男の顔
最近あまり聞かなくなった言葉に、リンカーンが言ったという「男は40を過ぎたら自分の顔に責任をもたねばならない」がある。僕は40をとおに超えて久しいのではあるけれど、いつまでたっても腑抜けで締りなく、ぜんぜん諸先輩のようないい顔にはなっていない。僕の場合、お顔の責任はあさっての方にある。「鏡見て顔を作るからいかんのかなぁと思うんだけど、俺の場合、歯を磨くのも、髭をあたるのも風呂の中で、鏡は見ていない。出かける前、髪を梳かすときだけだから、ものの10秒。それでもこんな顔だ」固いものを噛まなくなった食生活というのもある。しかし、別にカミサンに似たとは思わぬが、我が家の娘と息子は、なかなか立派なアゴをしていらっしゃる。固いから嫌だという言葉は聞いたことはない。さすれば、この顔は、固いものを食さないせいでもなさそう。男性はともかく、女性には「40を超えたら自分の顔に責任がある」とは言わない。女性と年齢ということはあるけれど、女性の場合、どうしても鏡に向かう時間が長く、どんな方でも、自分のお顔を作ってしまう。女性の場合、きれいなお顔というのはあっても、「味のある顔」にはなりにくいかも。先日、行きつけの飲み屋で、ママと、ある先輩の肩の色気の話しをした。「結局、その人が生きてきた人生が形に出るんだよ」そうだよなぁ。えらそうに、俺はあれをやった、これもやった とえばってはみるものの、しょせんこの顔だもんなぁ。自分ではいい仕事をしてきたと自負するが、まだ修行が足りない。いい顔は作るものではなく、出来ていくもの。「お湯をかけると、いい出汁が出てきそうな顔になりたい」「お湯をかけると、やけどしちゃいそうな顔じゃあいけないんだよ」It is said that Abraham Lincoln, when he was President of the U.S., was advised to include a certain man in his cabinet. When he refused he was asked why he would not accept him. "I don't like his face," the President replied. "But the poor man isn't responsible for his face," responded his advocate. "Every man over forty is responsible for his face" countered Lincoln.***「もう帰るの?」「あぁ。こないだ雪道でこけて尾てい骨打った。長く座ってると痛くなってくる。バッファリンか鎮痛剤無い?」「おいてないわねぇ」「太田胃散ある?」「あるわよ」「それでいい」「明日(25日)はもっと寒いんですって、強い寒気が流れ込んで、冬型の気圧配置が強まって、風も強いんですって...」「雪降るの」「東京は降らないって」「ならいいさ」