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カテゴリ:本
塩の街 有川浩 著 昭次 イラスト (2004年2月25日初版発行 電撃文庫 メディアワークス)
時間が取れなくなったので簡単に(早く図書館に返却しなければ…) 突然世界中に降り注いだ強大な塩の結晶。 人間がそのまま塩の結晶と鳴る奇病が流行り始めた。 街は塩で埋め尽くされ… あの日突然結晶化した人々。 家族の元に帰れなくなった人々。待っていても帰ってくる家族を失った人々。 愛する人たちの結晶化を目の当たりにした人々… 物流は滞り、物資は不足。配給制に。電気・ガス・水道だけは何とか維持されていたが… 不用意に情報を漏らし、弱者を見捨て、食い物にする連中。 一度引っかかると放っておけない少女・真奈。 偶然真奈を救い、部屋を提供し共同生活を送る秋庭。 二人の前に現れ消えて行った少年たち。 と、秋庭の旧知である入江が現れ… 真奈が最初に出会う遼一の荷物が…わかった時には衝撃的でした。 街を埋める塩害の原因が、具体的な温度を持ってくるととても切なくて… 温かい綺麗な海への拘りはこのご時世にはかなり贅沢なことだったとは思うのですが、秋庭は初めから何となく察していたのかな? そして最後…遼一は幸せだったのか?幸せだったよね。きっと。そう思いたい。 トモヤ…哀れ。真奈に対する言動が酷かったけど、秋庭のために耐えて、でも最後はトモヤを見送る。こんな時代でなければ…もちろん些細なことでも悪いことなど最初からしなければよいのですが、やり直す機会が与えられていれば…後悔と理不尽な思いとが無謀な行動を起こさせた。 入江。手塚兄をもっと極端にした感じか?手段を選ばないよなあ。でも自分もちゃんと腹括ってる。真奈と一緒に結晶部屋に入るところはそれまでの非道な実験を帳消しとはいかなくても最低限の損失(こういう書き方もなんですが、でも制限時間があるのに実験なしで推測だけで事を進められるレベルではないので)で救うことにためらいのない人だと思った。秋庭の性格も良くわかっているし…今回、実験?成功だったので上手くいろんな所を動かして殲滅するんでしょうね。で、軌道に乗った頃雲隠れするのかな? 野坂夫婦。夫は最後の方しか出てこないけど。良い人たち。 妻、ほんとに良い人だ!頼りになるお姉さん。真面目でまっすぐな感じ。真奈に頼られて、頼られる自分であろうとする人でもありました。最後は夫に止められてしまいましたが… 夫、真面目で気弱そうだけど上司を尊敬し、妻を誰よりも愛しているのが良くわかる。 …、大勢はこういう善良な人たちで、不祥事を起こすのは一部の人だと信じたい。 秋庭、カッコ良かったです。見なきゃ良かったと言いつつ、怒りながらも助けてしまう人。実力もね。入江が使いたくなる気持はよくわかる。他の人では出来ませんでした。 真奈。耐えました。乗り越えました。頑張りました。秋庭が無事戻ってきて良かったね。 対策は始まったばかり。まだこれから。秋庭もまだまだ忙しいことでしょう。 真奈と生きていくためにも頑張って欲しいですね。 有川さんのデビュー作で、自衛隊三部作の第1作のようですが、これはこれだけで完結しているようですね。 表紙の絵が可愛い系(知らなんだら少し手に取りにくいかも)ですが、得体のしれない物体(生物?)も、切ない恋愛も、真っ当な人たちも、卑怯な連中も、重火器もあり。一気読み! 私にはこっちの方が手に取りやすいかな? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2008年10月30日 14時07分30秒
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