見て溜息を吐いた。「なぁ監督生、オンボロ寮にはゴーストが居るんだろう?」「あぁ、うるさいから黙らせた。」「え・・」昨夜、有匡が寝ようとしたらゴーストたちが騒いだので、“力”をぶつけて彼らを黙らせた。「寮長の様子はどうだ?」「オバブロする前より少し丸くなったかなぁ。」「そうか。」「あ~、もうすぐ期末テストかぁ~。」「期末テスト?」「監督生はその様子だと余裕なんだろうな。」「は?わたしは受けんぞ。下らん試験よりも、大切な事を・・」「いけませんよ~、いくら魔力が高いからって、わたしはあなたを特別扱いしませんからね。わたし、優しいので!」(下らん、何が試験だ。)そう思いながらも、有匡は期末テストで全学年2位の成績を取った。―誰か、助けて・・闇の中から、誰かの声がした。有匡が目を開けると、そこには助けを求める火月の姿があった。「火月!?」―先生、助けて!自分に向かって手を伸ばそうとした火月の手を有匡が掴もうとした時、彼は夢から醒めた。(あれは、一体・・)「おはよう子分・・って、お前その髪どうしたんだゾ!?」「は?」グリムからそう指摘され、有匡が鏡を見ると、自分の髪が紅くなっている事に気づいた。「うわ、どうしたんだよ、その髪!?」「リドル寮長よりも真っ赤じゃん!」そう言ったエースとデュースの頭には何故かイソギンチャクが生えていた。「お前達、それは何だ?」「え~と、これには深い理由があって・・イテテ!」二人が急に痛みを訴えたので、有匡が怪訝そうに周囲を見渡すと、頭にイソギンチャクが生えた生徒達がある場所へと吸い込まれるかのように、ぞろぞろと大食堂から出て行った。「ここは?」「各寮に繋がる鏡舎だ。うわ、みんなオクタヴィネルの方へと引っ張られていく!」「おい!」 エース達に腕を掴まれ、有匡はオクタヴィネル寮へと足を踏み入れた。(何だ、ここは?まるで海底に居るかのような・・)有匡がそう思いながら水槽を眺めていると、水面に紅玉の耳飾りが光ったような気がした。にほんブログ村
2024.01.22
素材は、湯弐様からお借りしました。「火宵の月」「ツイステッドワンダーランド」二次小説です。作者様・出版社様・制作会社様とは一切関係ありません。有匡様が闇堕ちする描写が含まれます、また一部暴力・残酷描写有りですので苦手な方はご注意ください。二次創作・BLが嫌いな方は読まないでください。それは突然、始まった。いつものように自宅で土御門有匡が、妻・火月と二人の子供達と過ごしていると、結界内に侵入者が入って来た気配がした。「先生・・」「火月、子供達を連れて安全な場所へ・・」「きゃぁっ!」自分の背後から火月と子供達の悲鳴が聞こえ、有匡が振り向くと、そこには奇妙な服装をした数人の男達が火月達を拘束していた。「妻と子供達に何をする!」「こいつらを連れて行け!」「やめろ、彼女達に手を出すな!」有匡がそう叫んだ時、彼は背後から後頭部を何者かに殴られ、気絶した。微かな意識の中で有匡が覚えていたのは、狭い箱の中に閉じ込められた事だった。ガタガタ、と激しく揺れる音と共に、有匡が箱の蓋を乱暴に開けると、そこには見知らぬ場所で、自分達を襲った謎の男達とは少し違った服装の少年達の姿があった。「何だ、こいつ!?」「変な格好・・」(一体、ここは何処だ?火月達は・・)有匡が周囲の現状がわからず混乱していると、そこへ変な仮面をつけた男がやって来た。「おやおや、あなたが新入生の方ですか?それにしても、ちょっと老けて・・」有匡は耳元で煩く喚く仮面の男に向かって炎を放った。「ちょっと、何をするんですか!」「それはこちらの台詞だ!妻と子供達は何処に居る!?」「ひぃっ、落ち着いて下さい!」「学園長、こちらの方はどなたです?」軽やかな靴音と共に一人の少年が現れた。銀髪に碧い瞳をしたその少年は、じっと有匡を見つめた。「こちらの方を、どちらの寮に入れるおつもりで?」「はっ、そうでした!ささ、こちらへどうぞ!」仮面の男は有匡の腕を掴むと、彼を大きな鏡の前へと連れていった。「何だ、この鏡は!?」『汝の魂には、僅かながら慈悲の心がある。しかし・・汝に相応しいのは、ハーツラビュル!』「おやおや、残念ですねぇ。」銀髪の少年は、そう言うとわざとらしく大きな溜息を吐いてみせた。(何なんだ、ここは?)意味がわからぬまま、有匡は赤毛の少年―リドル=ローズハート寮長が治めるハーツラビュル寮に世話になる事になったのだが―「僕が、いつだって正しいんだ~!」「リドル~!」にほんブログ村
2024.01.01