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カテゴリ:邦画
最近、東映、観てないなぁと血中の不良性感度が下がってきたのでDVDレンタル。中島貞夫監督による暴力団史上に残る山口組、一和会の抗争を材にしたやくざ映画。
三代目とその後継者候補の若頭(史実では田岡親分と山本健一)を相次いで失った大組織。組長代行の夏八木勲は最高幹部会で四代目襲名に名乗りをあげるが、若頭のショーケンが収監中であることを理由に若手武闘派の中井貴一(内縁の妻役は「キネマの天地」共演の有森也実)と中条きよしは反対の声をあげる。多数派形成に確信を抱いている夏八木は釈放後の幹部会で入れ札を行なえばいいと余裕を見せてその場での採決をやめてしまう。だが、組の分裂を危惧する三代目未亡人の岡田茉り子が三代目の遺言があったとショーケンを四代目に指名。これを不服とする夏八木は渡瀬恒彦、志賀勝らと組を割って新組織八矢会(史実は一和会)を形成する。だが、本部長で新組織の副会長・中尾彬が元の代紋への復帰を求める組員の突き上げであっさり引退したり、誘拐された本田博太郎がバーナーで足を焼かれ、チェーンソーで脅されて、自身の組を解散するなど、形勢は不利に。 そこで陣内孝則、火野正平ら暗殺班による襲撃を画策(射撃訓練で元自衛隊の火野が離れた標的を命中させるのに対し、陣内は木めがけて突進。まるでドスのごとく銃口を押しつけてのヒットマン射撃術を披露)。なんとショーケン四代目らの暗殺に成功し、一気に形勢が逆転したかに見えたが、中井が陣頭指揮をとって抗争激化。石立鉄男の組へ身を寄せた陣内が石立ともども落命し、ついに幹部らも続々引退して新組織は実質崩壊。関東の大物・丹波哲郎(やはりこういう時は丹波さんでないと)が仲裁に乗り出して、約五年の抗争は終結するのであった。 中井貴一がヤクザ映画初主演。ちと武闘派には見えぬが、抗争の経緯などは現実をトレースしている。ただ、1750日とタイトルにはうたったが、劇中でテロップを出すなどの時系列の明示はモデル問題もあってか、そうなく、約五年の歳月の重さを感じさせないのは難。配役は上記あらすじの通り、かなり豪華であるが、見せ場があまりないまま、落命のショーケンなど、ちともったいなさも漂う。 最後に劇中から、中井へ対する電話越しでの渡瀬恒彦の敗戦の弁。 「二十年前、わしらやったんと同じことをお前らやったんじゃ。いけいけでのう。極道は力や。勢いや。いけいけや。それが金もできて詰め間違うたらそん時は終まいや。きっちり落とし前だけはつけるつもりや」。 史実もそうなのだが、最高幹部会の場で押し切ってさえいれば、すんなり四代目を襲名できたはずの夏八木とその一派。人生、思わぬところが運命の別れ目だったりするものであるよ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年05月01日 17時25分29秒
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