カテゴリ:本を作る
言葉のリズムを考えよう
書く時には言葉のリズムに乗らないと筆が進みません。 リズムに乗って、一気に書き上げることが必要です。 読むほうだって同じです。言葉にリズムがないと読みづらいものです。 読者の立場に立ってリズミカルに読めるかどうかが問題です。 書いた本人はその先の流れが分かっていますから、少々長いセンテンスも気になりません。 でも読者は、霧の中をさまよっているのです。話の出口の見えない文章は苦痛です。 リズミカルに、さらにセンテンスを短くまとめる練習が必要です。 主語と述語が泣き別れなんて文章は避けたほうがいいですね。 それと心地よい言葉のリズムですが、短歌のように五七五七七のリズムが多いのです。 たぶん日本語のリズムの基本。文章の黄金率はこのようなところにあるのかも知れません。 ひらがなの海に漢字を浮かべるように ワープロソフトを使っていると、ついつい漢字が多くなってしまいます。 自分では書けない漢字でも、パソコンなら一発で出てきますものね。 でもこれでは本人が思う以上に読みずらく、固い印象を与えます。 私はことさら、ひらがなを多用するように努力しています。 本にしたときにはパッと目を走らせて、漢字とひらがなのバランスを見ています。 あとは改行のバランスでしょうか。印刷されたときの一行の文字数も考慮が必要です。 起承転結が文章の基本 実は、読み手のほうがそのように求めているのです。書き手ではありません。 ある程度は自分の思考回路にあった展開でないと、読む人は違和感を覚えます。 読んでもらうために文章を書くというのが私の考えです。本を作る目的だと思っています。 読む人に期待させ、想像させ、納得させ、さらにエッという意外性を提供したい。 それが文章を書いたり、本にしたりすることの喜びだと考えています。 そのためには読み手の側の思考回路も理解しておくことが大切ではないでしょうか。 夢を育む一般書・実用書 小説など文芸書の書き方は様々な本も出されているので、そちらに譲ります。 ここでは、いわゆる一般書・実用書のまとめかたをご紹介します。 趣味や手芸、健康書からビジネス書に至るまで、一般書・実用書って範囲が広いですよね。 誰もが伝えたいこと、知ってもらいたいことを持っています。 それらの本の書き方とまとめ方について、私なりの考え方をご紹介します。 ここでも著者や編集者の、一人よがりにならないための留意点を考えたいと思います。 私ならこのようにしますよ、このように考えますと伝えるのが一般書や実用書です。 問題はどのように表現すれば、読者に理解してもらえるかです。 伝えたいポイントを整理する 私はこれらの本を作る場合、目次とそのそれぞれの項目に何を入れるかの一覧表を作ります。 全体としての問題点の整理は、一般書や実用書の一番の基本です。 行き当たりバッタリでは、読者を混乱させるだけで終わってしまいます。 大項目、中項目、小項目、さらにその中で何を伝えたいかを箇条書きにするのです。 すでにこれで、本作りの半分以上の作業が終わったと思っています。 それほど大切なのです。 実用書では、文章を書く前に写真や図表、イラストを整理します 特に実用書の場合、文章なんて一番最後でいいのです。 一枚の写真が全てを語ってくれることもあります。 各項目に合わせてバランスよく、写真や図表を当てはめます。 これさえ出来れば、その本の成功は間違いありません。 うまくバランスが取れないときに、イラストを使います。 少し経費がかかってしまいますけどね。 写真と図表とイラストを順番に見て、それだけで本の全体の流れが分かるようなら最高です。 写真にはキャプション(注釈)を付けて見てもらいたいポイントを強調します。 文字だけの本の場合は小見出しとページ割りを考えよう 文字だけで何かを伝えることは意外と大変です。 見出しだけで読者に概要を伝えることが出来れば、後の説明は簡単です。 この日記もそうですが、私はしつこいぐらいに小見出しを入れています。 まず何を言いたいのかを提示してしまうのです。 このことで、読者が本を読んだときの、話の区切りとテーマがハッキリとします。 時には、このことはいいやと飛ばして読むこともあるかも知れません。 同じ話が延々と続くのは誰だって嫌なものです。 もし見開き二頁程度で、一つのテーマが完結するなら、読みやすい本になります。 一般書での私の作った本は、見開き二頁で一話完結型が多いのが特徴です。 見開き二頁でどの程度の文章量が入るのかを計算してから書き始めます。 読者の予備知識を引き出すことがベースになる 文章のうちの八割は、読者がすでに知っているだろうことの問題点の整理です。 書く人はどうしても、ほかの人が過去に書いたことと違う点を強調するきらいがあります。 一冊の本にすべて目新しいことを盛り込んでは、読者を混乱させるだけで終わってしまいます。 読者の予備知識や基礎知識をうまく整理して、さらには引き出すことがベースです。 そして、その上に新しい提案をするのです。 「うん、そうだよね」「そうだ、そうだ」と読者を誘引することが必要なのです。 強調すべき点は言葉を変えて繰り返す 書いた本人ほどには、読者は細部を覚えていません。意外とはしょって読んでいます。 同じ文章からでも、異なる感想を持つ人が多いのは避けられません。 だからと言って、同じ言い回しの繰り返しも嫌われます。 飽きさせずに、強調すべき大切なことを見過ごされないための工夫が必要です。 例えを変えたり、表現方法、言い回しを変えて、繰り返し理解を求める努力が必要です。 この繰り返しを、同じ項目でやっていては見え見えですから、全体に散らばすことも必要です。 一冊の本から、たとえ一つだけのことでも脳裏に深く刻んでもらいたいものです。 それが出来れば、その本の価値があります。 読者と共に成長する本 同じ本でも、読者の経験や知識によって読まれ方が違います。これは小説でも同じです。 だから二度目に読んだとき、三度目に読んだときに新たな発見と感動があるのです。 読者の成長を促し、さらには読者とともに成長するような本がロングセラーとなります。 さまざまな趣味をお持ちの方、さまざまな知恵をお持ちの方、本作りに挑戦してみませんか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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