櫛の持ってる物語 バトン4 最終話
~バトン4 最終話~ あたしはノロノロと起き上がり ケータイをつかんだ。 明るい声が 流れてきた。 「やっと泣き止んだ? アタシ ケータイのつくも神。 こんな新しい道具につくなんて コケンにかかわるんだけれどね。 櫛のつくも神に免じて 99年分 貸しにしとくわ」 「櫛のつくも神さんは?」 あたしの声 消え入りそう。 「アタシをケータイに産み落として 自然消滅 世代交代。 また 泣くの? 櫛のつくも神から 伝言を預かったわ。 いい? 」 あたしはあわてて涙をふき ケータイを握り直した。 「『ゆんが渡されたバトンは櫛じゃない。 もっと確かで素敵なものを受け取ったんだよ』 だって」 「どういうこと?」 「自分で考えなよ。 それよりこの着メロ ダサイ。 別の曲 探してくるわ」 電話は そこで切れた。 泣くのは止めて もう眠ろう。 そして明日 元気な心でバトンの意味を考えよう。 櫛 元通りにはならないけれど・・・ 直してみよう。 ところで つくも神のケータイ使用料は 誰が支払うのだろう・・・? (おしまい)