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カテゴリ:報徳記&二宮翁夜話
夫れ里正の任たるや一村の長となり、邑民を進退し、能く之を治め、曲れるものは厚く教へて直からしめ、邪なるものは之を戒めて正しからしめ、惰農なるもの之を励まし、貧なるものは之を恵み、身に便りなきものをば之を憐み、細民をして法度を守り、汚俗に流れず、専ら勤農して貢を納め、一村の憂なからしむるもの之れ里正の任なり。汝祖先以来代々里正となり、一邑の盛衰安危皆汝の身にあり。而して下民怠惰に流れ、衰貧極り、或は潰れ、或は離散し、土地荒蕪し、戸数漸く数十軒のみ。是も亦極貧にして永続の道なく、貢税減少し、地頭の用足らず。野州広しといへども、斯の如く亡村に等しき村も少なかるべし。今汝之をこれ憂となさずんば何を以て里正の任に勝んや。一邑能く治り、土地開け、細民優かならば、其の功里正に帰す。土地荒蕪し、細民潰れ、貧困迫り、人気乱るゝ時は、里正の罪にあらずして誰にか帰せんや。地頭之を憂ひ、数年の力を尽し、旧復の方法を下し玉ふといへども其の験しなく、遂に小田原へ歎願せられ、小田原侯より興復の道を尽されしも、弥々衰弊に流れ、引立の色顕はれず。我れ命を奉じ出張せしより以来、廃れたるを興し、民を恵み、昼となく夜となく肝胆を砕き再復の道を施し、上君命を辱しめず、下邑民を安んぜんとするの外、他事なきことは汝も亦明かに知る所なり。
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最終更新日
2012年08月31日 06時43分23秒
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