樹木の声が聞こえる　楽しい樹木日記

「あー気持ち良かった！」

今日の石神井公園の森歩きは、実にすがすがしかった。雨上がりの公園。ボート池の向こう岸は霧にけむっていなくて、くっきりと木と池の境界線が見えた。それだけでもすがすがしかった。

三宝寺池の森の中に一歩入ると、そこは緑のワンダーランド！ほぼ無風状態の中、アカメガシワの大きな葉だけ、ゆらりゆらり揺れている。名も知らぬ小鳥たちがさかんに鳴いている。ベンチに座ると頭上にエゴノキがあり、その小さな葉を通して青空がちょっぴりのぞいて見える。

濡れた地面を歩いていくと、メタセコイヤやラクウショウの、スギに良く似た芳香と土の香りが混じって、すごくいいにおい。深呼吸しながら歩く。すがすがしい香りが体の中を通って、体の中が洗浄されるようだ。

すっかり気を良くして歩いてくと、シラカシの赤茶の新芽がついている。まだほんの薄くて柔らかい赤ちゃんの葉だ。ちょうどこの辺りに以前はクマシデがあって、葉の裏に白いホワホワの毛が生えているので、昔友達と一緒に来たとき触って笑ってたっけ。

この公園を観察するようになって８年が経つが、中州のハンノキの成長ぶりは目覚しい。すっかり大きくなった。

それにしても外から見ても中から見ても、どこまでも深い緑に、「これホントに５月！？」とつっこみを入れたくなる。まるで８月みたい。極めつけは蓮池の白い蓮の花が全て咲いている！「これ咲くの夏でしょ！」とまたつっこみを入れたくなった。

センダンの細かい白とピンクのかわいい花びらが、無数に落ちていて白い絨毯みたい。花びらをいくつか拾ってかばんにしまう。母がセンダンの木が大好きで、お土産にするのだ。

しかし今日は暑からず寒からず、森の中は本当に気持ちが良かった。蒸してもいないし、涼しすぎることもない。歩いていても汗ばむこともなく、本当に気持ちのいい公園歩きだった。正に森林ブリーズだ！「また来るよ！」自転車に飛び乗り、上を見上げてそう言うと、勢いよく自転車をこいでいく私。