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弁護士・伊藤和子のダイアリー

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2008.03.15
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自民党と公明党が、取調べの可視化に関するそれぞれの見解を発表した。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/080314/trl0803141039000-n1.htm

志布志、氷見などの冤罪事件が問題になり、無実の人が密室の取り調べで
嘘の自白をさせられていたこと、とくに志布志では本当にひどい心理的な
拷問が行われたことが明らかになったため、政権党としても無視できず、
取調べの適正化を検討していたのだ。
その結果について、とくに自民党の結論について、私はがっかりして
しまいましたね。 

確かに、検察だけでなく、警察についても、取調べの録音・録画をする、
というわけですが、「全過程の録音・録画」ではなく、
あくまで一部でいいというのです。
しかし、取調べでごんごん脅かされたり、どなられたりして、「もう自白します」
と屈伏させられてしまい、その最後の自白のところだけ録音・録画され、
それが証拠になったら、むしろ最悪で、冤罪が増えます。
だいたい、警察は否認していると、「そんな言い分はききたくない。」
と調書をとってくれないことが多い。いろんなテクニックで人を自白に追い込んで、
それに成功したところで、はい、録画、というのはまさにいいとこどりで
危険極まりないです。
 そして、人は録画されたものを信じてしまう傾向があり、一部録画された
いいとこ撮りのつまみ食いのビデオは、あらたな冤罪の温床になりかねません。
 
 ところで、全部録画をみとめない理由として、以前から警察がいってきた、
関係者のプライバシーが明らかになってしまうから、という理由があります。
 しかし、警察は、日本中いたるところに監視カメラを設置し、犯罪と関係のない市民
のプライバシーを侵害していてそのことに躊躇はいっさいなさそうなのに、なぜ
取調べに限ってプライバシーなどというのか、まったく説得力がありません。
 
もう一度よく考えなおしてもらいたい、と切に思います。
取調べの全過程を録画しない限り、冤罪は防げません。





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Last updated  2008.03.15 13:38:27
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