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弁護士・伊藤和子のダイアリー

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2008.09.01
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  昨日、今日と、私が取り組んでいる、えん罪・名張毒ぶどう酒事件の
 夏恒例の弁護団合宿があり、浜名湖まで行っていました。

  この事件は、5人の女性を毒殺した罪に問われた死刑事件ですが、
 被告人とされた奥西勝さんは、一審無罪、高裁で逆転死刑判決、
 最近では毒物が異なる、という科学鑑定などをもとに、
 2005年に再審開始決定(裁判のやり直しを命ずる)が出され、2006年に
 その取り消し決定、という数奇な運命をたどっている、未解決のえん罪事件です。
  現在、事件が最高裁にかかっていて、再審を開始するのか、しないのか、
 を決めることになります。2006年の取り消し決定のときには新聞各紙が
 「疑わしきは罰するのか?」と疑問を呈したほど、弁護側に過酷な決定でした。
  事件は昭和36年におきました。奥西勝さんは半生を死刑囚としてすごし、
 いまや82歳です。30人以上の弁護士からなる弁護団が、なんとか生きたまま
 奥西さんを死刑台から救いたいと思って取り組んでいます。

  さて、毎年この時期に合宿をするのですが、最高裁の決定がいつ出るか
 まったくわからない状況にあるので、メディアの関心も大変高く、
 2社のテレビ局が張り付きで泊まり込んで取材をしていました。
  会場のホテルに到着した瞬間からテレビカメラ!!
(でも、肝心の議論の際はお引き取りいただいていて、懇親会とかを
取材されています。そんななかでもいつも熱心に取材していただいて
 感謝です)。
   インタビューされたので、「この事件すら無罪にできないなら、
 裁判所に未来はない。推定有罪や自白偏重の姿勢を裁判所が自ら
 改めようとしないなら、裁判員制度を導入したって、
 刑事裁判には何の展望もない」とコメントしました。本心です。
  この弁護団には大変優秀な先輩弁護士が多く、いつもとても勉強に
 なるうえ、大変楽しい仲間でもあります。
  今回も合宿の結果、山ほど仕事を引き受けてきてしまいましたが、
 東京の若手弁護士たちの助けを借りて、再審開始の決定を目指して
 この秋もがんばりたいと思います。
  支援のみなさま、報道のみなさま、今後ともよろしくお願いいたします。
  
 





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Last updated  2008.09.01 22:12:19
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