ネグリ氏の入国拒否で考える「テロと人権」
私は、講演会に参加するのを楽しみにしていたため、本当に残念である。
なんということであろうか。
反グローバリズムの巨匠、ネグり氏が日本に入国・講演予定だったのに、
日本への入国が困難との理由で、中止となったという。
日本でも米国の反テロ政策の影響を受け、テロ対策を理由に外国人の入国が次第に厳しくされている。
加えて、日本で今年開催される洞爺湖G8サミットの警備に関連し、
日本国内でデモなどをしそうな外国人を排除しよう、とする傾向が高まっている。
「疑わしきは入国させない」ということである。
その挙句に起きたのが、世界の知識人の初来日の中止である。
この問題はテロ対策が人間の移動の自由という人権を制限している、という典型である。
これは日本にとっての損失でもある。テロ対策によって海外の知性、海外からの斬新なアイディアが
日本に入ってこなくなってしまうことになるからだ。
当局にとって疑わしいと考える人々をすべて入国拒否し、
世界の限られた国々のリーダーを招いても、それは本当の
国際化と言いうるのか、考えてみるべきだ。
2008年3月20日 19時03分
反グローバリズムの象徴的存在として知られるイタリアの政治哲学者アントニオ・ネグリ氏(74)が、査証(ビザ)なしでの入国が困難として、予定していた初来日を中止したことが20日、分かった。
ネグリ氏は財団法人国際文化会館(東京)の招きで20日に来日し、4月4日までの滞在中、同会館や京大、東大などで労働問題などをテーマに講演する予定だった。
ネグリ氏は過激派テロ組織「赤い旅団」による元イタリア首相暗殺事件をめぐり、言論活動での影響を問われ有罪となり、一時フランスへ亡命。1997年に帰国し、2003年まで服役した。
国際文化会館によると、外務省から17日「昨今の事情で、ビザがないと入国できない可能性が高い」と、ビザを申請するよう連絡があった。
入管難民法は1年以上の懲役や禁固刑を受けた外国人の入国を禁じる一方、政治犯を例外としている。しかし、ネグリ氏が政治犯であったことを証明する書類を準備するのは困難で、ビザを申請しても発給されない可能性があるという。
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2xxx-xxx-xxxxx94.html
テロ対策との関係ではこんな事態もおきている。 ヒューマンライツ・ナウが先日、日本の人権状況として国連に提出した文書を抜粋しよう。
出入国管理及び難民認定法第6条は、テロリズムに対抗する手段として、米国のUS-VISITプログラムにならい改定され、外国人および特別長期滞在者を除く再入国者すべてに、指紋情報、顔面像、その他個人識別情報の提供を義務づけた。この制度は情報採集方法、処理方法、利用の範囲などに何の制限もないまま、導入された。
これは、私が米国に入国したときに行われたのとまったく同じやり方で、プライバシーの著しい侵害である。本当に嫌な思いをしたものだ。このような制度が、「右へ倣え」で日本でも導入されていることについても是非考えていただけると嬉しい。
To: ??????@hotmail.co.jp> Subject: 21日の日記> From: > Date: Fri, 21 Mar 2008 10:02:02 +0900> > <楽天ブログの日記更新メールです>> <このメールに返信するとブログ記事が書けます>> <下書きする場合は、下記アドレスに送信して下さい>> <下書き用アドレス >> <画像や動画(ベータ版)を添付することも出来ます>> > >