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BE KIND REWIND
Michel Gondry 101min(1:2.35) (桜坂劇場 ホールBにて) 決して悪い映画ではないし、コンセプトも頭では十分に理解できるけれど、実際の1本の劇映画としてはつまらなかった。予告編を見て感じた悪い方の予感が的中したので、大きく失望することはなかったけれど…。 映画は30年代の伝説の黒人ジャズピアニスト・ファッツ・ウォーラーを紹介するような白黒の擬古調映像から始まる。そしてニューヨークから15キロにあるニュージャージーのパセーイク。ファッツの生家だという古い建物にあるレンタルビデオ店。いまどきVHSビデオだけでDVDはないが、古い名作なども置いてある。ようするには時代遅れとなってしまった店。建物の老朽化で市当局からは改善命令が出ているが、店長のフレッチャー(ダニー・グローヴァー)にはそんな金はない。命令に従えなければ立ち退くしかない。市当局は再開発を目論んでいるのだ。ある日フレッチャーは例年のファッツ記念旅行だと、若い店員マイク(モス・デフ)に店を任せて旅立つ。 ところがマイクの友人ジェリー(ジャック・ブラック)のせいで店内のすべてのビデオが消去されてしまう。ジェリーは変電所に忍び込み、高圧電流で感電したために「磁気人間」になってしまっていたのだ。お客はビデオを借りにくるし、中には店長の友人ファレヴィッチ(ミア・ファロー)もいたりでマイクは大慌て。旧式(VHS)のビデオカメラを使ってジェリーと二人、名作映画の陳腐なドタバタ・リメイクを作る。これが意外にもお客に大ウケ。お客は店に行列をなし、二人は次から次へとリメイクを撮ることになる。『ゴーストバスターズ』『ロボコップ』『ライオン・キング』『2001年宇宙の旅』『シェルブールの雨傘』…。 しかし本家本元の映画会社が黙っているはずもない。ハリウッドの著作権担当だか弁護士だかがリムジンで乗り付け、何百万ドルという多額の著作権料を請求し、店内の違法ビデオは路上に積まれ、アスファルトローラー車ですべて潰されてしまう。 ならばオリジナルを作れば良いということになって、街中の人々で協力してファッツ・ウォーラーの伝記映画を作ることになる。それが冒頭の映像の一部だったりするのだけれど、いわばトルナトーレの『ヌオーヴォ・チネマ・パラディーゾ』の世界だ。 (つづく) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.03.24 22:34:19
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