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弁護士・伊藤和子のダイアリー

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2008.03.26
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カテゴリ:女性の法律問題
私達のいる法曹界はほかの業界よりも、際立った男社会、
ボーイズクラブではないかと思う。
私は自分の属している日本弁護士連合会は人権活動で大変がんばっている
と思うのだが、その多くの活動は男性に依拠してきた。
弁護士会の委員会に参加していると、たいていの場合(私がマッチョな
イシューばかりを選んでいるからか?) 委員会はずらりと男性が並ぶ。

日弁連会長に女性がなったことはなく、私のいる東京弁護士会で女性が
会長になったこともなく、毎年六人副会長を選任しているのに、
戦後副会長を経験した女性は六人に過ぎない。

また、女性の権利のための活動というのは総じてあまり重視されていない
ように思われる。弁護士会のなかのセクハラ規則は長らく存在せず、最終的に
制定されたが、「ほかに重要案件がたくさんあるから」と
随分たなざらしにされたと聞く。

私は死刑、冤罪、司法改革などの弁護士会の委員会をやってきたが、
女性の権利・両性の平等に関する委員会、というところでも活動していて、
いまは東京弁護士会の両性の平等に関する委員会の委員長をしているが、
そのことをいうと、
ほかの人権分野で一緒に活動している人に「なんでそんなことやってるんだ?」
「そんなことは他の人に任せておいたら? もつと大事な○○をやってくれ」という声、
または「女権、怖い」という声を聞くことが多いので、驚く。
また、弁護士会内で、
ほかの分野について発言するときより、女性の権利の問題で発言すると
拒絶反応が強かったり、発言が敬意をもって受けとめられないことが
多く、カルチャー・ショックを受けた。「あーこの問題って、
弁護士会ではマイナーなのね」と新鮮な驚きを受けた。

実は弁護士会の両性の平等委員会って、非常に忙しく、離婚やDV、セクハラに関する
出版、マニュアル作成、講演会、弁護士研修の講師に常に
呼ばれる、など、多くない人員と予算でみんな飛び回っている
し、人口の半数にのぼる女性の権利を守るために非常に
重要な活動をしていると思う。
ところが、私がほかでみてきた、死刑、冤罪、人権などと比べると
予算もすごく少なく、委員会の位置づけも大きくない。

 女性の権利の実現を妨げる要因、そのひとつは「女性の権利など、
取りあげるに足らない些細な問題である」という社会的な評価と
それによって女性たちが自己評価を下げてしまうこと、
ということを先日、国連女性差別撤廃条約委員会の委員に
なられた林陽子先生が話されていて、大変共感したのだが、
 まさにそういう状況にある。
しかし、市民の権利実現をはかる団体とみられている弁護士会
がこういう状況であると、女性の権利の法的な実現や前進も
進まない、社会的にもよい影響を与えないことは明らかだ。

しかし、そういう状況をなんとか変えようと、現在、
弁護士会内に男女共同参画を実現しようというプロジェクトが進行中である。
今年度中に、弁護士会の男女共同参画要綱を成立させようと、いま
がんばっており、
3月28日には、政界、経済界からゲストを招いて、各界での男女共同参画
から弁護士会のことを考える集会を開催する(弁護士限定なのですが)
政界のゲストは野田聖子さん。 いろいろと大変な思いをされて
がんばってこられたと思うので、発言に期待したいと思う。

 続きをまたアップします。

 





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Last updated  2008.03.26 11:19:19
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