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[全470件]
![]() 以前、足尾にアイスクライミングに行った時のことだ。ネットでの事前調査ではよく凍っているとの情報だった。ところが現地に行ってみると氷は全くないと言っていいほどの状態だった。地元の人の話では2日前の雨で皆落ちてしまったという。厳冬期の話である。 今年は2006年以来の寒い冬なので、丹沢でのアイスクライミングを考えていた。1月中旬には下見山行もした。そして以後も寒い日が続き、完全氷結の情報が入った。しかし今月の6日7日と暖かい雨が降った。7日は横浜では17度を記録した。ところが東京ではその時の気温が5度と極端な差となったらしい。暖かい空気はが関東南岸に入ってきたが、東京では冷たい空気に覆われたままだった。丹沢では冷たい空気に覆われたままだったのか、それとも暖かい空気が入ったのか、微妙と感じた。前記の足尾のことが頭をよぎり、興味津々で偵察に出かけた。行き先は西丹沢大滝沢の地獄棚と沖箱根沢である。 午後から人に会う約束があり、昼までに山は済ませてしまうつもりで早朝に家を出た。市街地を抜けて田園地帯に入ると富士山を正面に見て走るところがある。丹沢と箱根の間の高い山がない部分に富士山が位置し、裾野まで見える道である。やっとライトがいらなくなったころである。富士山の山頂あたりの高さに満月がかかっていた。素晴らしい景色に写真を写そうと思った。もう出勤の時間帯になっていて交通量が多い。車を停められる箇所を探しながら走るが、なかなか都合のよい場所がない。だんだんと月の位置が低くなり、もうすぐ山に隠れてしまいそうになったので、強引に車を停めてシャッターを押した。ちょっと電線が邪魔だったが仕方がない。 丹沢は2週間前にまとまった降雪があったなんて信じられないくらいに乾いていた。大滝沢にも凍った箇所もなく、沢靴で歩いた方があっているような感じだった。地獄棚も沖箱根沢のF1も氷が溶け落ちて、氷瀑とは言えない惨めな状態になっていた。
![]() 冬の雲竜渓谷と言えば、アイスクライミングだと私は思っていた。それが最近は氷瀑見学の人たちに大人気で休日にはたいへん混雑するらしいと聞いていた。雲竜渓谷の見頃は短い期間だけなので、きっとそのことが混雑に拍車をかけているのだろう。知っていることと実際に見るということは同じようで大きな違いがある。今回は人気の日光・雲竜渓谷でこのことを認識させられた。 林道の奥にあるゲートは駐車スペースが少ないために前夜に着くように出かけた。そのかいあって一番乗りで、道路にテントを張った。私はすぐに寝入ってしまったが、同行者によると一晩中車の音が絶えなかったそうだ。他にもアイスクライマーがいるのではと考えて、暗いうちに出発した。両岸が氷で覆われた友不知を通り過ぎて、雲竜瀑に着いた時は私たち以外は誰もいなかった。 雲竜瀑は高さ150メールの堂々とした滝である。私たちの実力ではとても登れる滝ではないので、下の方にトップロープをかけて遊んだ。すると滝の下の広場には大勢の人たちが集まってきた。ここは氷瀑見学の終点にあたり、休憩によい広場があるためにたいていの人がここで大休止する。 昨日は日本列島が寒さの底にあったが、この日は暖かく感じた。氷は水を帯び、落氷も多かった。ツララ状の下を登る時は溶けた水が雨のように降ってきた。あまり快適でないので、ここを引き上げて友不知に戻った。経路から少し離れたところに傾斜の適度な氷があり、ここを登った。見下ろすと、渓谷を歩く人の列は途切れることがなかった。 この日、アイスクライマーは私たちだけだった。このことは意外だったが、ここは氷瀑見学のコース専用にすべきと思った。カメラマンにとってクライマーは被写体として必要なこともあるかもしれない。雲竜瀑はともかく、友不知はクライマーが落とす氷等がハイカーを巻き込むことが容易に考えられる。はっきりとした住み分けをした方がよいようだ。
![]() 富士山麓・双子山は手軽に山スキーが楽しめる場所として貴重な存在だ。しかしよい条件は少ない。標高の低い場所までしっかりとした降雪があるのは季節が春めいたころに多い。新雪直後はともかく、ちょつと日をおくと悪雪となってしまう。白くなったので行ってみると、所々に地肌が出ていたりする。 1週間ほど前に降った雪は御殿場口の斜面を真っ白にした。その後も寒い日が続いているので白さが持続している。今年はまだ1回もスキーをはいていないので、急に思い立ちひとりで出かけてみた。 朝のうちは晴れわたった空に富士山もよく見えていた。それが登山口に着くころには、早くも中腹に雲が湧き、山頂も時々見えなくなるようになってしまった。雪は登山口から十分あり、晴天が続いている割にはよい雪だった。大石茶屋くらいの標高まではトレースが入り乱れていたが、標高を上げるとトレースは完全に消えていた。雪は全般的に重い粉で、尾根上のところはクラストしていたが、浅い沢形にルートをとると粉となっていた。 今回は上塚と宝永山とのコルから上塚の山頂を往復した。登っている時には私以外に登山者はいないと思っていたが、下塚を登っている単独の人がいた。スキーは使っていないように見えた。 滑降はできるだけ沢状の地形を選んだ。冬の富士山は雪質が急に変化するので私のスキー技術では難しい。しかし思ったより安定した雪だった。雪が重いのでスキーがなかなか言うことを聞いてくれないが、快適な部類と思った。傾斜が緩いので大きなターンで滑れるのがよい。時々立ち止まってはシュプールを振り返った。 しばらく滑って立ち止まり、上を見ると下塚にいた登山者が降りて来た。記念に写真を撮ってもらうつもりで荷を降ろして休憩したがなかなか近づかない。待ちきれずに再び荷を背負って一気に下った。下手なスキーでも下りは「やっぱりスキーだ」
![]() 20日の夜に東京・横浜で初雪となった。そして23日の夜には東京で6年ぶりの積雪となった。自宅から見る丹沢も中腹まで白くなった。予定していた伊豆でのクライミングが中止になったので、急きょ雪の丹沢を歩くこととなった。ただ雪の中を歩くのではなく、ラッセルができるコースを考えた。メジャーなコースはすぐにトレースができてしまうので、マイナーなコースを選んだ。テシロノ頭北西尾根は西丹沢東沢の支流・ゴーラ沢とヤビキ沢との中間尾根である。 尾根に取り付くにはゴーラ沢をしばらく歩かねばならない。雪に覆われたゴーロの河原は足元が安定しないので歩きにくいことが多い。ゴーロは完全に雪に覆われ、雪も締まっていたので思いのほか歩きやすかった。ただ時々の踏み抜きと、ぬめった石に乗っての数度の渡渉は嫌だった。 尾根の末端は岩場となっているのでヤビキ沢を少し辿った。雪を避けて水の出ている緩いナメを滑るのではと恐々と歩いた。濡れるのが恐いので小さな沢形に狙いをつけてアイゼンを付けて尾根を目指した。下からは容易に見えたルートだったが、上部で氷に覆われたスラブに阻まれた。左側から一部垂直の草付を必死の思いで抜けると急に傾斜が落ちた。 尾根は雪が締まっていて歩きやすかった。時間切れ敗退も予想していたが、これなら抜けられそうと思った。尾根の中ほどからブナの林となった。この林層がこのルートを選んだ理由の一つだった。雪は膝程度の深さとなった。これ以上深くなると膝を回して前に出すことが不能となり全身を使うラッセルとなる。歩く感じでできるラッセルの限界だった。ゴーラ沢源頭の大崩壊を過ぎると傾斜が落ち、アイゼンからワカンに換えた。計画時はワカンを持って行くか迷ったが、持って来てよかった。歩行が急に楽になった。 石棚山稜にはトレースがなかった。ロープ等の人工物の多くが雪に隠れてブナ林の雰囲気がいつもより好ましかった。小さく下って少し登るとツツジ新道が合流する。ツツジ新道には今日のものと思われる新しいトレースがあった。ラッセルを求めての山だが、疲れた身にはトレースはうれしい。しかしこのトレースの主は山頂の手前で引き返していて、檜洞丸への最後の登りはまたラッセルとなりペースが落ちた。出発から5時間で誰もいない檜洞丸山頂に着いた。
![]() 南岸低気圧の通過で関東地方は広い範囲で雪となった。その後もはっきりとしない天気が続く予報に前々から計画していた金城山への影響を心配した。どうやら国境稜線の北側はくもり程度ですむようだ。雪の群馬県からトンネルを抜けて新潟県に入ると雪が止んだ。いつも前夜発で新潟の山に出かける時にはトンネルの手前で早目に車中泊してしまうことが多いのだが、今回は新潟県の雪の降っていない天気を求めて前夜にトンネルを越えた。 ところが翌朝は雨だった。予報を信じて登山口に向かうが、最寄のインターを降り損ねて時間と高速料金を浪費してしまった。しかし登山口に着いて準備をしていると雨が止むという結果を考えると、この遠回りも許せるものだった。 冬の金城山は通常1泊2日で登られることが多いようだ。出発時間が8時と遅くなってしまったこともあり、登頂は難しいと思って登り始めた。雪はよく締まっていて、完全に春の雪だ。ワカンを付けると足首程度にしか沈まない。登頂が現実味をおびてきた。 登山口の標高はたったの200m。ところが樹林は雪で覆われていて歩きやすい尾根が続く。登るに従い眼下に平野が広がる。この景色はこのあたりのスキー場からのものと何ら変わらない。1時間ほども登ると尾根はきれいな雪稜となり、標高からは想像できない山らしい雰囲気になる。始めは時間250mくらいのピッチで標高を稼げた。 632mの小ピークを越えたあたりから雪が急に湿ってきた。一歩ごとにワカンに雪が付着する。周囲に雪の付着したワカンはスノーシューのように見えるほどだった。当然ピッチも落ちた。結局は12時となった時点で頂上をあきらめた。標高はまだ1070mで、頂上まではあと300mもあり、2時間くらいはかかるだろう。時間よりも疲れていたのが引き返すことを決意した理由かもしれない。 引き返すころから雲が低く降りてきた。登山口に戻ると雨が降ってきた。少し弱気だったかもしれないが、よい判断だったと自分に言い聞かせた。雨はトンネルを南に抜けると雪となっていた。「国境の長いトンネルを抜けると雪国だった」という小説の世界とは逆の天気だった。
![]() 「肩の故障でアックスが振れないので丹沢を歩きませんか」と誘われた。 関東地方は記録的な乾燥した天気が続いている。当然丹沢には雪は降らない。地元の山・丹沢を季節ごとに楽しんでいるが、雪のない冬の丹沢には少し残念な気持ちがある。冬枯れの見通しのよい日だまりハイキングや霧氷見物といった楽しみ方もあるのだが、やはり冬には雪を求めてしまう。 少し考えた末に、滝巡りと尾根歩きをミックスした計画を提案した。計画はまず円山木沢の下の大滝と上の大滝を見物した後、円山木沢左岸の経路を利用して三峰に出て、瀬戸沢ノ頭から尾根伝いに下って早戸川大滝を見るというものだった。氷結した滝を見ることはアイスクライミングができない同行者の憂さを少しでも晴らせるのではとの提案だった。また今月の初旬に行った円山木沢の氷結がどのくらい進んだかも興味があった。 前夜は南岸低気圧の通過で丹沢にも雪が降った。円山木沢の滝は傾斜が緩いので雪が積もると見栄えのしない滝になってしまう。ただこの雪はうっすらと地面を覆った程度だった。下の大滝は今月初旬と比べると氷瀑らしくなっていた。もう少し氷が厚くならないとアイスクライミングにはならないだろう。上の大滝には期待していたが、前回からは特に氷が発達しているとは見えなかった。 滝を見て、尾根を登りだすと青空が広がった。終始丹沢の最高峰・蛭ヶ岳を見ながらの登高だが、この尾根の樹林の雰囲気はよいとは言えない。瀬戸沢ノ頭までは降雪後誰も歩いていないようだったが、早戸川大滝への尾根を下り出すと、登りの足跡があった。早戸川大滝は大きなツララが見られるのではと期待があったが、この期待は過大だった。ここから出発地に戻るには河原歩きが続く。何回も飛び石で川を渡るのだが、雪の付いた石は厄介で今回のルートの核心となった。
![]() いつもの山仲間をいつものように誘ったところ、今回は朝発で手軽なアイスクライミングをということになった。ちょっと考えあぐねて三つ峠の四十八滝沢にした。それも上に抜けないということで決まった。氷に辿り着くまでの時間が不満だったが、ドライブも含めてトータルの時間が少なそうなのを理由にした。先週行った金ヶ窪沢の状態から氷結については全く疑わなかった。 大幡川にかかる橋の手前に車を停めて林道を歩き始めた。バス停付近を含めて登山者の車が5台。タクシーで来る登山者も見た。きっと今日はかなりの人数が四十八滝沢に入ると想像した。登山道が右手に四十八滝沢を見下ろすようになると、河床がよく凍っているのが見えた。たいていは初滝付近から沢に入ることが多いようだが、下のほうから凍っている河床を歩く多くのクライマーがいた。私たちは初滝のすぐ下で沢に降りて登攀の準備をした。沢幅いっぱいに氷が広がっているので、装備を氷に落とさないように注意しながらの出発準備である。 初滝は全面に氷はついているものの、氷結は甘かった。ロープを出すか迷ったが最初の数メートルを登れば階段状なのでロープなしで取り付いた。まだ氷に慣れていないので動きがぎこちなくなってしまい、やはりロープを出すべきだったと思った。 初滝の状態からこの上はきっとよく凍っているとの期待は裏切られてしまった。大滝までは水流が出ている箇所が多く、滝の脇にある薄い氷に頼って登ることも多かった。アイスクライミングなので完全に凍って欲しいと思うのは当然だが、完全に凍ってない沢は氷と水との織り成す自然の造形が不思議で面白い。大滝は真ん中が大きく開いていたが、氷はなんとか上までつながっていた。登るかどうか迷った結果、不安だったので巻いてしまった。 当初はこのあたりで終わりにするつもりだったが、まだ時間が早いのでもう少し遡行することにした。しばらくすると大きな氷瀑になる。これが七福の滝であろう。ここはロープを出した。軽量化を計ってロープは30mにしてしまったので、滝の途中でピッチを切った。滝の上で装備を片付けていると、ここから登山道を示す標識らしきものが見えた。ラッキーと言い合い、これを目指すと登山道であった。 登山者はたくさん見かけた。しかし上に抜ける人はすでに先を行ってしまい、大部分の人たちは下のほうで楽しんでいたようだった。そのために不思議と他の登山者と重なることがなかった。 |一覧| |
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