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カテゴリ:作家
第86回は、公序良俗に抵触する可能性がありますので、掲載を中止しました。
このブログが削除されないようにしたいので、ご理解の上、ご了承願います。 =================================== あらすじ 悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。2年の春、写真部の新入生歓迎撮影会で、小平由樹枝に会う。その後、恋人関係になる。3年の夏休み、北海道無銭旅行を遂行。大学の推薦が決まった後、上高地へ出かけ二人は結ばれる。実力試しに受験したW大学に合格するも、M大学に進学する。 写真はyahooより借用 =================================== 二人が目覚めたのは、30分程たった頃であろうか? 気怠さの中の心地よさ、事が終わった後、このように二人で眠れたのは、初めてである。由樹枝の部屋で愛し合う時は、慌ただしい気配の中で行うしかなかった。終わった後も、すぐに後始末をして勉強に向かうのであった。由樹枝は、今、初めて絶頂感と、その後の心地よさを味わったのである。心も体も悠介を愛していると思う由樹枝であった。 二人は、夜中にもう一度、朝方にさらにもう一回愛し合った。そして、疲れて寝入って、起きたのは、10時を回っていた。若い二人に疲れは残っていない。大きな満足感に相応しい、爽やかな目覚めであった。 「気持ちいい、朝だなー。」寝起きの布団の中で、悠介は言った。 「疲れてないの? あんなに激しかったのに?」 「全然、もう一回でも出来るよ。」 「エッチねー。」 「腹減ったなー、起きるか?」 「ええ、起きましょう。お腹空いた。」 「帰したくないなー、ずっと一緒にいたいよ。」 「それは同じだけど、仕方ないでしょう? 我慢してね。」 二人は、起きだして、歯を磨き、準備をして、朝食と昼食兼用の食事に出かけた。いつもの食堂である。ここは、朝定食がある。もう昼近いが朝定食を準備してくれた。 「ずいぶん、ゆっくりねー。昨夜は遅くまで起きていたの?」 「もう、これから、ゆっくり会えなくなるので、話し込んでしまいました。それから、ぐっすり寝ました。」 「若いとよく眠れるからね。」 お店のお姉さんも若いと思うが、悠介達は、さらに若い。 朝定食は、納豆に生卵に海苔と典型的な和食である。悠介は、ご飯をお代わりして2杯も食べた。 「いや、食ったなー。腹一杯だ。」 由樹枝も少しだが、2杯目のご飯を食べた。昨夜からの激しい運動と、朝食も食べていないので、お腹がすくはずである。 「どうする? 東京のどこか見学してから帰る?」 「いや、早く帰って勉強する。昨日は全く勉強なしだったし、ちょっと焦っちゃうわ。」 「そうか、じゃー、駅まで送るよ。」 そんな会話を交わした後、部屋に戻った。もう帰ってしまうかと思うと、寂しさが悠介を襲ってくる。まだ帰したくなかった。 「お茶飲んでから帰る?」悠介が名残惜しそうに聞いた。 「そうね、食べたばかりだし、もう少しゆっくりするかな?」 お茶を飲みながら、これから、どのように会えるか、などを話し合った。由樹枝が東京へ来るケース、悠介が長野に行くケース、どこか中間点辺りで落ち合うケース、その位が考えられた。悠介が長野へ行くケースが、一番良いのであるが、それでは、ゆっくり愛し合う場所がない。そこがネックである。二人だけでゆっくりするには、由樹枝が東京に来て、悠介の部屋に泊まるのが良い。しかし、それでは、由樹枝の勉強の時間が割かれてしまう。 少ない時間を有効に使わねばならない。話しても結論が出ない。由樹枝の勉強の進行に合わせて、どこで会うか決めようと言う事になった。由樹枝が大学に入れば、会う余裕が出る。従って、二人とも、この1年は我慢しようと言う事で一致した。しかし、最低、1ヶ月に1度は会いたい、との気持ちも一致している。何とか、都合を付けて、1ヶ月に1度は会おうと約束した。 悠介は、もう一度愛し合いたい誘惑に駆られたが、何度してもキリがないと送る事にした。御茶ノ水駅まで送ったが、そこで別れるのは辛くて一緒に電車に乗ってしまった。そして東京まで行った。そこで由樹枝の家にお土産を買ってあげた。このまま長野まで一緒に行きたい気持ちになってしまったが、かろうじて堪えた。由樹枝が改札口に入って行った姿を見ると、涙が出そうになる。由樹枝は振り返り、元気に手を振って階段を登って行った。しかし、後で、その時の事を手紙で送ってくれたが、寂しくて悲しくて、汽車の中でずっと泣いていた、とあった。 悠介も、東京駅から宿に帰る途中、そして、部屋に戻っても、寂しさが胸を襲い、どうして良いか分からなかった。何をしても手に付かない。ぼんやりとテレビを見ているだけであった。今までは、1週間に2回も会っていた。これから1ヶ月は会えないのである。しかし、もう2度と会えないのでなく、1日1日が過ぎて行けば、いずれ、会えると、気持ちを切り替えた。そして、これからの大学生活について考える事にしたのである。 =================================== お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2020.07.08 11:22:03
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