カテゴリ:北海道の甲虫
ある虫がその地域に分布してることは「採れた」ことから証明できるけど、過去にたった1頭しか採れていないっていう場合も結構あったりします。この場合は、単に努力不足の場合も多いのですが、どこかから持ち込まれた木材から偶然発生したとか、竜巻で巻き上げられたものが気流に乗って来たとか、超能力者によって瞬間移動させられたとか、様々な原因が疑われる訳です。
でも、この「コスジマグソ」はどうなのかなぁ?これは2年前に道南の小さな集落の山裾にあった牧場脇で試してみたライトトラップで偶然採れたもの。本来は南方系の種類で、東南アジアから南日本を中心に分布してますが、北海道で採れたのは後にも先にもこれ1頭のみ。この僅か3ミリ足らずのこの1頭のせいで、図鑑は「コスジマグソは北海道にも分布している」となってしまい、日本の分布図を塗り替えてしまったのです。 実を申せば、これを採った日はダイコクコガネ1本狙いだったために、ダイコクがゼロだったことにガッカリして、ライトトラップに大量に入っていたマグソコガネの殆どをその場にブチまけてきてしまったのです(あ~あ、やっちゃった・・)。まだフンチュウ屋1年生の頃です。そして、参考程度に採ってきたマグソコガネの中に見慣れないウスチャイロの小さなマグソが・・・。 その後、必死になって何度もその牧場には通っていますが、追加のコスジマグソは全く採れていません。ま、そんなもんですよね・・・・。 う~ん、やはり珍らしい虫には必ず逸話があるものです。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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