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2008年02月07日
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テーマ:戦争反対(1190)
カテゴリ:教育時事
 最近、職場の若い衆や学生さんと「仲間意識」について話す機会がありました。しかし、若い人たちには余り仲間意識という感覚はないようで、「結局は個人ですから」という答えも結構多かったのです。昔のように飲みに行く機会も激減していますし、定時退社、権利の主張も当たり前になっているご時世ですから、人と人とのつながりが希薄になっているのも致し方ないのでしょうが。
 

 ミリヲタ的見地から言えば、仲間=戦友という構図がすぐに頭に浮かぶのですが(笑)、仲間というのは私利私欲を超えて、ある一定の価値観を堅守するグループのことを指すのだと理解しています。
 例えば、戦友で言えば、生死という価値観を前提に結ばれたグループということになります。一人では戦えないわけであり、自分の身勝手が仲間を殺し、仲間の身勝手が自分の命を奪う。そこには、その他の価値観、信条の相異はまるで関係なく、どんなに友達になれそうもない相手であってさえも、最低ラインである生死という価値観だけは堅守されなければならないのです。戦場において命令違反、脱走、離脱行為が厳罰に処されるのは、この生死の価値観を崩すことになるからなのです。

 戦場での仲間意識は極端な例ではありますが、一般社会においても少なからずこうした仲間意識によって構成されているのではないでしょうか。会社しかり、学校しかり。言い換えれば、限定的なルール、モラルでもあるわけですが、この仲間意識が希薄になれば、組織としての基盤がぐらついてきます。

 ある若者が言いました。
 「それは派閥のようなものですか。」

 「似たようなものだけれども、違うんじゃないかな。派閥は自分の権利を主張するためのグループだけれど、仲間は共通の義務を課したグループなんじゃないかな。」

 「自由主義社会では、権利を主張して戦わせてこそ発展があるんじゃないでしょうか。」

 「もちろんそれは正しいと思う。でも、一定のルールがなければ、裏切り、造反などかえって混乱を招くことにもなるだろうね。」



 仲間意識は、ややもすると、馴れ合い、コネクション主義、贈賄の温床にもなりやすい性格を持っています。同窓生、同郷などもその一種と言えるでしょう。
 近年ではこうした弊害を排除するため、公正性、透明性の強化によって仲間意識を意図的に排除する傾向は強いように感じます。確かに、公正性、透明性は大事なことではありますが、他人をまるで信用しないシステムは、本当に無機的で味気ないものです。逆に言えば、他人に厳しい公正性、透明性の目の監視下で、日々怯えて暮らすのは果たしてどうなのでしょうか。人間、そんなに完全な生き物じゃないですからね。

 まあ、そんなことを考えながら、日本人には実は一番適していると思われる(笑)、仲間意識の復権の日はくるのでしょうか。





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最終更新日  2008年02月07日 09時52分00秒
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