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2008.08.24
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とっても久しぶりの、深い深い眠りから目覚めた私。
だけど、自分の今いる場所のあまりに心地いい感触に、身動きができない。

・・どこ、、だっけ?

一瞬そんなこと、思ってしまったりする。
そんなこと、分かりきってるのに。
私が心から安らげる場所。
ここは、ケースケの腕の中。

やっと戻ってこれたんだ。
安堵と幸せに、深く息をつく。

その場所から、夕べのことを一つ一つ思い出す。

・・・きっと、ケースケ、、わざと、あんな風に私をイヂメて。
・・ウマイな。。
なんか、まんまと、、はめられちゃったな。

でも、いやな気持ちにはならない。

きっと、私のために。
そう、きっと、本当は、ケースケだって、不安だったはず。

駆け引き。。
なんて、らしくない方法を選んでまで、私を、取り戻そうとしてくれた。
そのことが純粋に嬉しい。

ずっとずっと拒否してしまっていたケースケの体。
でも、ずっと焦がれていたケースケの体。
私をまた、しっかりと包み込んでくれている。

・・・てか、しっかり過ぎだし!ちょっと、抱きしめ方キツいよ?

・・多分、きっと、2度と離したくないって思ってくれてるのかな?

私は、肩に回されたケースケの腕を、そっとそっと外して体を起こし、姿勢をかえる。
私はケースケの寝顔を見つめた。

ありがと、ケースケ。

・・・・

キスシーンが放送される日、ケースケも家にいた。なんだかそわそわしてるし。
「なあ、飲みに行かない?」
なんて言ってるし。
全く。もっとどーんっとしてて欲しいよ。
「なんで?飲みになんか行かないよ。ドラマ始まっちゃうじゃん」
「・・・見るの?」
「見るよ。だって連ドラだよ?ストーリーだって気になるし。それに・・」
「それに?」
「ちゃんと見れなくちゃ、、意味ないよ」
ケースケは、小さくため息をついて、私を見つめる。
この間の意地悪のお返しに聞いちゃう。じーっと睨んで。
「なに?なんか疚しいことでもあるの?」
「ないよっ。あるわけないだろ?」
必死で即否定。かわいいな、ケースケ。口を尖らして言うケースケ。
「・・いつもと同じだよ、ただ、恥ずかしいんだよ、ドラマ、目の前で見られんの。緊張するし」
ケースケ、本当に、うまいのに。いつも、こんなこと言うんだよね。ったく、子供じゃないんだからさ。
「一緒に見たくないなら、出かけてくれば?」
って言ってやる。
「まさか。そばにいるよ」
ケースケはソファに座って私の肩を抱く。ぎこちない手つき。どこまで緊張してんだか。

で、肝心のそのシーン。肩に置かれたケースケの手に力が入る。
確かに、情熱的に見える。
テレビの中の二人は、違和感なく愛し合っているように見える。
ケースケ、相変わらず、うまい。
だけど。。

画面がCMに変わって、私はつぶやく。
「全然。。。違う。。。。」
ケースケは私の耳元の髪に触れながら返事する。
「ああ。」
全然、違う。私にいつもしてくれるキスと。
愛情の量が。情熱の温度が。
当たり前のことだけど、これは、仕事なんだ。演技なんだ。スムーズに理解できる。

見て、、よかった。

静かに胸をなでおろした私に、ケースケが優しく伝える。
「違うだろ?・・でも、それが、分かるのは世界中でミリだけだよ。これは、ミリだけにしかしないキスなんだから」
そういって優しく、、でも、くらくらするほどの愛情のこもったキスをしてくれるケースケ。
キスだけじゃなく、もっともっと、その先を期待してしまった、、のに。
ケースケは私を離して、悪戯な目つきをしていう。
「ミリも、してよ、あのキス。最高だった」
私も、同じように笑って言う。
「また、・・いつか、ね?」
「なんだよ~、、」
がっかりしたように、肩を落として俯いたケースケ。でも、一瞬後、
「ま、いいや。じゃあ、いつもどおり」
そういって、私を激しく抱き寄せて、キスをする。
「、、ちょっと、、まだ、ドラマ、終わってないのに」
「ミリ、見てて、いいよ。。俺、勝手にやっとくから」
そう言って、私の服を脱がせ始めるケースケ。
「・・バカ」
そんなことされたら、テレビなんて、、観てられるわけないよ。
ケースケの動きに、強く飲み込まれながら、私は思う。

いつもいつも私を求めるケースケ。
こっちから求める様な、隙も、ヒマも、全然ない。

私がまた、あんな風にケースケを求めるのは、きっと、ずっと、先になるのかな?

でも、ねえ、ケースケ。
ケースケが、この先、
何度キスシーンを繰り返しても、
私、もう不安にならない。

その度に私が口付けて上書きするよ。

ずっとずっと。

そう、きっと。

人生最後の、、last kissまで。


<了>


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最終更新日  2008.08.24 00:23:22
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