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2014年09月15日
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【6】治国安民は主者の道にして臣たる道にあらざるを論ず
問(と)ふて曰(いは)く、治国(ちこく)安民(あんみん)は主者(しゆしや)の道(みち)にして、臣(しん)たる道(みち)にあらずとは何(なん)ぞや。曰(いは)く、日月(にちげつ)の下土(かど)を照臨(せうりん)するが如(ごと)く下(した)に臨(のぞ)んで仁(じん)を布(し)き行(おこな)ふが故(ゆゑ)なり。夫(そ)れ人君(じんくん)の国(くに)を治(おさ)め、民(みん)を安(やす)んずると、里正(りせい)の邑(むら)を治(をさむ)むると、農民(のうみん)の稼穡(かしよく)を為(な)すと、其(その)道(みち)異(こと)なるが如(ごと)くにして、其(その)理(り)は則(すなはち)一なり。曰(いは)く、人君(じんくん)の国民(こくみん)を安(やす)んずる如何(いかん)。曰(いは)く、日月(にちげつ)の国土(こくど)を照(てら)すや、開闢(かいびやく)より以来(いらい)幾(いく)万歳(まんさい)、循環(じゆんくわん)一日(にち)も息(ま)まずして万物(ばんぶつ)を生育(せいいく)す、故(ゆゑ)に森羅万象(しんらばんしやう)生々(せいせい)して限(かぎ)りなし、大(だい)なる哉(かな)天道(てんだう)也(なり)。聖人(せいじん)之に則(のつと)りて、以(もつ)て道(みち)を立(た)て、仁君(じんくん)之(これ)に由(よ)つて、以(もつ)て万民(ばんみん)の憂苦(いうく)を除(のぞ)き、之(これ)を撫育(ぶいく)し之(これ)を教導(けうだう)す。故(ゆゑ)に衆庶(しゆうしよ)其(その)業(げふ)に安(やすん)んじ、家々(いへいへ)足(た)り戸々(こゝ)給(きふ)し、父母(ふぼ)妻子(さいし)を養(やしな)ひ、風俗(ふうぞく)自(みずか)ら淳厚(じゆんこう)にして、礼節(れいせつ)を守(まも)り、信義(しんぎ)を行(おこな)ひ、君恩(くんおん)を感戴(かんたい)して、国(くに)安(やす)く、禍乱(くわらん)起(おこ)らず、災害(さいがい)臻(いた)らず。然(しか)れども猶(なほ)恩沢(おんたく)の下(しも)に普(あまね)からざるを憂(うれ)ひ、一人(いちにん)困苦(こんく)を免(まぬが)れざるものあれば、是(これ)我(わが)罪(つみ)なり。一人(いちにん)道(みち)を守(まも)らざるものあれば、是(これ)我(わ)が過(あやまち)なりと、自(みづか)ら責(せ)め、自(みづか)ら勤(つと)む、故(ゆゑ)に下民(かみん)安(やす)んじて後(のち)、人君(じんくん)始(はじ)めて安(やす)く、下民(かみん)歓喜(くわんき)して、後(のち)人君(じんくん)始(はじ)めて悦(よろこ)ぶ。下民(かみん)の安危(あんき)・国家(こくか)の盛衰(せいすゐ)、一に人君(じんくん)の一身(しん)に繫(かゝ)れり。余(よ)が仕法(しはふ)は日月(にちげつ)の国土(こくど)を照(てら)し、万物(ばんぶつ)を生々(せいせい)するが如(ごと)く、聖賢(せいけん)下民(かみん)を治(をさ)むるの道(みち)なり。是(これ)を以(もつ)て諸民(しよみん)の安(やす)んずる所(ところ)を与(あた)へ、其(その)憂苦(いうく)する所(ところ)を除(のぞ)き、永(なが)く貧困(ひんこん)の憂(うれひ)を免(まぬが)れしむ。是(この)故(ゆゑ)に家(いへ)なきを憂(うれ)ふるものには、家(いへ)を与(あた)へ、食(しよく)なきを憂(うれ)ふるものには、食(しよく)を与(あた)へ、農具(のうぐ)なきを憂(うれ)ふるものには、農具(のうぐ)を与(あた)へ、或(あるひ)は借財(しやくざい)の為(ため)に苦(くる)しむものには、無利息(むりそく)金(きん)を以(もつ)て其(その)借(かり)を償(つぐな)はしめ、或(あるひ)は田圃(でんほ)少(すくな)きものには、荒蕪(くわうぶ)を開きて之(これ)を足(た)し、或(あるひ)は道(みち)を築(きづ)きて、通路(つうろ)を安(やす)からしめ、溝洫(かうきよく)を浚(さら)へて、潅水(くわんすい)の便(べん)を得(え)せしめ、総(そう)じて民(たみ)の安(やす)んずる所以(ゆゑん)のもの、施(ほどこ)さゞるなし。故(ゆゑ)に下民(かみん)欲(ほつ)する所(しよ)を得(え)て、其(その)生(せい)を楽(たのし)み、汚俗(をぞく)一洗(せん)して、勤業(きんげふ)淳厚(じゆんこう)の民(たみ)と化(か)し、衰邑(すゐいふ)再復(さいふく)して富盛(ふせい)を得(う)るに至(いた)る。邑々(むらむら)斯(かく)の如(ごと)くなれば、国家(こくか)の興復(こうふく)、年(とし)を期(き)して待(ま)つべきのみ。是(こ)れ人(じん)君(くん)の道(みち)にして豈(あに)人臣(じんしん)の道(みち)ならんや。曰(いは)く、人(じん)君(くん)の道(みち)なること、既(すで)に命(めい)を聞(き)けり。敢(あへ)て問(と)ふ、里正(りせい)の道(みち)如何。曰(いは)く、それ里正(りせい)の任(にん)たるや、一邑(いふ)を指揮(しき)し、善悪(ぜんあく)邪正(じやせい)を察(さつ)し、之(これ)を正(ただ)し之(これ)を戒(いまし)め、歳々(さいさい)の貢税(こうぜい)を集(あつ)めて、君(きみ)に納(をさ)む。一邑(いふ)の進退(しんたい)里正(りせい)の任(にん)たり。故(ゆゑ)に里正(りせい)仁(じん)心(しん)ありて自(みづか)ら勤労(きんらう)し、以(もつ)て下民(かみん)に先立(さきた)ち分(ぶん)を守(まも)り、有余(いうよ)を譲(ゆづ)り、邑民(いふみん)の貧窮(ひんきゆう)を憐(あはれ)み、之(これ)を恵(めぐ)み、之(これ)を救(すく)ひ、其(その)不足(ふそく)を足(た)し、其(その)憂(うれふ)る所(ところ)を除(のぞ)き、其(その)悦(よろこ)ぶ所(ところ)を与(あた)え、恩(おん)を施(ほどこ)して、更(さら)に其(その)報(むく)ひを求(もと)めず、人(ひと)を利(り)して己(おのれ)の利(り)を計(はか)らず、邑民(いふみん)を安(やす)んずるを以(もつ)て、己(おのれ)の専務(せんむ)と為(な)さば、老若(らうにやく)男女(だんぢよ)皆(みな)感動(かんどう)して、其(その)労(らう)を忘(わす)れ、其(その)業(げふ)を励(はげ)み、米粟(べいぞく)を生(しやう)ずる限(かぎ)りなく、家々(いへいへ)富(とみ)を得(え)て安(やす)んずるに至(いた)る。里正(りせい)は一村(そん)の主(しゆ)たり。故(ゆゑ)に我(わ)が仕法(しはふ)を行(おこな)ふときは其(その)行(おこな)ひ易(やす)きこと、流水(りうすゐ)の卑(ひく)きに帰(き)するが如(ごと)し。曰(いは)く、里正(りせい)にして仕法(しはふ)を行(おこな)ふは一村(そん)の主(しゆ)たるが故(ゆゑ)に行(おこな)ひ易(やす)きこと、既(すで)に命(めい)を聞(き)けり。敢(あへ)て問(と)ふ。農夫(のうふ)の道(みち)これに同(おな)じきは如何(いかん)。曰(いは)く、農夫(のうふ)の五穀(こく)を作(つく)るや、寒暑(かんしよ)の難(なん)を避(さ)けず、風雨(ふうう)霜雪(さうせつ)の苦(く)を憂(うれ)へず。春(はる)は耕(たがや)して五穀(こく)の為(た)めに、其(その)深(ふか)からざるを憂(うれ)ひ、夏(なつ)は耘(くさぎ)りて、五穀(こく)の為(た)めに其(その)尽(つく)さゞるを憂(うれ)ひ、又(また)糞養(ふんやう)生育(せいいく)の力足(た)らざるを憂(うれ)ひ、周年(しうねん)勤動(きんどう)して聊(いささか)も怠(おこた)らず、専(もつぱ)ら田圃(でんほ)五穀(こく)の為(た)めのみを計(はか)りて、更(さら)に安逸(あんいつ)を求(もと)めず、故(ゆゑ)に田圃(でんほ)糞養(ふんやう)を得(え)、五穀(こく)繁茂(はんも)して結実(けつじつ)豊(ゆた)かなり。農夫(のうふ)我(わ)が仕法(しはふ)を以(もつ)て田圃(でんほ)に施(ほどこ)さば実(み)のらざるの五穀(こく)なし。是(これ)人君(じんくん)身(み)を忘(わす)れ民(たみ)の為(ため)に万苦(ばんく)を嘗(な)め、国民(こくみん)を安撫(あんぶ)するを以(もつ)て職(しよく)と為(な)し、里正(りせい)身(み)を忘(わす)れ、邑民(いふみん)を撫育(ぶいく)し、其(その)妻妾(さいせふ)僕婢(ぼくひ)に臨(のぞ)んで、愛憐(あいれん)の心(こゝろ)厚(あつ)ければ、順和(じゆんわ)礼譲(れいじやう)興(おこ)り、一家(か)の平安(へいあん)疑(うたがひ)なし。是(これ)故(ゆゑ)に仕法(しはふ)は仁術(じんじゆつ)なり。凡(およ)そ大小(だいせう)となく、上(かみ)より下(しも)に臨(のぞ)んで布(し)き行(おこな)はゞ、天(てん)の万物(ばんぶつ)を生(しやう)ずる如(ごと)く、恩沢(おんたく)限(かぎ)りなくして人事(じんじ)の憂患(いうくわん)消除(せうぢよ)し、安栄(あんえい)を得(う)るや必(ひつ)せり。然(しか)れども往々(わうわう)一身(しん)の栄利(えいり)を求(もとむ)るをもって益(えき)とし、人(ひと)の為(ため)に勤労(きんらう)するを以(もつ)て損(そん)となすものあり。若(も)し農夫(のうふ)一身(しん)の安逸(あんいつ)を求(もと)めて五穀(こく)の為(ため)に力(ちから)を尽(つく)さず、糞養(ふんやう)耕耘(こううん)の勤労(きんらう)を怠(おこた)れば、秋実(しうじつ)少(すくな)ふして来歳(らいさい)飢寒(きかん)の憂(うれひ)を免(まぬ)がれず。終(つひ)に家(いへ)を破(やぶ)り身(み)を失(うしな)ふに至(いた)る。一家(か)の主(しゆ)たるもの一身(しん)の利(り)を主(しゆ)とし、愛憐(あいれん)の道(みち)なければ、妻妾(さいせふ)僕婢(ぼくひ)の怨(うら)みを生(しやう)じ、紛々(ふんふん)として家(いへ)乱(みだ)る。里正(りせい)仁愛(じんあい)の心(こゝろ)なく、一身(しん)の利(り)を計(はか)り、財(ざい)を貪(むさぼ)り、邑民(いふみん)を虐(しへた)ぐるときは、忽(たちま)ち怨望(ゑんぼう)起(おこ)こり、随(したが)つて人心(じんしん)紊乱(びんらん)風俗(ふうぞく)敗頽(はいたい)し、田地(でんち)は荒蕪(くわうぶ)し、貢税(こうぜい)は減少(げんしやう)し、終(つひ)に人君(じんくん)の責罰(せきばつ)を蒙(かうむ)り、家(いへ)を失(うしな)い身(み)を亡(ほろぼ)す。人君(じんくん)若(も)し一身(しん)の栄利(えいり)を主(しゆ)とし聚斂(しうれん)を益(えき)として民(たみ)の艱難(かんなん)を顧(かへり)みず、仁恤(じんじゆつ)の行(おこなひ)なければ、民心(みんしん)乖離(くわいり)し、土地(とち)荒蕪(くわうぶ)して、国(くに)遂(つひ)に衰弊(すゐへい)す。嗚呼(あゝ)人(ひと)の憂(うれひ)を憂(うれ)ひ、人(ひと)の安(やす)きを願(ねが)うものは、己(おのれ)の幸(さいわ)ひ求(もと)めずして来(きた)り、己(おのれ)の幸(さいわひ)を求(もと)め、人(ひと)の憂(うれひ)を顧(かえり)みざるものは、常(つね)に亡(ほろ)ぶ。故(ゆゑ)に明君(めいくん)は人(にん)を利(り)して己(おのれ)の利(り)を計(はか)らず。恩(おん)を施(ほどこ)して、其(その)報(むくひ)を求(もと)めず。唯(たゞ)我(わ)が心労(しんろう)の足(た)らざるを憂(うれ)ひ、仁恤(じんじゆつ)の至(いた)らざるを恐(おそ)る。故(ゆゑ)に一世(せい)の間(あひだ)、徳政(とくせい)の顕然(けんぜん)たる而已(のみ)にあらず、美名(びめい)千歳(せんさい)に光輝(くわうき)す。里正(りせい)民(たみ)を愛(あい)して身(み)の幸(さいわひ)を計(はか)らず。民其(その)堵(と)に安(やす)んじて、幸福(かうふく)己(おのれ)に帰(き)するもの、猶(なほ)農夫(のうふ)五穀(こく)の為(ため)に勤労(きんらう)を尽(つく)して、秋実(しうじつ)の豊(ゆた)かなるを得(う)るが如(ごと)し。曰(いは)く、主者(しゆしや)の行(おこな)ふべき道(みち)なるは、既(すで)に命(めい)を聞(き)けり。独(ひと)り臣下(しんか)の行(おこな)うべからざるものは、何(なん)ぞや。曰(いは)く、仁術(じんじゆつ)を国民(こくみん)に布(し)き、衰廃(すゐはい)を挙(あ)げ百姓(ひやくしやう)を安(やす)んずるもの、固(もと)より人臣(じんしん)の職(しよく)にあらず、其(その)職(しよく)にあらずして行(おこな)ふときは、民心(みんしん)其(その)徳(とく)に懐(なつ)きて君(きみ)に離(はな)る。民心(みんしん)之(これ)に懐(なづ)くときは、群臣(ぐんしん)之(これ)を怨(うら)み、君(きみ)之(これ)を悪(にく)み、遂(つひ)に身(み)廃(はい)せられ、業(げふ)も亦(また)敗(やぶ)る、然(しか)して民(たみ)君(きみ)を怨(うら)み、君(きみ)民(ため)を咎(とが)むるの災(わざわひ)となる。





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最終更新日  2014年09月16日 03時37分27秒



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