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貧乏旅人 アジアの星一番が行く 世界への旅

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2024.01.02
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カテゴリ:作家



あらすじ
悠介は、長野県安曇野の隣、池田町に産まれ、長野高校に進学した。大学は東京のM大学である。その間、小平由樹枝と良いお付き合いをした。大学2年になりとあるコンパで飲み過ぎて矢代美恵子と深い関係となる。小平由樹枝を愛していたが、愛想をつかされ振られてしまった。その後、美恵子とは変則的な付き合いを行い、1年先輩の美恵子は就職して大学もアパートも去った。悠介は大学4年になり就職活動も終わり、希望の会社に就職も決まった。そして友人高橋の結婚披露宴も無事終了。その後新婦の友人の唐橋由美子と親しくなったが、あまりに積極的な彼女に右往左往する悠介であった。別れたいが別れさせてくれないので困っている。一方、美枝子は玉の輿と言える結婚する事になった。3月末、悠介は就職の為、神田川辺のアパートから引っ越しする。実習中に由美子が自殺未遂をしたと言う連絡を受けて真っ青になった。大内人事課長と由美子の父親に会い、慰謝料も支払い由美子の心の問題を除けば問題は解決した。悠介は希望の鹿沼工場に配属され社会人生活が始まった。
悠介は女性問題からタイのシラチャへの出張が決まった。



写真はネットより借用

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バンコクからシラチャまで2時間位かかると、大森が説明してくれた。バンコクは大都市だなーと、車窓を眺めながら悠介は思った。車の中で大森が現状を説明してくれた。まだ建設は始まったばかりで、基礎コンクリートを打ち始めたばかりであるとの事、悠介は大学時代に4年間、建築工事のバイトを行っていたので、その辺りは良く承知している。まさかバイトの仕事が役立つとは思わなかった。

日本人は所長が1名、総務関係が2名、技術関係が2名の5名、現地社員が4名の総勢、9名との事である。それに運転手が3名いる。この体制になったのは、まだ1ヶ月程前だったと大森から説明された。
「1ヶ月以上前は、人数が少なかったのですか?」
「そうそう。所長と技術の丸山と3人だった。俺は半年前から来ているけど、宿探しから色々と大変だった。始めは運転手も居なかったし、移動も大変だった。今はずいぶん体制も整って楽になって来たよ。寺本君は良い時に来たよ。」
「そうですか、足手纏いにならないよう頑張ります。」

シラチャには、2時間で着いた。まずは宿に案内された。新築の宿で清潔であった。居室は8畳程度の部屋であるが悠介には十分である。ベッドと机に椅子も置いてある。トイレと湯舟はないがシャワー室が付いている。日本と比べたら広すぎる位である。
「今日は、出勤しないから、ちょっとゆっくりして18時頃食事に行こう。」
「はい、お願いします。」
悠介はトランクから荷物を出して、衣服を洋服ダンスに整理した。歯ブラシなども洗面室に配置した。作業着も一着日本から持参した。明日は作業着で出勤の予定である。わずかな時間で整理出来た。椅子に座って部屋を眺める。部屋の窓からは、道路が見える。舗装はされていない。まだ発展途上である事が理解できる。

悠介は文系であるが、工事とか好きである。捨てコンを打ち、配筋して基礎を立ち上げ、コンクリを流す。4年間もバイトで培った経験がある。そして新入社員であるのに、海外の大工事に携われる事に幸せを感じていた。
18時前に、ロビーに降りて大森を待った。
「じゃー、行こうか。」
18時ぴったり、大森がやって来て声を掛けてくれた。日本食堂へ行くとの事である。そこは歩いて5分程度の近くにあった。
「サワデーカー。」若い娘さんが迎えてくれた。まだこの辺りも工事も途中で、店はそう多くない。工事関係の労働者目当ての食堂やレストランがポツポツとある。タイ料理の店も掘立小屋のような店が並んでいた。

「もう少し経ったら、皆さんも来るよ。工事現場はここから車で20分位かな?」
「意外と近いのですね。」
「一応、18時までが勤務時間なので、30分もしたら皆さんが来ると思うよ。」
「はい、分かりました。」
「ビールを飲んで待とう。飲めるのだろう?」
「はい、飲めます。でも飲み過ぎると正体を失うので気を付けています。」
「そうかい、正体を失うか? 初めは自分がどの位飲めるか分からないから、失敗もするさ、まぁ、仕事もそうだけど、やっている内に慣れるよ。」
枝豆などの軽いつまみを頼み、大森と飲んでいる。車の中から彼の話を聞いて、現状の概ねは理解できている。

18時25分、皆さんがやって来た。悠介を含めて総勢6名である。
皆さんが席に着き、ビールを頼んでグラスに注いだ。
「取り敢えず乾杯しよう。良いかな皆んな?」
「寺本君、良く来てくれました。それでは乾杯!」
「乾杯!」
「ありがとうございます。何も知らないので、よろしくお願い致します。寺本です。頑張って、皆さんのお邪魔にならないよう努力します。」
「まぁ、そう硬くならずとも良いよ。まだ少人数のチームだからね。」
「自己紹介するとね、私が所長の加山です。もう2年後に定年なので、最後の仕事と思って張り切っています。よろしく。」
「よろしくお願い致します。」
一人一人が簡単に自己紹介してくれた。所長に総務が2名、技術が2名の5名であった。そこに悠介が加わったのである。

「両課長も1ヶ月前に赴任したばかりだ。暫くは5名体制で行く事にしていたが、急に本社から、新人が行くのでよろしくと言われたのだよ。どんな事情があったのか知りませんが、まだそう忙しくないから、大森君と共に気楽にやってくれ。」
加山所長がそのように説明してくれた。悠介本人も出張を命じられてから1ヶ月も立っていない。当然、現地も知らなかったはずである。

料理が運ばれて来た。いつの間にか大森が注文してくれたようである。

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Last updated  2024.01.02 18:15:24
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