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2016.12.12
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カテゴリ:シナリオ
ブログ用 ラフカディオ・ハーンの足跡.jpg

首都圏に住んでいる高校の同級生3人が喜寿を迎えたことを契機に始めた街歩き。歴史探訪や文学
散歩などでテーマを設けて楽しんでいます。今回はギリシャ生まれで日本に帰化した作家ラフカ
ディオ・ハーン(小泉八雲)の足跡を巡ろうと地下鉄・四ツ谷三丁目駅に集合しました。

ノブ: 僕は島根県生まれでラフカディオ・ハーン居住跡の近くが生家なんだ。だからハーンには
    特別な思い入れがある。今日は彼が東京へ出てきてからの足跡を巡るけど、案内の途中に
    はハーン以外の文豪たちの足跡もあるので随時紹介しよう。そして他にも紹介したい場所
    もあるので立ち寄るよ。案内は道順に沿って紹介していくから、ハーンの名前が途切れ途
    切れに出てくることになるけどそれは許してくれ。ウォーキングが終わったら忘年会をし
    よう。いい食事処を見つけたよ。
ヒデ: 文豪といわれている人たちは、全国各地もだけど都内だけでもかなり転居している例が多い
    から、彼らの足跡を巡るだけでもテーマの尽きないウォーキングになるね。
ヤス: 東新宿という狭い場所の中に文豪の足跡以外に紹介したい所があるのかい?どんなところか
    な。それも楽しみだ。

3人は四ツ谷三丁目駅を出ると、新宿方面に向かって歩き始めました。

ノブ: 四谷大通りから入ったこの坂の脇に三島由紀夫の生家があった。今は何の痕跡もないけど、
    今、立っているこの坂は「仮面の告白」に登場する文学史上重要な坂だ。
    ここは成女学園だ。実はこの中庭に小泉八雲旧居跡があるんだ。学園内は入れないから、
    通りに面した場所に解説板と石碑があるので見てほしい。この場所はハーンが明治29年
    に東京帝国大学の文学部講師として招かれ、東京で初めて居を構えた所だ。
    ちょっと来て、ここが自証院だ。ハーンはここの緑深い境内をよく散歩していたけど、
    開発で自然が失われていくのに心を痛めて、5年ほどで西大久保に転居している。でも
    彼の葬儀はここで行なわれたんだ。ハーンの墓は雑司ヶ谷霊園にある。
ヒデ: ハーンの居住跡は英語教師として最初に赴任した島根県松江市、そして次に赴任した熊本
    市にも旧宅が残されている。
ヤス: ハーンは怪談の耳なし芳一・雪女・ろくろ首などで知られるけど、実は失われつつあった
    古き良き時代の日本の風俗を世界に紹介した功績が大きい人なんだよね。こうして各地
    に彼の足跡が残されているのは、その業績が偉大だったという証明だな。
ノブ: 次はハーンから離れるよ。ここは今、東京都立総合芸術学校だけど、実は東京監獄・市ヶ
    谷刑務所の跡地だ。ここにいた女性死刑囚の高橋お伝は「毒婦」として舞台や映画で取
    り上げられている。
    次が永井荷風旧居跡だ。今は見たとおり、プレート表示しかないけど、フランスから帰
    国した荷風は築地に移るまでの10年間をここで過ごしている。説明板には「歓楽」「す
    みだ川」「冷笑」などの秀作を手がけたとある。彼は胃が悪く中庭に「断腸亭」と呼ぶ
    離れを作って、自宅界隈の様子を書き残している。
ヒデ: 荷風の父は彼を経済人にしたかったけど、彼は文学の道に進んじゃったんだよね。
ノブ: ここが坪内逍遥旧居跡だ。ここもプレート表示のみだ。彼はここに住んだ30年間の間に、
    早稲田文学を発行し、シェクスピア作品の研究・翻訳を行なっている。又、後期にはこ
    の地に文芸協会演劇研究所を設けて多くの人材を育てた。
ヤス: 今は何もないけど、この場所は日本近代文学及び演劇史上重要な場所なんだね。
ヒデ: 三島由紀夫・小泉八雲・永井荷風・坪内逍遥らがこの区域に住んでいたんだね。
ノブ: 文豪たちを離れてちょっと寄り道をする。ここが厳島神社だ。境内の参道が南北に通り
    抜けできるので「抜(ぬけ)弁天」とも言われている。この場所には江戸時代の生類
    憐れみの令により、野犬のために2万5千坪の犬小屋が設置されていたんだ。
    そしてここが西向天神社だ。ここは永井荷風が「日和下駄」で夕日が美しいところと
    書いている。もう一つ、ここには大田道灌の「山吹の里伝説」がある。道灌が娘に蓑
    を貸して欲しいと頼むと、山吹の花を差し出し、貧しくて蓑は貸せないと、蓑(実の)
    はないことを山吹の花で伝えた紅皿の石碑と墓があるから見ていこう。
ヒデ: ここに藤圭子の「新宿の女」の歌碑がある。何か関係があるのかい。
ノブ: 作詞作曲者の石坂まさをさんの作詞活動30周年を記念したものだそうだ。
    次は島崎藤村旧居跡だ。ここにはプレート板と石碑がある。彼の居住跡は麻布など他
    にもあるけど、この地で長編社会小説「破戒」を完成し詩人から小説家に転向したと
    言われている。
ヤス: 一方で、転居そうそう三女を亡くし、続いて次女、長女も病死するなど、辛い日々を送
    った場所でもあったんだよね。
ノブ: 詳しいね。それでは今日の最後はハーンで締めるぞ。この大久保小学校の前にあるのが
    小泉八雲終焉の地の碑だ。これは生誕百年を記念して昭和25年に有志によって建立さ
    れた。
    それでは最後の地「小泉八雲記念公園」に向かう。どうだい。白い柱、白い壁を持つ
    ギリシャ風の公園だろう。奥にハーンの胸像がある。平成元年に新宿区とハーン生誕
    の地ギリシャ・レフカダ町が友好都市となったことを記念して作られた。ハーンの銅
    像の右には白い壁があり、ハーンが幼少の頃に過ごしたアイルランドの育った家に掲
    げてあるプレートと同じものが寄贈されている。レフカダ市内の路地「小泉八雲通り」
    には今も生家が残っているそうだよ。
ヒデ: ハーンは片目がほとんど見えず、晩年はもう片方もあまり見えなくなった。それでも、
    日本を愛し、家族を作り、学生に慕われて、偉大な仕事を成し遂げている。
ヤス: 日本の住宅街の中にさりげなく、古代ギリシャの息吹とハーンの足跡に触れられるこの
    記念公園はみんなにもっと知ってもらいたいね。

文学散歩を終えた3人は美容家の草分け、山野愛子が半生を過ごした邸宅(がんこ新宿店)で
忘年会です。きっと、来年の企画や担当を話し合っているのでしょうね。本日のウォーキング
は約8,000歩でした。





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最終更新日  2016.12.12 09:02:49
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