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「パリスの審判」 ルーベンス画

イリオス（トロイア）王プリアモスの息子パリス（アレクサンドロス）が ヘーラー・アプロディーテー・アテーナーの三美神のうちで 誰が最も美しいかを判定したのです。

いわば ミス・コンテストです。

テティスとペーレウスの結婚を祝う宴席に全ての神が招かれましたが 争いの神エリスだけは 招かれなかったので 怒って宴席に乗り込み 「最も美しい女神に与える」 と言って 黄金の林檎を投げ入れたのです。

この林檎をめぐって ヘーラー・アプロディーテー・アテーナーが争い ゼウスは仲裁するために イリオス王プリアモスの息子で 現在はイデ山で羊飼いをしているパリスに判定させる ことにしました。これが 「パリスの審判」です。

女神たちは さまざまな約束をして パリスを買収しようとしました。

アテーナーは「戦いにおける勝利」、ヘーラーは「アシアの君主の座」を与えることを申し出たのですが 結局「最も美しい女を与える」としたアプロディーテーが勝ったのです。

(ヘレネー)

このイベントとは別に スパルタ王メネラーオスの妻となっていたヘレネーという女性が「最も美しい女」と言われて居りました。

これが イリオス攻め（トロイア戦争）の原因となったのです。

ヘレネーの画像を出して置きます。

(ヘレネーとパリス) 右がへレーネ

(ヘーラー)

ヘーラーは ギリシア神話に登場する女神。結婚・母性・貞節を司っています。

沿え名はガメイラ（結婚の）、ズュギア（縁結びの）、アルカディアでは パイス（乙女）、テレイア（成人の女性、妻）、ケラ（寡婦）の名も有るそうです。

特に最後の称号は神話と一致しないため いろいろな説明が行われましたが 起源は不明。聖鳥は孔雀。

元来は、アルゴス、ミュケーナイ、スパルタ等のペロポネーソス半島一帯に確固たる宗教的基盤を持っており、かつてアカイア人に信仰された地母神であったとされ、北方からの征服者との和合をゼウスとの結婚で象徴させたと考えられます。

ギリシア神話に登場する男神は 総じて女性にだらしがなく 夫であるゼウスは その代表格で そのため 結婚の守護神でもあるヘラは 嫉妬心が深く 彼の愛人や その間に生まれた子供に復讐する残酷な女神として描かれています。

神話ではクロノスとレアーの娘。ゼウスの姉にして正妻。オリュンポス十二神の一柱です。

オリュンポス十二神の中でも情報収集能力に優れ 夫ゼウスの浮気を迅速に察知するなど高い監視能力を発揮するのです。

また 意外と腕っぷしも強く トロイア戦争では敵対したアルテミスを素手で打ちのめす逸話もある位です。

なお クロノスはレアーとの間の子を殺そうとしたため オーケアノスとテーテュースが ヘーラーを預かって 世界の果てで養育したそうです。

(アプロディーテー)

アプロディーテーまたはアプロディタは「ヴィーナスさん達」に御登場願いました通り 愛・美・性を司るギリシア神話の女神で オリュンポス十二神の一柱です。

美の誇り高く パリスによる三美神の審判で 最高の美神として選ばれました。ところが また 戦の女神としての側面も持っているのです。

元来は オリエントや小アジアの豊穣の植物神・植物を司る精霊・地母神であったと考えられます。アプロディーテーは 生殖と豊穣、すなわち春の女神でもあったのです。

(アテーナー)

アテーナーは 知恵・芸術・工芸・戦略を司るギリシア神話の女神で オリュンポス十二神の一柱です。アルテミスと並んで処女女神として著名です。

女神の崇拝の中心はアテーナイですが 起源的には ギリシア民族がペロポネーソス半島を南下して勢力を伸張させる以前から 多数存在した城塞都市の守護女神であったと考えられております。

ヘレーネス（古代ギリシア人）は この神をギリシアの征服と共に 自分たちの神に組み込んだのです。

ギリシャ神話は面白いです。