本題に入る前に読書ノートの原則について幾つか決めておこうと思う。一つは、本を読み終えてこれを書くまでにあまり間を空けないこと。理由は単純。読み終えて何日か経ってしまうと、読了直後の新鮮な読後感が薄れてしまう上に、日にちが経つと、どうやって文章をうまく書こうかなんてことを考えてしまうので、素直な感想を書けないからだ。さて、続きは次回へ延ばして本題に入ろう。
自分はキングの小説を(手前勝手に)二種類に分けている。一つは、純粋なホラー。手に汗にぎり、背筋が凍り付きそうな。例えば、「ランゴリアーズ」「シャイニング」「キャリー」等。
もう一つは、「スタンド・バイ・ミー」や「グリーンマイル」「刑務所のリタ・ヘイワース(映画版タイトル:ショーシャンクの空に」)のような、いわゆる感動ものだ。
ちなみに「IT」を読むときは、ホラー系を期待して、来るなら来い!と身構えて読み始めた。読み続けていくと・・・たしかに怖い。スタンがバスルームで自殺しダイイングメッセージを残すシーンや、彼が後年に冷蔵庫の中から(風船とともに)生首で登場する場面なんかはとびきりに怖い。
キングの小説の怖さには、心理的な要素が多分に含まれている事は間違いない。それにともない、登場人物への過剰な感情移入をうながし、壮絶なる追体験をすることになるからこそ、怖いのだ!
しかし、読後感としては「あー怖かった」よりも、望郷の念(?)というか懐かしさのようなものを感じた。公園などでよく遊んだ幼少時代を思い起こさせてくれるような小説でもあった。
さーて、感想文も書いたことだし、ぐっすり眠るかー。ガタッ・・・。ん? 誰だ? ・・・ピエロ? まっ・・・?!
(突如、白い風船の山が目の前に現れる。)
ふわふわ浮かぶんだよおおお。ここではみぃぃぃぃんなあああ・・・
・・・跡に残されたのは、真っ赤な地の海と、その上にふわふわと浮かぶ白い風船の山。(2000年11月7日の、読書記録ノートより引用)