|
テーマ:おすすめ映画(4019)
カテゴリ:戦争映画
1966 アメリカ 監督:マーク・ロブソン
出演者:アラン・ドロン、アンソニー・クイン、モーリス・ロネ、クラウディア・カルディナーレほか 129分 カラー 第二次世界大戦後もフランス植民地であったベトナム独立(インドシナ戦争)(1946~1954)、アルジェリアの独立戦争(1954~1962)をフランス軍側から見たアクション映画。インドシナではフランス軍大敗のディエン・ビエン・フーの戦いから始まり、アルジェリアではアルジェリア民族解放戦線(FLN)組織の初期段階あたりまでを描いている。いずれも、フランスの一方的な植民地支配に端を発しているため、どうもフランス軍側に好感を抱く事ができない。映画中でもフランス軍の覇権的なふるまいが随所に描かれており、どちらかというとアルジェリア独立運動を好意的に描いているようだ。 主役の一人はアンソニー・クインでフランス軍の連隊長役を演じている。上昇志向の強いちょっと悪者を好演している。もう一人の主役アラン・ドロンはその部下役だが、アルジェリアの女に入れあげるなどちょっと色男のやさ男役。さすが、アメリカ映画だけあって女性とのラブロマンスは必須なのだ。 題材から言えば、かなりのシリアスものが作れるのだが、本作は史実根拠なしのアクション重視となている。そのため、ストーリーに重みがないので全体に盛り上がりに欠けるきらいがある。いくらアクションを派手にやったところで、その裏にある背景や意図が見えてこなければ幅がないのだ。 フランス軍の連隊だといっても、連隊長自らが最前線に出てるし、登場するのはやっと中隊規模。対するFLNも元フランス兵が指揮しているのだが、その構成や政治的背景が今ひとつ明確でない。 もう一点苦言を呈するならば、連隊長役のアンソニー・クインを除いて、他の役柄の性格付けが今ひとつ明瞭でない事。凶暴なのか、温和なのか、嘘つきなのか、もっと明瞭にわかるようになっていれば、作品に入れ込む事もできたであろうに。 登場する兵器類としてはヘリコプターのほかはジープとトラック、迫撃砲くらいで、ほとんど経費がかかっていないようだ。ちょっとアクション系としては寂しい。ヘリコプターは仏軍国籍をつけたベル47とシコルスキーH-19(ウエストランドホワールウィンド)が出てくる。撮影地はわざわざアルジェリアで撮ったとも思えないので、アメリカ国内撮影と思われ、これらのヘリコプターも米軍か民間のものを使用したのではないだろうか(推測)。 余談だが、アルジェの売春婦役のクラウディア・カルディナーレはチェニジア出身のグラマー美女。すごい爆乳なんだが、水着のシーンで後ろ姿見たらゲンナリ。全体にドカーンだったのね・・・ 興奮度★★★ 沈痛度★★ 爽快度★★ 感涙度★ (以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい) 1954年のフランス植民地ベトナム(インドシナ)。ベトナム民主共和国軍(ホーチミン軍)の猛攻の前にフランス軍はディエン・ビエン・フーを要塞化して立てこもっていた。 5月7日、連隊長ラスペギー中佐以下、腹心ボアフラ大尉、アルジェリア人マヒディら守備隊のもとへ、仏軍メリーズ将軍が空挺部隊を送り込んでくる。しかし、敵に包囲されており、良いように撃ち殺されるフランス兵を見て、ラスペギー中佐はメリーズ将軍の戦術を非難する。その際に空挺部隊の指揮官クレアフォン少佐が戦死する。また、記録係のエスクラビエ大尉は地元民を使って弾薬を持って来る。その賢さをラスペギーは評価する。 しかし、ベトナム軍の猛攻の前についにディエン・ビエン・フーの守備隊は捕虜となる。 7月22日、ついに休戦委員会が発足し、ラスペギー中佐らは解放され本国に帰国する。ところが、本国で待ち受けていたのはラスペギー中佐の解任だった。メリーズ将軍の言う事を聞かなかった罰である。他の兵隊も解散となり、エスクラビエ大尉はラスペギー中佐にクレアフォン少佐の妻に会うように進言する。クレアフォン少佐の妻は良家の出で将軍らに顔が広いのだ。 農民出のラスペギー中佐にクレアフォン夫人は最初は不快な顔をするが、次第に二人は恋仲になっていく。その結果、今後反抗しない事を約束にアルジェリア派遣の第10パラシュート連隊長に任命される。クレアフォン夫人には将軍になって凱旋したら結婚しようと約束する。 フランス植民地のアフリカ アルジェリアでは独立運動が強くなっていた。アルジェリア第12軍管区司令官はメリーズ将軍だった。メリーズ将軍はラスペギー中佐に反抗勢力が出没するガフェスへ出動を命じる。一方、元の部下で唯一戻らなかったアルジェリア人のマヒディを探しに行くが、マヒディの家は焼き払われていた。 ラスペギー中佐は行軍中に解放戦線の待ち伏せ攻撃を受ける。ボアフラ大尉の活躍で敵を制圧してみると敵は仏軍の機関銃を使用していた。アルジェリア市警の武器が奪われていたのだ。さらに解放戦線のリーダーがマヒディであることも判明した。 解放戦線の諜報員アーメドの手引きでラルム村に向かった仏軍のマール中尉ら3人が惨殺される。怒り狂ったボアフラ大尉はエスクラビエ大尉の制止も聞かずにラルム村の男を全員射殺する。非道な行いに困惑するラスペギー中佐だが、逆にこれを利用する事を思い立ち、アルジェリア住民に恐怖心を植え込む。一方、旧友マール中尉を殺したアーメドをマヒディは射殺する。 チュニスから大量の武器が解放戦線に流れたとの情報があり、ラスペギー中佐はアルジェ市内に戻り、武器の搬入を阻止する使命を帯びる。市民全員の身分を調べ上げ、通行を制限する中、エスクラビエ大尉はアルジェの売春婦アイシャに恋をする。アルジェ女とつきあうなというラスペギーの忠告も無視して、エスクラビエは熱を上げる。しかし、アイシャはマヒディの妹で、エスクラビエを利用して爆弾製造の雷管を運んでいたのだ。 市内各所で攪乱のための爆破が起き、怪しい者を投獄・尋問した結果、ついに歯科医師ベン・サドとその一味が捕まる。その一人にアイシャがいた。困惑するエスクラビエ大尉だったが、兄のマヒディを殺さないという約束で、マヒディの居場所を聞き出す。ラレム村の一件などで本国憲兵隊の召還命令(解任間違いなし)を受けていたラスペギー中佐は、手柄を立てなければという一心で、マヒディを殺さないと約束をして、解放戦線が立て籠もるオーレス山に向かう。 マヒディら解放戦線の抵抗で、フランス軍兵士が次々殺されていく。通信兵をやられて怒る狂ったボアフラ大尉は無謀な突撃を始める。ラスペギー中佐は救護ヘリを用いて解放戦線の背後にまわる。背後からの攻撃で解放戦線は壊滅的な打撃を受け、マヒディも重傷を負う。 マヒディに降伏を諭すエスクラビエ大尉とラスペギー中佐だったが、横からボアフラ大尉が銃殺してしまう。何故殺したと怒るエスクラビエに、ラスペギーはボアフラは優秀な兵士だと取り合わない。 見事解放戦線を叩いた連隊は大十字勲章を授与される。ラスペギーは念願どおり将軍に昇任する。次々に勲章を授与される姿を横目に、除隊したエクスラビエは兵舎を出て行く。しかし、その先で「INDEPENDENCE(独立)」の文字を消す市民の傍ら、懲りずに「INDEPENDENCE(独立)」の文字を書く少年がいた。エスクラビエはそれをみて笑うのだった。 DVD検索「ロスト・コマンド」を探す(楽天) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[戦争映画] カテゴリの最新記事
|