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March 8, 2006
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「未来は神様のレシピによって決まる」

祖母の病気から逃げ、死に目に立ち会えず、
人に認められ、求められることを目指して仕事にのめりこむ恋人・静香と別れ、
視力低下を理由に仕事を辞め、人生をリセットするつもりで伊藤が起こした杜撰なコンビニ強盗。
あっけなく失敗。それは良いのだが、捕まった相手はかつての同級生で今は警察官の城山だった。
彼は優等生の顔をして、残忍な性癖の持ち主だった。
パトカーが事故を起こしたのを幸いに伊藤は逃げ、途中で気を失う。
気がついた時には見知らぬ島につれて来られていた―
今でも鎖国を続け、轟以外は外界との行き来がない"萩島"。
その孤島では喋るカカシ・優午が預言者として島民から崇められていた。
そして、この島には「欠けているものがあり、外界から来るものがそれを持ってくる」という言い伝えもあった。

優午に信頼を寄せる様は一種の宗教の様にも思える。
彼を慕うペンキ塗りの日比野、人の良い郵便屋・草薙と彼の妻で人の死に際し手を握る(のが仕事の)百合、
妻が襲われてから真実の反対(嘘)しか言わなくなった元画家・園山、足の悪い田中、
島の法律・桜、伊藤の前に外界から島にきた唯一の人物・曽根川、
肥満で動けなくなったウサギとその夫、
日比野が思いを寄せる佳代子と双子の姉・希世子。
様々な人間が住むこの島で優午がバラバラになって殺された。
未来を知っていても口にはしなかった優午。
彼は自分の死を知っていたのか?知らなかったのか?
彼の死、犯人を探る伊藤と日比野、
今までは優午が教えてくれた犯人を捕まえるだけだった警察・小山田。
その後、曽根川も殺される。
犯人は誰か?

一方で、仙台では残忍な城山の間の手が静香に伸びる。
色々な線が結ばれたり、ほどかれたりして明らかになっていく。

支倉常長の死後、萩島が完全鎖国に入る頃、
優午を作った禄二郎とその友人・徳之助の話も途中に挿入される。
オーデュボンとは何億羽もいた"リョコウバト"を発見し動物学者。
"リョコウバト"はその後、乱獲によって絶滅する。

不思議な魅力を持った話。
ラスト(過去に飛ぶ)が唐突過ぎる気がする。
しかも、優午が何故未来を語らなくなったのかの理由があっけなさ過ぎて拍子抜け。
どうせなら優午の名前の由来とか知りたかったなぁ。

ちなみに第五回新潮ミステリー倶楽部賞受賞作にして、本作が初の単行本。
こういう受賞作にはたまに選評が載っているので面白い。





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Last updated  March 9, 2006 12:08:21 PM
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