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司法試験が「日本の科挙」と呼ばれた時代があります。 コストパフォーマンスを考えれば、司法試験は科挙に比べれば全然割に合わなかったのですが、なぜか老若男女が懸命に合格を目指していました。 白髪交じりの老人から系列の法学部に進学が決まった高校生までが、司法試験予備校と呼ばれる場所に集まってひとつの試験の合格を目指していました。 仲間を作る人、一匹狼を貫く人、数少ない女性を巡って争う男性たち・・・あのころは大企業や中小企業を問わず、会社員などの従業員たちより自分たちの欲望に対してピュアーな連中ばかりでした。 ただひとつ。 普段の序列は「答練」という模擬試験と択一の模擬試験の順位、そして本試験での評価でした。 誰にもハンディはなく、誰もが同じ土俵で戦い、そして助け合ったりおとしめ合ったり・・・宝くじに当たる方が簡単なようなとてつもないものに1日10時間以上もかけて挑んでいた時代でした。 もう二度とこのような時代が来ないと思うと、私自身が生きている間に「全てをなげうって戦った人」「偶然のように合格していったシンデレラボーイやシンデレラガールたち」「いまだ悔恨を残して別の人生を歩んでいる人たち」などなどのことを、書いておくべきではないかと、ふと思い立ちました。 今までの日本の歴史上、最も厳しくて最もやりがいのあった試験のことを・・・。
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Last updated
2011.03.06 22:51:00
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