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2022.06.06
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カテゴリ:シナリオ


アナゴと言えば、東京湾や瀬戸内海産が有名ですが、茨城沖でとれる「常磐もののアナゴ」も市場からの評判がよく、茨城県の隠れた逸品のひとつです。年間を通して味がよく、寿司や天ぷら、煮物などのほか、伝統的な干物や調理の手間が少ないレトルトなど、茨城の水産加工業者によって様々な加工品が作られています。アナゴは1 年中、季節を問わず獲れるイメージがありますが、時期によってその味は異なります。一般的に言われている味覚の旬は、初夏から夏の68月です。この時期のアナゴは、「梅雨アナゴ」「夏アナゴ」と呼ばれ、脂が少なく淡泊なさっぱりとした味わいが特徴です。通常、魚の旬は脂の一番乗っている時期とすることが多いのですが、アナゴは、淡泊な味わいが好まれる魚なので、脂の乗らない夏が旬とされている珍しい魚です。あっさりとしたこの時期のアナゴは、天ぷらにして食べるのがいいですね。でも、脂ノリがいいのはやはり冬の1012月頃で、身がとてもぷりぷりしています。これは、一般的な魚と同様、春に産卵するために栄養を蓄えているため脂がのっているからです。この時期のアナゴは、こってりとコクがあり、ウナギに似た味わいです。夏の旬のアナゴよりも、脂の乗っている冬のアナゴが好きだという人も多くいます。冬のアナゴは煮アナゴにすると、とても濃厚でおいしいです。結局、夏も冬も両方とも美味しいということです。今回は「常磐もののアナゴ」の紹介です。

 

<謎に包まれたアナゴの生活史>

マアナゴの例です。マアナゴは春季にレプトケファルスと呼ばれる特異な形をした稚魚が沿岸域で変態後、甲殻類や魚類などの動物を捕食しながら成長します。オスよりもメスの方が寿命は長く、成長が良いと言われ、オスは4年で40cm前後、メスは7年で90cm前後に達します。3~5年で成熟すると考えられていますが、産卵直前のメスや産卵された卵はまだ見つかっていません。また、レプトケファルスの本当の初期のものも駿河湾で1個体が記録されているのみで、産卵場や初期生態については、未だに分かっていません。でも、最近の研究からマアナゴはウナギと同じように南の方へ産卵回遊を行い、そこでふ化したレプトケファルスが黒潮系水で日本沿岸へ運ばれて来るのではないかと推定されるようになってきました。どうやら、日本ウナギとマアナゴとは体型だけでなくライフサイクルも似ているようです。人工授精による形態研究からもマアナゴの初期生態の輪郭が少し見えてきましたが、解明には今しばらく時間が掛かりそうです。レプトケファルスとは「小さな頭」という意味を示しますが、その名の通り頭は小さく、体は透明で平たいリボン状をしたアナゴの稚魚のことです。

 

<アナゴの漁獲量ランキング>

(1)世界漁獲量ランキング(2019年)

    韓国が断トツ1位です。2位フランス、3位フイリピン、そして4位が日本で

               す。

(2)都道府県別ランキング(2019年)

    1位は島根県632(t)19.0%、2位長崎県15.4%、3位宮城県9.5%そして5位が茨城県6.8%です。近年は瀬戸内海や東京湾はランキング外です。残念ながら、国内ではあまり獲れなくなり高値安定のため、韓国からの輸入ものの方が市場に出回っています。

 

<日本沿岸に棲む代表的なアナゴの種類>

アナゴの仲間は世界に150種類ほど、日本近海には20種ほどいますが、日本で食用としているアナゴの代表格はマアナゴです。特に関東地方で賞味されてきた「江戸前のアナゴ」は東京湾の羽田、大森、浦安などでよくあがり、江戸の食文化の主要食材でした。

 

1.マアナゴ:一般に食用のアナゴといえばマアナゴを言います。体長は雄が

   40cm、雌90cmほど。北海道以南、琉球列島までの沿岸砂泥底に棲みま

   す。希少である大型のものは「伝助穴子」と呼び、市場では高値で取引さ

   れています。寿司ネタ、蒲焼き、または天ぷらなどとして、よく食べられ

   ているのが、このマアナゴです。脂肪分が少ない白身で、フワフワした食

   感が美味しく、食通ファンが多いです。夜間の防波堤や船でも釣れます。

2.クロアナゴ:日本各地の浅い岩礁域から南太平洋沿岸の岩礁域に棲みます。

   マアナゴと似ていますが、全長1.5mと大型で、黒っぽい体色をしています。

   大型になる分、小骨の主張が強く、またマアナゴより味が落ちると言われ

   ているため、食べられることが少ないです。皮も固いため、主に魚肉練り

   製品の材料として利用されています。でも、骨切りするなど、しっかり料

   理すれば、美味しく食べられる魚です。

3.ギンアナゴ:銀白色の体色で、マアナゴより沖合に生息。分布域は北海道以

   南から東シナ海と広いです。あっさり目の味で、天ぷら、干物、練り製品

   などに利用されます。

4.イラコアナゴ:見たことのない深海魚のような怪魚ですが、実はスーパーで

   蒲焼きとしてパックで売られていて、回転寿司のネタにもなるリーズナブ

   ルさが魅力。三陸沖など、東北地方の太平洋沿岸や北海道で獲れます。性

   格はかなりどう猛です。

5.ノレソレ:レプトケファルスのこと。高知県では新春のシラス漁の網で獲れ

   ます。透明で体長5cm8cm程の細長い形状からか、淡路島ではハナタレ

   (鼻垂れ)とも呼ばれます。

  

<アナゴの漁獲方法>

アナゴ類は一般的に延縄、籠網(筒網)、底曳網、釣り等多様な方法で漁獲されますが、これは地方で漁法が違うことに由来しており面白いです。

(1)小型底びき網漁(板びき網):日本各地で広範に使われているのが底びき網

      です。ランキング1位の島根県はこの漁法が主力です。底びき網で獲れる

    アナゴは野ジメといって沖合でそのまま死んでしまうため、水揚げされた

    ときにはすでに鮮度が落ちてしまいます。また、網の中でかき回されるこ

    とにより穴子自体に傷がつきやすくなるのも底びき網のデメリットです。

(2)「かご漁(あなご筒漁)」:アナゴだけを狙った専用漁法です。江戸前のア

    ナゴは筒を使った漁でとられています。狭い穴の中を好むアナゴの習性を

    利用して漁獲します。筒の中にイワシなどの餌を入れて、海底に仕掛けて

    おきます。筒には「返し」と呼ばれる中が狭くなっているふたがついてい

    ます。餌の匂いにつられて筒に入ったアナゴはこの「返し」に邪魔されて

    外にでることができなくなります。かって、大阪湾ではかご網漁が盛んで

    した。現在は東京湾や対馬での主力漁法です。餌でおびきよせる点では籠

    も筒も同じです。一籠ずつ丁寧に穴子を取り出すので魚体に傷がつかず、

    新鮮なまま水揚げされます。

(3)延縄漁:瀬戸内海で多い漁法です。延縄漁業とは、一本の幹縄にたくさんの

    枝縄(延縄)をつけて、延縄の先端に釣り針をつけた漁具で行われる漁法

    です。昔から行われた漁法で、延縄を漁場に仕掛けて、しばらくの時間放

    置してから回収します。網を使った漁法よりも魚を傷つけないので、魚の

    価値を高めます。幹縄の長さは10mから1000mくらいです。

 

漁協が取り組むマアナゴ養殖

2015年から大阪府では近畿大学と漁協が協力してマアナゴの養殖に取り組んでいます。 毎年3月ごろに地元の漁師が獲ってきた稚魚を水槽に入れ、エサを与えながら

育てます。水槽の海水は井戸から汲み上げて、フィルターで不純物をろ過した上で使用。マアナゴは水温が26℃以上になると弱りはじめるため、25℃以下に保ちながら育てています。年々、水槽に入れた稚魚の生き残る率が上がっており、今年度は80%を超えたそうです。成魚の出荷時期は8月から年末いっぱいまでで、ふるさと

納税の返礼品や、漁協の直売所で販売。市内小中学校の給食用にも提供したそうです。でも、採算面では現時点で厳しい状況のようですが、天然マアナゴの漁獲量が減って価格が上がっているので、養殖でも採算をある程度合わせることは可能で、稚魚さえ確保できれば、産業として成り立つ可能性は十分ありと見ています。現在は卵から人工ふ化させたマアナゴを成魚に育て、その成魚から採った卵をまた人工ふ化させる、という完全養殖の研究にも取り組んでいます。完全養殖技術が確立すれば、天然の稚魚に頼らない養殖が可能になります。

 

<アナゴの豆知識>

1.血にはあり:意外なことかもしれませんがアナゴには毒があります。正確

   には血液に毒があり「血清毒」と呼ばれ、血液程ではないものの体表のヌメ

   リにも含まれています。そのため経口摂取だけでだけでなく目や傷口に入ら

   ないよう気を付けなければいけません。アナゴを刺身で食べる機会が少ない

   のはこのためです。摂取すると嘔吐や下痢を引き起こしますが、熱を通す

   (60℃5分以上) ことで毒が変性し無害になります。

2.栄養素と効果:ビタミンAがたっぷり!アナゴは眼の働きを助け皮膚を健康に

   するビタミンAが豊富で、その量はアナゴを100g食べれば一日のビタミン

   A必要量をほぼ満たすほど。さらに、アナゴの脂肪分は悪玉コレステロール

   を減らして動脈硬化を防ぐ不飽和脂肪酸((EPADHA))を多く含んでい

   ます。ウナギに比べて脂肪は半分、カロリーは2/3程度です。又、ビタミン

   B2は皮膚や消化器官などの粘膜を健康に保ち過酸化脂質の分解を助ける酵

   素の成分になります。アナゴはその栄養面の点から現代人に適した食品であ

   ると言えます。

3.「寿司通は光物とアナゴ」:昔から卵焼きとアナゴと光物を必ず注文するの

   が、江戸前寿司の通人とされてきました。この三つは、寿司屋で味付けしな

   ければならず、その為、これらを食べるとのその店の職人の腕前がわかると

   いうのがその理由です。

4. 関東と関西の食べ方の違い:「関東は煮アナゴが好き」そして「関西では焼き

   アナゴが好まれる」傾向があります。これは関東と関西のアナゴの特徴が違

   うことが理由です。関東のアナゴは脂がのっていて大ぶりのものが多いで

   す。ですから、煮て食べることによっていい感じに脂が落ちて、ふっくらと

   美味しくなります。一方、関西のアナゴは関東に比べると大きさが小ぶりで

   脂も少なめです。脂が少ないアナゴは煮ると硬くなってしまうため、煮るよ

   り焼くほうが美味しいのです。また、関西のアナゴは皮が多いですから、こ

   んがり焼き上げたほうが、パリッとした食感を楽しめます。

5.関東と関西では開く箇所が違う!?:関東地方では背中から開くのに対し、関

   西地方ではお腹から開きます。これには、武士の町江戸では「腹を切る=

   腹」をイメージさせて縁起が悪い。一方、商人の町、関西では「腹を割って

   話をしようや」という意味から腹開きになったと言われています。

6.マアナゴの中でも特に大きな(300g以上)特大アナゴの事を「伝助穴子」と言

   いますが、全てメスです。

 

<常磐もののアナゴは大ぶりが特徴>

黒潮と親潮がぶつかり、えさとなるプランクトンが多く発生する豊かな漁場で

水揚げされたアナゴは大ぶりで質が良く美味しい魚と知られ、水産関係者の間

でも高く評価されています。常磐海域においてマアナゴは、底びき網漁業、筒

漁業、かご漁業など漁師により異なる漁法で漁獲されていますが、その水揚

量、水揚金額は大きく、沿岸漁業に占める産業的ウエイトは高いです。常磐も

ののアナゴの最大の特徴は90㎝クラスの大物の漁獲が圧倒的に多いことです。

大物のあなごとは実はメスのアナゴのことです。マアナゴは1歳で全長30

45㎝、2歳で4060㎝、3歳で5070㎝に成長しますがこれはメスの成長で、

オスは40㎝ほどで成長が止まります。資源調査によると、不思議なことに常磐

海域には、雄はほとんど分布していなかったのです。謎の多いマアナゴの生態

ですが、こうした分布の偏りも不思議な現象ですね。でも、お蔭で、常磐物の

アナゴは大物が多いという特徴が生まれているのです。

 

現在、認知度が高いとは言えない「常磐もののアナゴ」ですが、これを機会に覚えて頂いてご賞味あれ!






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最終更新日  2022.06.06 07:47:28
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