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カテゴリ:クロムウェル カーライル著&天路歴程
読者はこの演説筆記を頭を痛めて読んだことであろう。そして少しは了解出来るのに驚いたことであろう。記者〔カーライル〕もまたやっとでこれを読んで、かかる演説筆記が世に認められないので、無意味として埋もれていたのに驚いた。クロムウェルは予備などをしないで、思想を発するままに即席の演説をする人であった故、思想は心にも溢れても言辞はすこぶる蕪雑なものであった。そして後には自分でも記憶しておらぬのだ。しかし聴衆にはよく解ったのである。これを不可解だと罵るのは、人間が段々愚かになってくる次代以後の事である。聴衆によく解ったというのは表情や語調の助けによるのだがー元来かかる演説がわかるには、少しは演説者の精神をも知らねば、大確信を焔と吐く人の演説の解らぬというのは、その人が不透明な人であるからである。 例の文士がこの演説を批評した語を引用してみよう〔訳者注、実はカーライル自身の批評である〕。 「訳の解った読者はこの演説を解し得るであろう。一生懸命にこれを解読する人は、これが解し得べく信じ得べき者となって、真実、深刻、豪気の閃華を発するであろう。オリバーの演説は彼の精神の著しく発せられたものである、-これぞ全ての言説の根本義ではないか、オリバーを訥弁家と呼ばんか、彼こそ真正なる雄弁家ではないか。 『雄弁術とよ、雄弁術とよ、雄弁術とはある事を正直に語ることである。然るにこの外に雄弁の方法をかれこれ言うがごときは、誤れるの甚だしきものである。やれ立派な演説をしたとか、立派な本を書いたとかー愚や極まっている。むしろ沈黙して事を実行するにしかず。真実を行う人のみ、他人より謹聴せらるる資格を有するのである。 『世に虚偽の弁ほど悪しきものはない、人間という者は、ノブリスの言うたように言語の権化であって、ただしゃべるために生れたもので、外に目的はないのであろうか。二本脚の雄弁術のバケモノなどは実に恐ろしい。自分は雄弁術を知らぬオリバーを好む。』 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2012年08月24日 02時11分41秒
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