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2008年01月18日
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カテゴリ:戦争映画
ビデオ1954 イギリス  監督:マイケル・アンダーソン
出演者:マイケル・レッドグレーブ、リチャード・トッド、ウルスラ・ジーンズほか
120分(日本公開は102分) モノクロ 
 THE DAM BUSTERS


 第二次世界大戦における英国空軍の著名な活躍の一つ、「ダム破壊作戦」を題材にしたヒストリードラマ。日本語版のDVDもビデオもなく、英国版での視聴のため詳細な会話等についてはあまり理解できていないが(汗)、航空アクション、ドキュメントヒストリーものとしては上質の出来に入るだろう。
 ドイツ工業力の弱体化を狙ったイギリスは、電力供給源であるドイツ西部のルール地方にあるダムを破壊し、下流域の工業地帯を無力化するという、無謀とも思える作戦を計画、成功させている。その爆撃を実行した第617飛行隊指揮官ギブソン中佐の報告書及び、ハロルド・ブリックヒルの小説をもとに制作された映画で、作戦の計画と兵器類の開発に当たった兵器会社ヴィッカース社技師バーンズ・ウォリス博士を物語の中心に据えて展開していく。

 対象となったダムはモーン、エーダー、ソープの3つのダムで、ダムの堰堤に亀裂を入れることで水圧で自壊させるというのが基本作戦だ。しかし、爆撃では堰堤に当てにくいし、魚雷攻撃では防御網が多重に張られていて不可能だった。そこで、ウォリス博士は、石を水面に投げる水切り遊びにヒントを得て、特殊爆弾を水面上を跳躍させてダム堰堤に当て、水中に沈んだ所で爆発させることを発案する。あとは、爆撃隊の腕次第であり、防諜目的からたった5週間の訓練で、高さ60 フィートの飛行訓練と、特殊爆弾投下の技術及び装備の開発を余儀なくされる。史実では、アブロ・ランカスター爆撃機に5トン特殊爆弾を搭載した19機が出撃し、3つのダムの破壊に成功。うち8機が未帰還となっている。ちなみに、ギブソン中佐は本作戦では生還するが、後の戦闘で戦死している。

 本作は、史実にかなり忠実に製作されているようで、爆撃作戦実行シーンで若干の省略と変更がなされているが、ほぼ史実通りと言って良いだろう。空軍幹部などへの説得や、幾度もの実験と修正の過程がメインに描かれ、ギブソン中佐の愛犬「二ガー」が事故にまきこまれるのも史実らしい。こうした、技術的な側面や裏話を中心にした映画は、やや盛り上がりやインパクトに欠けるが、内容的には非常に面白い。作戦の成功失敗の結果やヒーロー的アクションもいいが、このような背景があることを知るのも探求心をくすぐるのだ。例えば、特殊爆弾の仕組みであるとか、夜間に低空飛行高度を保つための工夫、投弾距離を測る工夫など、極めて単純な発想ではあるが、こうした技術が人の生死を左右するのだということに感銘を受ける。

 映像では、ウォリス博士によるプールを使った実験シーンや爆撃機の低空飛行訓練シーンが興味深い。実物大の実験プールを使用した撮影は大がかりだ。また、航空機類は全て実機で、アブロ・ランカスター爆撃機が実際に飛行している姿は迫力満点。特に湖面すれすれに飛行するシーンは圧巻だ。ランカスターと極似するアブロ・リンカーンも使用されているようだ。また、投弾実験に使用されている機体には、記録映像も含めてブラックバーン・ボータ爆撃機やモスキート爆撃機の姿が見える。
 機内からのシーンやダム攻撃シーンは一部合成やミニチュアが用いられ、対空火砲類の砲弾光も合成となっているが、飛行にあわせてカーブしているのはなかなかリアル。投弾を援護するために、投弾を終えたランカスターが併走して銃撃するシーンも格好良い。

 ラストシーンには記録映像なのだろうか、水浸しになった工場や建物群が映し出される。本作では、ダム破壊のミッション成功という、栄光の場面だけが描かれているが、ダム決壊の被害を受けたルール川沿いの被害者もいたことも忘れてはいけない。戦争には必ず表と裏があるのだということを、図らずも思い出させてくれた。 



  
興奮度★★★
沈痛度★★★
爽快度★★★★
感涙度★



!(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)
 第二次大戦中、イギリスの兵器会社ヴィッカース社のバーンズ・ウォリス博士は、ドイツ工業力を弱体化させるため、ルール工業地帯の電力源となっているダムを一気に破壊させる作戦を考える。ルール川上流にはモーン、エーダー、ソープの3つのダムがあり、ドイツ軍は1トンの鉄鋼を生産するのに100トンの水を必要としているのだ。破壊すれば400万トンの水が下流に流れ出す。しかし、ダムを破壊するには30トンを越える爆弾が必要なうえ、致命的な打撃を与えるのは困難で、魚雷攻撃にしても二重三重の魚雷防御網が張られていて不可能だった。そこで、5トンの爆弾を水面跳躍させてダム堰堤に当て、水底に沈んだところで爆発する特殊爆弾を開発する。
 ウォリス博士は、空軍のハリス大将に作戦を提案するが、なかなか承認が得られず、実験のフィルムを見せてようやく許可を得る。しかし、作戦の実行には大型爆撃機で約150フィートの高さで夜間飛行することが求められ、ハリス大将はコクラン少将に命じてベテランのパイロットを第617飛行隊として組織するよう命じる。コクラン少将は飛行隊の指揮官にギブソン中佐を任命し、ギブソン中佐はホイットワース大佐の協力で、オーストラリア人のナイト中尉、マーティン大尉、ニュージーランド人のマンロー、アメリカ人のマッカーシー、そしてイギリス人のローパー大尉、ハチソン大尉、スパフォード中尉、ティラム大尉、パルフォード曹長、ヤング少佐、モーズレー少佐、ホップグッド大尉、アステル大尉、モールトビー大尉、シャノン大尉、ヘイ大尉、レゴー大尉、パウエル曹長ら20機分の隊員を選別する。訓練期間は防諜とダムの満水時期のため5週間に制限され、ギブソン中佐は低空飛行の訓練を開始する。
 一方、ウォリス博士は跳躍爆弾の実験を続けるが、どうしても水面跳躍がうまくいかない。もはや特殊爆弾のそこで、ギブソン中佐に高度を60フィートまで下げるよう要望する。これを受諾したギブソン中佐だったが、夜間の低空飛行はあまりに無茶であった。
 ギブソン中佐と部下は、ロンドンのラインダンスを見に行った際に、二筋のスポットライトを見て妙案を思いつく。機首と後尾にライトを設置し、高度60 フィートで水面上に交差するようにセットすれば、夜間飛行が可能になるのだ。さらに、ダム堰堤まで600ヤードの投弾距離を測るため、ダムの両端を目測する測距儀を開発する。

 いよいよダム攻撃の日が近づく。ギブソン中佐はブリーフィングで初めて作戦の内容を明かし、三派に別れての攻撃編成を示す。ギブソン中佐の第一派は9機からなる主力で、第二派はマッカーシー大尉ら5機、第三派も5機となった。その日、ギブソン中佐の愛犬ニガーが事故死する。
 19機133人の搭乗したランカスター爆撃機が離陸。海上を低空で飛行し、オランダ沿岸に上陸を果たす。さらに、ドイツ国内へ入りルール川に沿って遡上を開始するが、ドイツ軍の対空放火が激しさを増す。アステル中尉機が撃墜される。
 ギブソン中佐機はモーンダム上空に到達し、激しい対空放火の中、跳躍爆弾を投下する。爆弾は見事堰堤で爆発するも堰堤は壊れない。続いて2番機のホップグッド大尉機が侵入するが被弾し、爆弾はダムを越えて爆発。大尉機も爆発する。3番機のマーティン大尉きは投弾に成功するがダムは壊れない。4番機ヤング少佐機の番となり、ギブソン中佐は対空放火を抑えるため、1番機と3番機の機銃掃射援護を行う。ヤング少佐機の投弾が成功し、ダムはゆっくりと倒壊していく。本国の無線で傍受していたハリス大将、ウォリス博士らは歓喜する。
 さらに、6番機シャノン大尉機以降の3機はエーダーダムに侵入し投弾するが、7番機のモーズレー少佐機は投弾後に迫る山腹に激突してしまう。8番機のナイト中尉機の投弾でエーダーダムは決壊する。
 この攻撃によりルール下流域の工業地帯は水浸しとなり、ドイツ工業は大打撃を受ける。作戦終了後、ウォリス博士はギブソン中佐から出撃19機のうちホップグッド大尉、モーズレー少佐、アステル中尉機が墜落し、ヤング少佐機は帰りの海上で墜落。さらに4機が行方不明となったことを知らされる。56名もの隊員を失う危険な任務であったならば・・・と悔やむウォリス博士を、ギブソン中佐はそれでも彼らは行っただろうと慰めるのだった。





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最終更新日  2008年01月18日 09時10分04秒
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