東亜日報・米「アップルの元デザイナーを証言台に立たせろ」 ・他
米裁判所「アップルの元デザイナーを証言台に立たせろ」 AUGUST 01, 2012 06:10 東亜日報「世紀の特許戦争」と呼ばれる三星(サムスン)電子とアップルの特許侵害本案訴訟は先月30日、裁判初日から火花が散った。三星電子はアップルのアイフォンのデザインが独創的なものではなく、他社のデザインを参考にしたものだと攻撃した。アップルは、スティーブ・ジョブス創業者の写真を陪審員に見せながら心理戦を展開した。 この日、米国サンノゼに位置するカリフォルニア連邦北部地方裁判所の1号法廷で、ルーシー・コ裁判官が主宰する特許侵害本案訴訟の初審理は、陪審員の選定から本格化すると見られた。だが、双方と陪審員が初対面する手続きである「冒頭弁論」を巡って早くも激突し、陪審員の選定が遅延したため、冒頭弁論は31日に延期された。 三星電子は同日、陪審員の判断に重要な影響を与えられる証人を確保するという収穫を得た。三星電子は、本案審理の開始に先立って提出した文書の中で、アップルは2006年にビジネスウィーク誌に掲載されたソニー・デザイナーたちのインタビュー記事を回覧した後、アイフォンのデザインの方向性を固めたと主張した。三星電子は、「アップルは、最初のデザインに参加した元職デザイナーのシン・ニシボリ氏に、このインタビュー記事にベースにしてアイフォンのデザインをするよう指示した」と主張した。 アップルは、三星の主張をすべて弁論に含ませることは受け入れられないとして反発した。コ裁判官は前日の29日、この内容をすべて弁論に含ませないよう命じたが、三星電子が二日連続で強く要請すると態度を変えた。裁判官は、「双方が協議してニシボリ氏を証言台に立たせる方向で模索せよ」と命令した。 だが、ニシボリ氏は同日、弁護士を通じて「今月初めにアップルを退社しており、現在ハワイにいて健康問題も重なって出頭要請に応じられない」と話しており、証人としての出頭が実現するかは微妙だ。 アップルは昨年10年に死去したジョブス氏の写真を見せながら、陪審員の心情に訴える戦略を押し通した。三星電子は、「裁判の公正さを毀損する恐れのある人気取り演出」だと反撃したが、受け入れられなかった。 裁判の進行手続きを整理した後、コ裁判官は陪審員候補74人を対象に、△三星電子やアップルで勤務した経験があるのか、△使っている携帯フォンが裁判に影響を与えないかなどを質問した上で、最終的に10人の陪審員を選定した。 本案訴訟は1週間に3回、1日に2回ずつの集中審理を行う。8月末か9月初めには陪審員評決が出る予定だが、裁判官は陪審員の意見を反映して判決を言い渡す。 アップル対サムスン裁判でわかった意外な事実5点2012.7.31 12:30 ・サンケイ これまで公表されていなかったアップル製品の利益率、ソニー製品から影響を受けていたiPhone試作品など、アップル対サムスンの裁判資料から判明した興味深い事実5つを紹介。 アップル対サムスンの裁判を通して、これまでは両社のドアの後ろに隠されてきた、iPadやiPadの開発初期の情報がわかるようになってきた。以下、7月26日(米国時間)に公表された裁判資料から、興味深い事実5つを紹介しよう。ソニーの影響を受けたデザイン サムスンの裁判書類(PDF)によると、アップルのiPhoneデザインは、ソニーのスマートフォンから着想を得ていたようだ。 「iPhoneのデザインが着想されたと主張されているときより前である2006年2月、アップルの幹部であるトニー・ファデルは、スティーブ・ジョブズやジョナサン・アイヴらに、あるニュース記事を回覧した。この記事では、ソニーのデザイナーが、ボタンなどの『過剰な装飾』がない、手にフィットする、『画面のある四角形』で『角に丸みが付いた』携帯電子機器のデザインを話していた」と、裁判資料は説明している。 アップルの工業デザイナーである西堀晋がこのデザインのモックアップを作成したが、この際のCAD図面では、背面にソニーのロゴまで入っていた。 西堀氏の証言によれば、同氏のデザインはiPhoneプロジェクトのコースを変え、現在のiPhoneにつながったという。アップルの利益率 アップルはこれまで、個々の製品については利益率を明らかにしてこなかった。しかし裁判資料によって、2010年4月から2012年3月までに販売されたiPadは利益率が23~32%であったことが判明している。金額にすると約130億ドルだ。 しかしiPhoneの利益率には及ばない。同期間のiPhoneの利益率は49~58%、金額は330億ドルだった。アップルは顧客調査をしていた アップルは、新製品を開発する際に市場調査やフォーカスグループを行わないことで有名だ。しかし、発売した製品については顧客の反応を調査し、将来の製品開発に役立てていることが判明した。 裁判プロセスの非公開化に関する共同の申し立てによると、アップルは年に4回、iPhone購入者の詳細な調査を実施している。裁判所文書によるとこの調査は、「Androidなどの競合製品ではなくアップル製品を顧客が購入する要因が、国ごとにわかるもの」だという。最も製品に満足しているのはどの層か、さまざまな機能に反応するのはどの層か、国によって顧客の好みに違いがあるかといったデータが採られている。 アップルはこの調査結果について、来週始まる訴訟手続きでは陪審にのみ開示することを求めている。「アップルが同社の顧客ベースの好みについてどう考えているかを知ることは、アップルと競合する企業にとっては非常に価値がある。アップルが次にどんな機能をいつ、どの市場向けに提供するかが推測できるからだ」 そのような調査のひとつを、「アップル市場調査・分析、2011年5月(Apple Market Research & Analysis, May 2011)」という裁判書類で垣間見ることができる。例えば、アップル製品の購入を決めるいちばんの理由は、ほとんどの地域において「アップルブランドの信頼」だ。また外観とデザインも、調査が行われたほとんどの国で上位にある。サムスンは「コピー」を警告されていた 裁判資料によると、グーグルはサムスンに対して、サムスンが製作したAndroidタブレット試作品である「P1」と「P3」--後の「Galaxy Tab」と「Galaxy Tab 10.1」--は、見た目がアップルのiPadに「あまりに似ている」と伝えていた。グーグルは「P3とiPadを並べて見分けがつくデザイン」を求めていた さらに、サムスンのプロダクト・デザイン・グループ自身が2001年に、スマートフォンの「Galaxy S」について、古い「iPhone」に「似ている」のは「残念だ」と書いていた。 裁判書類でアップルは、「サムスンが委託した正式な評価のなかで、有名デザイナーたちが、Galaxy SはiPhoneを『コピーしすぎているように見える』と警告していた」としている。サムスン委託の調査ではほかに、サムスンのアプリ・アイコンも、「iPhoneに似すぎ」だと指摘されていた。iPad試作品 アップルが作成していたiPad試作機は、いま人々が気に入っているようなスリムでシンプルなものではなかった。実際、最も初期に作成された試作機はかなりの厚みがあった。上の画像は2002年から2004年のものだ。 また、初期試作機の画像によると、アップルは「iPod」ブランドとキックスタンドの採用を考えていたようだ。資料によれば、キックスタンドについては何種類かが試された模様だ。上のグロテスクな画像を見ると、アップルがこの考えを取り下げたことは正しかったと思える。TEXT BY CHRISTINA BONNINGTONTRANSLATION BY ガリレオ -緒方 亮/合原弘子