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カテゴリ:バンクーバー五輪
フィギュアスケート男子シングル、アメリカのエヴァン・ライサチェックが優勝しました。 金メダル確実と言われていたロシアのエフゲニー・プルシェンコは僅かな差で銀メダル。 高橋大輔は日本男子初となる銅メダルに輝きました。 日本国民として本当に嬉しい快挙です。 今シーズンから復帰し、圧倒的な強さで快進撃を続けてきたプルシェンコでしたが、 今日のフリーではジャンプの軸が曲がり、スピンのスピードはいつもより遅く感じました。 4回転は決めたものの、いつもの完璧な演技ではなかったように思います。 オリンピックの金メダルを狙うということは、相当な重圧に耐えなければなりません。 プルシェンコもその重圧に、ほんの少し隙をつかれたのかもしれません。 優勝したライサチェックは、ショート、フリー共に完璧な演技でした。 加点がつくような美しいジャンプを飛び、音を捕らえたステップや上半身の動き。 回転速度の速いスピンでも、足の先まで伸びていて隙がありません。 フリーは少し慎重な部分もありましたが、 ショートで滑った「火の鳥」は音楽と見事に調和した圧巻の演技でした。 表彰台の一番高い台に立ったライサチェックを見ながら、 私は彼がトリノオリンピックでもフリーで大健闘し、 観客から大喝采を浴びていたことを思い出しました。 トリノでは、ジョニー・ウィアーがアメリカの一番手で、彼はまだ二番手でした。 しかし、思い切り演技するその姿は生き生きと輝き、観客の心を捉えていました。 将来を期待された若者は、その後全米選手権を2連覇。 しかし、世界大会ではなかなか勝てませんでした。 世界大会では国内大会よりも採点が厳しくなります。 全米選手権では審査員全員がアメリカ人ですが、 世界大会では世界各国の審査員が採点するので、厳しくなるのは当然です。 近年、ジャンプの回転不足が厳しく取られるようになり、多くの選手が苦しんでいます。 1/4回転足りないと、3回転のジャンプでも2回転扱いとなってしまうのです。 ライサチェックはジャンプが低く、それを回転速度で補っているタイプなので、 回転不足を取られることが多く、なかなか得点が伸びないことも多かったのです。 それに彼の演技は、流れるようなスケートというよりは、 きびきびとした歯切れの良い演技が持ち味なので、 演技構成点でも、高得点をもらうことは難しかったのかもしれません。 スケートの世界でも、その年の「流行」みたいなものがあり、 今年はこういうタイプのスケーターが評価される年か?と思うことがあります。 あくまで私の個人的意見ですが・・・ 近年はスケーティングの美しい選手が評価されることが多かったように思います。 しかし、ライサチェックは昨年の世界選手権で優勝し、今年のグランプリファイナルでも優勝。 審判員の目も変わってきたのかなと。 フィギュアスケートは採点競技なので、色々な大会で成績を残し、 審判員に「この選手はすごい」という印象を与えることも大切です。 技術点は技の点数だけが反映されますが、 演技構成点には、演技に対する審判員の印象が反映される部分もありますから。 ライサチェックの話ばかりになってしまいましたが、高橋大輔についても少し。 日本人離れした演技力で、素敵なプログラムを思いっきり滑りきってくれましたよね。 思ったよりも得点が伸びなかったので、「あれ??」と思いましたが、 転倒した4回転が回転不足で3回転扱いに。 転倒により出来栄えからも-3点。僅か1点しかもらえなかったみたいです。 スピンも他の選手に比べると低いレベルでしたので、仕方ないのかな~と。 でも、演技構成点は誰よりも高かった!これは嬉しいです! 日本人が欧米の選手よりも「演じていた」という評価ですから! 怪我から復帰したばかりの今シーズン、 一番良い演技をオリンピックで見せてくれたのではないでしょうか。 勢いのあるショートと独創的でコミカルなフリー、 彼が毎年滑ってきたプログラムの中でも、彼に一番合っていると思います。 私も大好きなプログラムです。 演技中の楽しそうな笑顔、そして滑り終わった時の最高の笑顔。 心に染みました。 感動をありがとう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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