第4話「女帝の激突」
小滝(佐藤浩市)から連続放火事件の犯人が民子(米倉涼子)の家の放火も自供したと聞いた民子。民子は安堵の表情を見せる。小滝はそれだけを告げ、フィアンセであるホテルの社長令嬢(梅宮万紗子)と消えていった。黒谷(前川泰之)に襲われた民子だったが、それは米子(若村麻由美)の指図だった。米子はそれを「サアビス」とのたまい、「いつも肝心な所で役立たずな相手をさせられるのは大変でしょう。中途半端に熱くなったモノを納めるには」と続ける。民子は「ご自分の“始末”は間に合ってらっしゃるのかしら」と反論。民子は鬼頭の布団に入るが、鬼頭は「今日の民の肌は不機嫌だ。私の手がイヤだイヤだとだだをこねている」とささやく。さらに、民子と小滝の関係を問い詰める。だが浮気してもいいという鬼頭の胸中を民子は理解できない。そこに民子は何者かの視線を感じる。米子だ。民子は鬼頭に愛撫されながらも豪快に障子を開け放ち、米子に行為を見せつける。恍惚を伴った民子の顔は、勝ち誇ったかのようだった。そんな中、久恒(仲村トオル)は部下から鬼頭に関する情報を聞く。昭和50年代に上海の油田開発に関与したという黒いウワサがあり、警察の上層部も鬼頭にだけは手が出せないらしい。久恒は部下に秦野の調査を頼むが、部下は「触らぬ神に祟りなし」と常套句と用いて、それを拒む。だが、久恒は「誰が神だって」とだけ告げ、部屋を出る。小滝が民子にフィアンセと紹介した女は、関東高速の会長、香川の愛人だった。秦野は彼女に香川の代理人だと告げるが、その場で絞殺してしまう。ぬかりなく“作業”を終えた秦野の元を民子が偶然顔を見せる。死体を見てしまった民子は動揺が隠せない。そこに小滝、黒谷らが現れ、死体を運び出す。秦野はルームサービスで生ガキをオーダーし、バカバカ食べながら、民子と小滝にかつての裁判の話を冗談交じりでを聞かせる。どうやらそれは人を殺めた後恒例の悪癖のようだ。民子と小滝はただ呆然とその様子を見ていた。久恒は医者の元にいた。咳を続けていた久恒だが、右肺がガンに侵されていた。久恒は「あと1年持ちゃあいいってとこですかね。まいったな」と自嘲的な笑みをこぼす。鬼頭の元を関東高速道路の新会長と衆議院議員の間宮(長谷川朝晴)が訪ねる。愛人を殺され次は自分だと知った香川は会長職を辞任したらしい。二人を民子が見送り、頭を下げられるが米子はそれはあなたの力ではなく、鬼頭の力だ。勘違いするなと言い放つ。民子は米子に先日のふすまを開けた件を持ち出し、「体に灰汁(あく)がたまる」「あんなに旦那様を楽しませたことなんでしょ」と挑発。するとすかさず米子は民子の頬を張る。二人は取っ組み合いの喧嘩を始め、着物のすそを振り乱しながら大乱闘。民子にマウントを取られた米子はついに泣き出してしまう。その後、民子は間宮に取り込もうとするが…。