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TEHANU(テハヌー)が原題。
ゲド戦記4作目。 岩波書店 1993 表紙・地図 マーガレット・チョドス=アーヴィン 「こわれた腕環」でゲドに導かれ、生まれた地を、大巫女という役割を離れて、 ハブナー→ゴント島へ来ていたテナー(大巫女のときはアルハと呼ばれていた)。 彼女はその後、ゲドの師・オジオンの下に身を寄せたが、自分の道を探し求めて弟子をやめ、 結婚→出産→夫と死別、ゴハと呼ばれ農園で暮らしていた。 彼女はあらゆる虐待を受け、薪に投げ込まれ、顔半分が焼け爛れ、 片手が潰れてしまった少女をテルーと名付け、引き取る。 「さいはての島へ」の直後、カレシン(竜)の背に乗ってロークを離れたゲドが意識朦朧となりながらゴント島に帰ってくる。 彼の看護をテナーはするが、ゲドは魔法を失い、厭世的に、人を避けた行動をとる。 ゲドがハブナーの王の使者から隠れるように去ったのと前後して、 テナーの身の回りにはテルーを追うかつて彼女に危害を加えた男の影が。 今回は二つ(二作目・三作目)の物語のその後が見れるのは嬉しい。 が、なんだかいきなり生々しく(虐待、女性蔑視(男尊女卑)、女まじない師の実体、男女のことなど)というか、 今までとは違う筆致がところどころに見え違和感がある。 と、思ったら、これは3作目から16年後くらいに出版されている、という(物語の時間は大して経っていないけれど、現実の)時間が経ったゆえか。 ラストでテルーの本当の名がテハヌーだと分かる。 また、彼女がカレシン(竜)を呼び、彼に「娘」と呼ばれるのはなぜか?という疑問が残る。 ここまでだと、全3作でまとめた方が良かったような(今回の後味が良くないような)気もするが、次も一緒に読めばまとまるかな? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
June 30, 2005 12:41:20 PM
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