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2009年02月25日
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カテゴリ:戦争映画
ビデオ1970 イタリア 監督:フランチェスコ・ロージ
出演者:マーク・フレチェット、アラン・キュニー、ジャン・マリア・ヴォロンテほか
102分 カラー UOMINI CONTRO/MANY WARS AGO

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 第一次大戦時のイタリア軍対オーストリア軍の戦闘を背景に、イタリア軍内部の確執と矛盾を描いたシリアス系ヒューマンドラマ。無謀な突撃命令を下す無能な上官と、それに反抗する兵士との板挟みとなった士官の苦しみと立ち振る舞いがメインとなっているが、そのテーマ性や展開は同じく第一次大戦のフランス軍を描いた「突撃(1957米)」に類似している。とはいえ、単なるパクリというわけでもなく、しっかりとした設定とストーリー性により独自の第一次大戦史観というものを感じることができる佳作である。映像とカメラワーク、編集のつなぎに若干の稚拙は残るものの、マカロニコンバット映画全盛期において、こうしたシリアス系映画がしっかりと作られていたことに感動する。

 課題としては、登場人物の性格付けが浅めで、登場する主要人物の階級や立場がややわかりにくいことと、エピソードの繋がりに脈略のない箇所が多少あるために、一回見ただけでは全てを把握しがたい点がある。イタリア人の顔がわかりにくいことも相まって、完全に映画にのめり込むことが出来ないままに進んでしまい、心に響くインパクトを欠いてしまっているのが残念。エキストラ数や砲撃、突撃シーンの映像やスケール感はなかなかのものだっただけに、ストーリー性や登場人物への心情移入がもっと出来ていれば、主題である軍内部の確執や矛盾告発がもっとリアルに、シリアスに感じることも可能だったと思われる。

 いずれにせよ、第一次大戦時の上官の無能さに起因する、無謀な作戦や指揮系統の乱れというものはしっかりと描かれており、第二次大戦にはない、毒々しい緊迫感と恐怖を十分に堪能できる。兵卒の命は第二次大戦時以上に軽んじられ、単純で無謀な突撃は悲壮感を通り越して、怒りさえ感じてくるのだ。特に、それが余り日の当たることのないイタリア軍であるというレアさが新鮮だ。
 戦闘シーンでは銃撃戦、白兵戦、砲撃シーンが多く描かれているが、第一次大戦特有の塹壕戦の恐怖感もしっかりと描かれている。監視所に撃ち込まれる狙撃兵の銃弾は、塹壕戦ならではの近距離戦の恐怖を感じさせるし、敵味方中間地帯の空間は目に見えない固まった緊張感をヒシヒシと感じさせる。

 本作に描かれているのはオーストリア軍に対峙するイタリア軍師団で、無能な師団長はレオーネ大将となっている。主人公のサッスー中尉は第291連隊第2 大隊所属の中隊長で、大将の命令に忠実な大隊長マルキオーディ少佐と対立していく。元の上官だった大尉以下は中尉に好意的で、兵卒らの信頼を勝ち得ていく。だが、士官は士官であり、兵卒と迎合するわけにもいかず、責任と人情の板挟みとなっていくのだ。

 「突撃」と同様に結末は決してハッピーではない。怒りさえも感じる、軍の不可解な矛盾が心に重くのしかかってくる。だが、見終わった後に比較的早く鬱屈感が抜けていくのは、題材がはるか昔となった第一次大戦だったからであろうか。今では考えられない倫理観と常識が、他人事のように思えてくるからかもしれない。今の言葉で言えば「ありえなーい」、そんな言葉が思い浮かぶ作品であった。 

興奮度★★★★
沈痛度★★★★☆
爽快度★
感涙度★★


!(以下 あらすじ ネタバレ注意 反転でご覧下さい)

 第一次大戦。イタリア軍師団は山岳地帯でオーストリア軍と対峙している。そんな中、兵卒のマッラージ・ジュゼッペが迷い込んでくる。脱走兵ではないかと疑われる。
 サッスー中尉は第10中隊に配属され、砲兵隊のアバティ大尉のもとにやってくる。そこから見えた風景は3000名の死者を出して撤退してくるレオーネ大将の師団第291連隊の姿だった。レオーネ大将は撤退を忌み嫌うが、無謀な突撃を繰り返したが作戦に失敗していた。さらに、先頭にいた偵察隊が敵の待ち伏せにあったことに怒り、偵察隊の責任者を射殺するようオットー中尉に命じる。無茶な命令にオットー中尉は悩み、戦死者の死体を使って責任者を射殺したように見せかける。
 砦では、脱走兵を砦外に縛り付けているが、そこにオーストリア軍騎兵隊が突撃してくる。なんとか撃退するものの、次第に状況は悪化してくる。
 レオーネ大将はフィオレ山奪回作戦を敢行。師団は再び進軍を始める。馬に乗ったレオーネ大将は馬に振り落とされ、崖から落ちそうになるが、一人の兵がそれを助ける。大将を嫌う多くの兵は余計なことをと舌打ちをするのだった。
 レオーネ大将は塹壕の中を臨検し、サンティーニ中尉、オットー中尉らの中隊を臨検する。銃剣やナイフの有効性などについて語り、自ら塹壕から顔を出して敵の狙撃にも動じない。だが、次に顔を出した伍長は狙撃されてしまい、大将は勇敢だと褒美を出す。
 大将の命令で大隊長のマルキオーディ少佐は敵の有刺鉄線を切るための尖兵を派遣することにする。決死の覚悟でアヴェリーニ中尉ら3名が赴くが、ペンチが切れずに一人死亡、一人負傷で戻ってくる。切れるペンチを用意した少佐は次にサンティーニ中尉に命じるが、中尉は無駄だと断る。しかし、臆病だと罵られ、サンティーニ中尉は部下を連れて出発する。しかし、上官の馬鹿さにあきれた中尉は隠れることもせず、堂々と有刺鉄線に赴き、敵の銃弾によって倒れる。

 大将らの無謀な作戦に、兵卒らが反乱を起こす。師団の大佐や少佐らは鎮圧に赴き、反乱に荷担しなかったオットー中尉に鎮圧を命じるが、革命を志す中尉はそれを断る。ようやく鎮圧された反乱兵らは大将の命令により20名ほどが銃殺される。
 次に少佐らは鎧を着せた兵士に有刺鉄線に向かわせるが、これもバタバタと撃たれて戦死する。撃つオーストリア兵も「もうやめろ」と騒ぎ出す始末だ。突撃したオットー中尉はついに切れ、後方の大将を殺せと立ち上がる。そこを銃撃され負傷したオットー中尉をサッスー中尉が助ける。大将は戻ってきた二人を見て何故戻ってきたのかと叱責する。
 塹壕の第14監視所は敵の狙撃兵が確実に狙撃してくる危険エリアだった。監視の不備を怒る大将に、サッスー中尉は狙撃されることを期待して第14監視所に連れて行くが、運悪く大将への狙撃はなされなかった。
 後方の病院では大佐による簡易軍法会議が開かれていた。ほとんどの兵士が自傷行為だとして厳しく裁かれていく。サッスー中尉は負傷したアバティ大尉を見舞う。
 冬になり、脱走しようとしたマッラージがマルキオーディ少佐によって射殺される。兵は士官を憎んでいた。さらに中尉らの下級士官もまた大将を憎んでいた。サッスー中尉らは噂で大将が戦死したと聞き、祝杯をあげるが、その場に大将がやってくる。
 敵の砲撃を受け、マルキオーーディ少佐は塹壕に退避するよう命令を下す。しかし、混乱した兵らは言うことを聞かない。怒った少佐は兵を並べ、10番目の兵を処刑するようサッスー中尉に命じる。しかし、サッスー中尉は拒否し、パヴァン中尉に命じられる。しかし、パヴァン中尉は威嚇射撃だけにとどめ、サッスー中尉がマルキオーディ少佐を射殺する。
 サッスー中尉はレオーネ大将に召喚され、一度も負傷してないことを指摘される。そして、サッスー中尉の平和主義観を否定し、少佐殺害の罪で銃殺を決定する。
 サッスー中尉は堂々と射殺場に向かうのだった。





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最終更新日  2009年02月25日 10時01分51秒
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