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ラッコの映画生活

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2006.12.16
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BLIZNA
Krzysztof Kieslowski

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ドキュメンタリーの限界を感じたキェシロフスキがフィクション長編映画に転向した頃の作品。 この『傷跡』の前年に『スタッフ』という劇場衣装係ロメクを主人公とする72分の作品を作っている。

BLIZ_personel.jpg

建築技師のステファンはかつての故郷ポーランド北部のオレツコの化学肥料大コンビナートの建設とその後の運営の監督官に任命される。妻は20年前に政治的な問題で仲間だったレフを辞職させたというシコリがあり、娘エヴァも正論だけで人の心を蔑ろにする父とは心の離反があり、ステファンは一人オレツコに赴任する。

化学肥料生産による国の繁栄のため、地域の経済繁栄のため、地域の住民の幸福のため、と理想論で仕事を進めるが、やがて政治上層部からも、住民からも批判を浴び、そして家族からも離反し、だんだんに孤立していく。娘エヴァが言うように「お父さんは有能な技師であっても、人の心は扱えない」。主人公のステファンが善意の人なだけに、結果的に良心に痛みを感じなければならない事態になっていくのが見ていて寂しく、痛々しい。

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この映画、あるジャーナリストのルポをもとにフィクションに仕上げられたらしいが、半ばドキュメンタリーになっていて、物語映画になり切っていないのが中途半端。後年『デカローグ』以降最後の『トリコロール』まで政治や社会から離れて人間を描いたキェシロフスキだが、ここでももっと主人公のステファンや妻、娘、といった人間のドラマとして作られていたらもっと面白かったと思う。監督自身が失敗作と言っている。しかし後年の諸作品をよりよく理解する上で、また『アマチュア』『偶然』『終わりなし』などのポーランド時代の長編映画の社会背景を知るためにも、キェシロフスキファンにとっては必見かも知れない。見ていてイヤになる駄作でもないし、眠くなることもない。

妊娠してもタバコをやめない秘書役で友情出演している映画監督のアグニェシュカ・ホランドがチャーミング。

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Last updated  2006.12.16 00:30:47
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