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むかし寒い北の国に
「氷の王」が居ました。 氷の様に冷たい心を、お持ちなので皆氷の王と呼びました。 家来に落ち度が有ると、 「罰じゃ。」 「死刑にせよ。」 国中の人々が怖れました。そんなある日、 朝食に出たのが、温かいスープでした。 「このわしには温かすぎる。」 何ともしようの無いものです。 氷の王が食事をしていると奥の部屋から音がしました。 「うむ。あの音は何じゃ。」 すると家来が言いました。 「音楽でございます。」 「その音楽を持って来い。」 家来は何を思ったか奥の部屋から「たて琴」を持って来ました。 「たて琴」は何にも音を出しません。 「音楽はどうした。」 家来は怖れて何も言えませんでした。 王は「たて琴」をひっくり返しては、 「音楽はどれだ。」 本当に音楽を聞いた事が無かった様ですね。 音楽は「たて琴」の中からは見つから無かったようです。 魂を揺さぶるメロディーは楽器の中には無く、 楽器の演奏者の心の中に有るんでしょう。 それが、 聞くものの心 魂を揺さぶる、 聞く者と 奏でるものの 魂が共鳴する。 誰の心の中にも 音楽を解する魂は有るのです。 侍女の一人が 「私めが奏でましょう。」 すると、 たて琴の中から 麗しい音が 湧きだして参りました。 「陛下如何なされました。」 流石の氷りの王も 音楽の魂には 涙を流さずには おれませんでした。 實は生命の實相の三十六巻を 拝読致して居りました処、 題四章の 谷口雅春先生のご文章中 先日「涅槃経」を読んでおりましたら、 面白い譬えがあったのであります。 (略) 音というのは、生命の響きに譬えたのので ありますが、 生命の響きというものは この楽器の中にはないのであって、 楽器の弾手の心にあるのです。 云々 其処を拝読しまして、 思わずこんな、 駄文を思い着いた訳です。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2012.05.01 23:13:12
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